monthly
← 2007年02月 →- 感無量です [2007/02/28]
- やっぱりいいですね [2007/02/26]
- グネグネ [2007/02/24]
- ビールの泡というよりは... [2007/02/23]
- 刻んでいる分には良いようです [2007/02/22]
- レコメン系のレコメンはこのレコメン? [2007/02/21]
- 月刊グラントグリーン2007年3月号 [2007/02/20]
- 切り口の違い [2007/02/19]
- スライド [2007/02/18]
- さりげなく [2007/02/17]
- これは1枚しか持ってません [2007/02/16]
- やっぱり誰かの誕生日 [2007/02/15]
- 持っていたいジャケット? [2007/02/14]
- 効能 [2007/02/13]
- インチキ臭いかと思いきや [2007/02/12]
- 時間をかけます [2007/02/11]
- 入手困難続き [2007/02/10]
- テーマが現実的過ぎ [2007/02/09]
- 今着るなら、こっちのジャケットのTシャツの方がいいかも [2007/02/08]
- このジャケットのTシャツがあったら、ちょっと欲しいかも [2007/02/07]
- 程よい力の入り具合 [2007/02/06]
- 程よい力の抜け具合 [2007/02/05]
- 懐かしの [2007/02/04]
- 在庫処分のようです [2007/02/03]
- 在庫処分でしょうか [2007/02/02]
- 印象変わらず [2007/02/01]
![]() J Mascis 02/26/07 Liquidroom - Ebisu, Tokyo, Japan いよいよ4月18日にリリースされるという、オリジナル・メンバーでの18年振りの新作のプロモーションのためJ マスキスが来日し、試聴会とアコースティック・ライブを行う、というのをいろいろあって運良く見に行けることになり、いそいそと出掛けてみた。 場所は、恵比寿リキッドルーム。 実は、ここに移転してから行くのは初めて、どころか、移転していたことを知ったのも1、2年くらい前ではなかったか。 だから、リキッドと言えば、歌舞伎町にあった頃のイメージしかないのだけれど、入ってみると前よりかなり狭いなという印象。 という訳で、会場時間の7時よりちょっと前に会場入り。 手続きを済ませて中に入ると、既にでかい音で音楽が流れていて、新しいアルバムの曲?と思ったりもしたが、全然違った。 誰の曲だか知らないが、1曲たりともこちらの琴線に触れることのない音楽を聴かされ続け、待つこと1時間。 最初はガラガラだった会場も、徐々に人が増え、司会進行として、ヨシミちゃんの旦那が登場し、今回のアルバムの印象やら、ただいまのJの様子などを客に伝える。 当初200人限定で、リキッドルームの2階のラウンジ(?)でライブを行う、と伝えられていたけれど、応募が多く、急遽、1階のステージでのライブになったとのこと。 でも、多分、最初からどちらでやることになってもいいように準備されていたんだろうなと思うけど、まあ、それはこちらには関係のないことか。 で、いよいよアルバムを聴くことに。 日本盤のボーナス・トラックを含め、丸ごと大音量で。 こういう試聴会のような物は初めての体験だったので、少々居心地の悪さを感じつつ。 1曲目、もう明らかにJ丸出しな感じ。 司会者曰く、「3人にしかできない音」だそうだが、個人的にはそこまでではないかなと感じる。 もちろん、出来が悪いという訳ではないのだけれど。 面白いのが、イントロを聴いただけで、どっちが作った曲かすぐ分かること。 分かりやすいくらいに。 ルーの曲2曲ほど、1、2曲は共作もありそう、大半はJの曲、という予想。 果たして当っているでしょうか。 細かい感想は、また改めてアルバムを普通の音量で聴いてから、ということに。 で、ここまで約50分くらいだったか、いよいよJの登場。 「オリジナル・メンバーによるニュー・アルバム」のリリースと言っているのにも関わらず、他意はないのだろうけど、いきなり"Green Mind" そして、"Little Fury Things""Freak Scene""The Wagon"などの代表曲、"Get Me"などの聴き慣れた曲、また改めてCDを聴いてみないと思い出せない曲などなど。 やっぱり、2~4枚目の時期の曲にグッと来る。 この人の場合、アコースティックと言っても歪んだ音でもバリバリ弾くので純粋なアコースティック・ライブと言っていいものか。 一応、こうしたライブの様子については、アルバム ただ、音源を聴いた時にはエレクトリック・ギターも使っているのかと思っていたのだが、アコースティック・ギターをそのまま歪ませて弾いていて、それは予想外。 不思議なことに、ジャズ・マスターと同じ音がする。 弾き方も一緒。 ニール・ヤングでもそこまではしないだろうに。 でも、ますますファンになりました。 という感じで、最後が"Alone"。 この曲、良い曲だとは思うのだけれど、個人的には少々冷めていた時期の曲なため、特別な思い入れもなく、感情移入はあまり出来ないままの終了。 そして、そういえば、アレやってないじゃん、アレやってくれよ、アレ、と思いながら迎えたアンコール。 やってくれました、アレこと"What Else Is New"を。 締めがこの曲で、単純に嬉しかった。 好きな曲はいろいろあれど、もしかしたらこの曲が一番好きかもしれないな、とこの時気付いた。 結局、トータルで1時間弱、だったと思う。 こういうシチュエーションのライブとしては長い方なのだろうか。 内容の方は、とても良かったし、面白い物を見ることができたと思う。 ニュー・アルバムの試聴を含め、Dinosaur JrはやっぱりJのバンドだなと実感した夜でもあったが。 ルーの方は、Sebadoh再始動なんて話もあるようだし、今後の展開はどうなるのか、なんてことを想像しながら、アルバムの発売を楽しみに待つとしましょう。 その節は、ありがとうございました。(?) スポンサーサイト
|
![]() Grateful Dead Live At The Cow Palace, New Year's Eve, 1976 タイトル通り、76年大晦日のライブ。 Vault Releasesの最新作、ということになるのだろうか。 そのVaultシリーズ(?)は、全然追いかけていなくて、あの69年の10枚組以外はプレオーダーのメールが来る度にスルーし続けていた。 その69年のやつも限定でなければ多分、スルーしていたのではないかと思う。 もちろん、どのアルバムもいずれ聴いてみるつもりではいるのだけれど、決して安くはないからなかなかその気にならず、その上、Sick Bits(最近見かけないけど)など、もの凄くクオリティーの高い音源も手に入る昨今なので。 Dick's Picksの方も然り。 でも、今回、と言ってももう去年のことになるけれど、プレオーダーに乗っかってみた。 特に理由はないですが。 という訳で、ちょっと前のことになるが、最近、ジャズを聴くのがメインになっていたり、ここ1、2週間辺りだと、GongやらFaustやら懐かしいおかしな音楽の方に流れていたせいもあり、少々放置してあった。 で、やっとここ数日、通勤の時やら、ライブへの行き帰りなどに聴いてみていた。 すると、これがやっぱり、とても良いのです。 多分、76年の音を聴くのは初めて。 でも、他の年と比べてどうとか、この頃に何があってどういう背景があるのかとか、そういう知識はまったく持ち合わせていないので、その辺については何とも書くことができない。 ただただ、気持ち良くて、素晴らしい。 なので、この週末はこのアルバムをずっと(ってほどでもないけど)聴いていた。 今のところ気に入っているのが、ファーストセットでは、しっとりとしたアレンジの"Bertha"、"Looks Like Rain"に"Playing In The Band"あたり。 ほぼぶっ続けのセカンドセットでは、"Help On The Way > Slipnot"や"Morning Dew"、それにライブの締めくくりの"We Bit You Goodnight"という終わり方も素晴らしい。 で、それらを抑えて聴き入ってしまうのが、"Eyes Of The World"。 の、しかもイントロから歌にはいるまでの部分。 もちろん、歌に入ってからも好きだけど。 フィルのベースの小刻みにはねる感じが、気持ち良いことこの上なし。 そんな具合に、やっぱり良いなあとしみじみ感じたこの週末でした。 |
![]() Sardine Head 02/23/07 Yukotopia - Adachiku, Tokyo, Japan 昨年末以来のワンマン・ライブを見に、そして、2ヶ月連続で梅島ユーコトピアへ。 前日の凄まじかったライブの余韻を引き摺りつつ、2日連続で下町でライブ観戦。 普段行かないエリアなので、2日も続くなんて珍しい。 前回のライブでは、個人的な体調不良のせいもあり、少々集中力を欠いたので乗り切れなかった(こっちがね)ところが無きにしもあらず、な感じだったので、とても楽しみにしていた。 で、8時過ぎくらいに、始まったのか始まってないのか分からないような感じで、始まる。 1曲目の"Romanchica"から、グネグネで脳みそを引っかき回されるような演奏。 これ以降、どの曲も途中で必ずと言っていいほど、一度曲をグシャッと壊してからまた戻る、という展開の連続。 特に聴く度に面白いことになって行く"Shuffle"、メインのリフ以外、ほぼ原型なし。 と言ってもどの時点を原型とするかは、バンドのみぞ知るという感じだけれど。 タイトル未定の、あの変なフレーズ満載の曲も、"Beg"という曲名に決まったそうで、今後の展開に期待。 この曲の途中の展開、いつもMetallicaみたいだなと思いながら聴いているのだけれど、気のせいでしょうか。 という訳で、ファーストセットは1時間強、多分70分くらい、最後の"Cream Cheese Cake"まで座ったままじっくりと堪能。 そして、30分くらいたっぷりと休憩を取った後、セカンドセットの始まり。 ファーストの、しかも1曲目から凄いことになっていたので、後半は一体どうくるんだろう、と思ったら、更に輪をかけて凄いことに。 鰯メモのセットリストを見れば分かる通り、"Implov >"な展開が多く、そっからそう繋げるのか、感心することしきりだった。 まるで、客を試しているかのような演奏の連続。 でも、こういうのはたっぷりと時間の使えるワンマンならではの展開なので、やっぱりワンマンは面白い、とじっくりと堪能した。 やはり最後の"Block Signal"までグリングリンにかき回され、アンコールでは一転してじっくり聴かせる"Movin'"も、やはり最後の途中からの展開でかき回され、の頭から終わりまで気の抜けない、かなり満足度の高いライブだった。 もしかすると、今まで見た中でベストかも。 また、すぐに更新してくれそうだけど。 という訳で、お疲れさまでした。 またお願いします。(?) 連続して面白いライブが見ることができ、大満足な2日間の下町体験でした。 |
![]() Orquesta Nudge! Nudge! 02/22/07 Asahi Art Square - Asakusa, Tokyo, Japan 様々なところで活躍する芳垣安洋さん主催のOrquesta Nudge! Nudge!のライブへ。 前から芳垣さんのグループのライブを見てみたいと思っていたところ、芳垣さんと、共にRovoの屋台骨を支える(?)岡部洋一さんの2人を中心とした、打楽器のみの演奏が聴けるということで興味を持った。 なので、いい大人なので具体的に何とは言いませんが、何かに似た巨大なオブジェが乗っかった有名なビルの4階へ。 まさか、このビルの中に入る日がやってくるとは思いもよらず。 ![]() 初めて行く場所だったので、どんな様子なのかまったく想像できなかったのだけれど、入ってみると特にステージがある訳ではなく、フロアの中心にありとあらゆる打楽器が円形に並べられていて、少々面喰らった。 と同時に期待も高まる。 開演時間の19時半を少し過ぎた辺りで、どこからともなくいろんな鈴の音が聴こえ始める。 すると、すぐ横に芳垣さんが立っていたりして。 メンバーは総勢9人で、この9人が鈴を鳴らしながらひとしきりフロアを歩き回った後、いよいよ開始。 何と言っていいのか、あまり言葉が浮かばないが凄い。 良く見かけるパーカッション類や、見たこともない、どうやって演奏するかも分からない打楽器や、もしかしたら楽器ではない物でさえ、ありとあらゆる物を駆使した、音が緻密に、でも文字通り良い加減で混ざりあう。 ちょうど芳垣さんがひとりでドラムを叩いている時や、あるいは岡部さんとのRovoでの演奏(1回しか見たことないけど)をもっと拡張したような感じか。 で、ファーストセットはちょうど1時間ほど、少し休憩を挟み、セカンドセットが始まる。 鈴ではないが、何かシャカシャカ音の出る小物を持ってメンバーが再び登場。 途中、岡部さんの太鼓(なんて名前か分からず)の皮(?)がやぶれるというアクシデントもありつつ、ファーストセット同様、いろいろなリズムが登場しするが、小難しくならず、結構分かりやすい。 とにかく間近で見ていたので、一切マイクで拾うこともしていなかったのに、大迫力。 圧巻は、やはり本編最後の曲か。 なにかの儀式を思わせる、鬼気迫る感じ。 ちょっと怖いくらい。 アンコールの静かな曲も捨て難い。 どこからどこまでが決められていて、どのくらい自由な部分があったのか、よく分からないけれど、いずれにしろ、それを感じさせないところがとても素晴らしい。 むしろ、各人のズレまでも利用していると思われるところなど。 それと、スティール・パンの演奏、多分、生で見るのは初めてだが、とてもいい音だ。 ただ、自分が座っていた席からだとちょっと聴こえにくかったのが残念。 もうひとつ、拡声器を片手に、トーキングドラムを小脇に抱えフロアを歩き回る、いい年したおっさんの姿(失礼)、なかなか見れる物ではないので、面白かったです。 という訳で、今日はかなりいい物が見れました。 あんまり素晴らしかったので、久しぶりにアート・ブレイキーの"Orgy In Rhythm" 今度、戻しておこう。 と、それはともかく、機会があったらまた見たい。 関係ないですが、夜の隅田川、意外ときれいでした。 ![]() ![]() |
![]() Thelonious Monk Thelonious Monk In Italy 61年、タイトル通りイタリアでのライブを収めたアルバム。 これも、腑に落ちないところはあるけれど結局買ってしまった、「どうか在庫処分に協力してください1000円にしておきますので」シリーズの1枚。 一緒に買った"At The Blackhawk" メンバーは、お馴染みチャーリー・ラウズのテナーに、ベースが"Blackhawk"と同じくジョン・オー、ドラムがフランキー・ダンロップなる人物。 という訳で。 最初に聴いた時、一曲目の"Jackie-Ing"の出だしがあまりに格好良いので、おお!となった。 イタリアという異国の地でのライブだからか、バンドの演奏に気合いのようなものを感じる。 でも、何度か聴いているうちに、イントロのドラムが少々、いや、結構危なっかしいことに気付いた。 ちょっとここで、コケそうになる。 そうなると、ちょっとこのドラムが気になり出し、他の曲も良く聴いてみると、"Straight, No Chaser"のドラム・ソロはまだ多少勢いがあるのでまだ良いのだが、次の"Bemsha Swing"でのドラム・ソロはアルバムの冒頭と同様、危なっかしい。 だんだんもつれそうになるというか、間を持たせるのがあまり得意ではなさそうな感じ。 少々、表現力に乏しい。 ついでに言うと、ベースもソロ、というほどではなく、ピアノとテナー抜きのベース・ランニングと言った方がいいのか、とにかくもう一工夫足りない感じだ。 同じく、表現力に乏しい。 で、アルバムとしてダメかと言うと、そういう訳でもなく、ベースとドラムの2人は、リズムを刻む、という点においては問題はないし、聴いていて楽しめるのはたしか。 ベースとドラム、不思議なことにそれぞれの見せ場以外では妙に活き活きとしている。 今のところ、特に気に入っているのは、1曲目の"Jackie-Ing"(冒頭のドラム除く)と8曲目"Rhythm-A-Ning"というテンポの良い曲あたり。 それと、ラウズのテナーも派手さはないけど、なんだかとても良い。 "Blackhawk"の方では、他にホーンが2人加わっていたので目立たなかったけれど、こうして聴いてみると、モンクのピアノととても息が合っているように思う。 でも、一番の聴きどころは、モンクのソロ演奏の"Body And Soul"かもしれないが。 このアルバム、このちょうど1年前のライブである"Blackhawk"と比べてどうかな、と思って、続けて"Blackhawk"の方も再度聴いてみた。 すると、やっぱり演奏の出来ではやっぱり"Blackhawk"の方が上か。 ドラムは、ビリー・ヒギンズだし。 で、決してモンクのアルバムの中で上位に挙がるアルバムではないかもしれないが、この頃のライブの雰囲気を楽しむには充分な作品では、という自分の中の位置付けになりました。 |
![]() Faust The Faust Tapes 73年にリリースされた、位置付けとしては一応、3枚目のアルバムとされている作品。 このアルバムは一体なんなの?とずっと思っていたのだけれど、ポリドールからヴァージンに移籍した際、ヴァージン側がFaustの音源を編集し、プロモーションの為にリリースしたものであることが分かった。 分かった、というか、ファースト・アルバム しかも91年にリリースされた方に。 ずっと前に読んでいるはずなのに、全然忘れていた。 このアルバムは、ジャケットがいろいろあるようで、これはRecomendedという所からリリースされた盤。 これが、トータル約43分、トラック分けなし、曲名も一切なし、というなかなか凄いことになっていて、買った当時、恐る恐る聴いた憶えがある。 でも、聴いてみると、フォーキーな歌ものなんかもあったりして、予想以上に聴きやすく、それまで持っていたイメージが変わった憶えも。 次から次へといろんな音が現われ、めまぐるしく展開して行くのだけれど、ユーモラスでもあり、妙な感じにポップ。 どうやら、現行盤では、曲名もちゃんと表記され、トラック分けもされていると思われる(たぶん)が、このアルバムに関しては、切れ目がなく一気に行った方が良いような気がする。 まあ、CDとして聴く分にはどちらでも良くて、ギャップレス再生に対応していない旧型のiPodを愛用している者にとっては、ということですが。 それはともかくとして、バンド側としては、レコード会社の手によるこの作品をサード・アルバムとしてはカウントしたくないらしいのだが、なかなか面白い作品に仕上がっていると思うし、プロモーション目的ということなら、その目的にはピッタリな内容では。 当時、その効果があったのかどうか、知る由もないけれど。 結構好きなアルバムです。 お薦めしませんけど。 |
![]() Grant Green Goin' West 今月は、この62年録音のアルバムを。 久しぶりにリアルタイムでリリースされた作品、と思ってディスコグラフィー本を読み返したら、実際のリリースはブルーノート売却後の60年代末だそうだ。 なので、3回連続、一応、未発表作品シリーズということに。(ここやここ) このアルバムは、録音時期としては"Latin Bit" メンバーは、"Feelin'~"にも参加しているハービー・ハンコックとビリー・ヒギンズ、それに加えてベースがレジー・ワークマンという、とても興味深い組み合わせ。 聴く前は、カントリー&ウェスタンというのが今ひとつピンと来なくて、はて、どんな感じでしょう?という感じだった。 でも、聴いてみると、一言、とても小気味良い。 "Red River Valley"なんて、子供の頃に聴いたことがあるような曲までやっていて、下手をすると野暮ったくなりそうなところ、非常にセンス良くまとまっているように思う。 ハンコックを初めとするリズム・セクションの人選の妙か。 ギターの方は、本当にいつも通り、といった印象で、お馴染みの手癖フレーズも聴かれるし、グラント・グリーン好きなら問題なく楽しめると思う。 ただ、黒さの点では少なめだと思うので、黒ジャズがお好きなturuさんあたり、これを聴いてどう感じるのか、非常に興味があります。 個人的には、かなり気に入りました。 楽しい。 ちなみに、ボブ・ディランの"Tumbling Tumbleweeds"という曲をやっているけれど、すいません、原曲知らないので何とも言えません。 |
![]() Abdullah Ibrahim Blues For A Hip King ちょっと前に聴いた"African Sun" やはり"African Sun"同様、88年に"Kaz Records"という所からリリースされ、98年にBMG買い再発した作品のようだ。 クレジットを確認してみると、74~79年にかけての演奏から選曲されているらしい。 ということは、時期的には"African Sun"と同じ。 最初に聴いた際には、こうしたクレジットの類いは一切見ない状態で聴いた。 で、"African Sun"とはかなり雰囲気が違うので、もっと違う時期の演奏、もしかしたら80年代?なんて思いながら聴いていた。 "African Sun"の方では、ソロでの雰囲気をバンドに持ち込んだような、そんな印象を受けた曲が多かったのだけれど、こちらは初めからそういったものとは切り離されて作られたような曲が多い。 ホーンが派手めな、ビッグ・バンド的なゴージャスさのある曲などもあり、全体的に楽しい。 同じ70年代でもこういうこともやっていたんだな、と新たな発見。 このアルバムには、セロニアス・モンクの"Blue Monk"と"Mysterioso"のカヴァーが収録されている。 "Blue Monk"は、「真夏の夜のジャズ」を見て以来(こことここ)、とても気になっている曲だし、"Mysterioso"の方も今では好きな曲。 なので、単純に嬉しいし、アレンジの方もモンクの雰囲気を伝えつつ、の秀逸な感じだ。 こうして聴いてみると、"Mysterioso"って、ピアノの練習曲みたいなフレーズに聴こえる。 オリジナル曲にも、少々風変わりな、それこそモンクを思わせるような曲もあり、歩きながら聴いていた時、途中でモンクのアルバムを聴いているような錯覚を憶えてしまったほど。 でも、気のせいかも。 そんな訳で、楽曲の出来がどうのとか、演奏の出来がどうのとか、そういうことではなく、ひとつのアルバムとしては、"African Sun"よりもこっちの方が好きだ。 切り口を変えるだけで、こうも印象が変わるのは、コンピレーションならではの面白さか。 失敗した時には目も当てられないことになるけど。 これを踏まえて、"African Sun"も再び聴いてみようかと思います。 ついでに、こんなアルバム この人の作品ではなく、いろいろなアーティストのコンピレーションのようだけれど、やはりジャケットが似ているし、なにか関係があるのだろうか。 |
![]() Zero 02/03/07 The Fillmore - San Francisco, CA サン・フランシスコのフィルモアでのライブ2日目。 1日目は、こちらです。 念のため。 今のところ、この2日目の方はLive Music Archivesの方にはアップされていない模様。 ライブの全体的な構成はおおよそ決まっているのか、1日目と同様、長めのインスト曲から入り、その後、ジャッジ・マーフィーやドナ・ジーン・ゴッドショーなどが交代で歌い、なおかつインストを交えつつ、といった感じ。 でも、この2日目、土曜日ということもあるのかもしれないが、冒頭から"Tongue n' Groove"、"Gregg's Eggs"という大物(?)が続く。 キモックの代表的な曲である前者と、非キモックの後者の対比が面白く、更にどちらもZeroらしい、というのが更に面白い。 改めて、いろんな個性が共存していたバンドだったのだなと感じた。 これで、ベースがボビー・ヴェガだったら、と毎度のように言っているけれど、今のZeroのベースを務めているリアム・ハランハンもなかなか良い。 Zeroの再結成に参加することは、ヴェガさんの方から断ってきた、という話をある方に教えてもらった。 なるほど。 で、年末に行われるはずだったキモックとヴェガ、そして、レイ・ホワイトの再会ライブ(?)は、吹雪のため空港が閉鎖となり、実現できなかったらしいが、その再会も3月には実現するそうで、一安心。 話が逸れたが、前述、2曲でフワフワと意識が漂ったところで、次の"Watchin' The River Flow"で現実に引き戻される感じだ。 キモックのスライドが素晴らしい。 この日は、わりとスライドが多めで(だと思うんだけど)、特にゆったりした曲での演奏が印象深い。 久しぶりに、スライドを堪能したような気がする。 やっぱり極めつけは、"Many Rivers To Cross"だろうか。 その他、印象に残ったのが、1日目には参加していなかったピート・シアーズの演奏。 その分、メルヴィン・シールズのオルガンがやや抑えめかなと感じるが、しっかりと出るところでは「ビャーーー」と激しく鳴らしてくれ、メリハリのある演奏だ。 当たり前だけど、さすがです。 それと、既に挙げた曲の他、しみじみとする"Catalina"や"Golden Road"が素晴らしいです。 当然のことながら、生で見たらもっと良いだろうなあと感じる、サン・フランシスコの夜といった趣です。 |
![]() Pell Mell Flow 91年リリースのアルバム。 小難しいことを考えずに聴けるのはないだろうか、ということで選んでみたのがこれ。 そういえばこんなの持ってたな、と懐かしみつつ。 買ったのは、多分、リリース当時だったと思う。 でも、このバンドについてはまったく知らないので、これが何枚目のアルバムなのかも分からない。 雑誌のレビューで、何となく興味を持ったのだけれど、なぜ興味を持ったのかも憶えていないし、多分、文字通り「何となく」だったのだと思う。 で、ちょっと調べてみたら、オレゴン州ポートランドのバンドで結成は80年であることが分かった。 ということは、このアルバムリリース時にはもう結構なキャリアがあったということだ。 雑誌のレビューでは、メンバーが離れて住んでいて、レコーディングの際は集まるのではなく、メンバー間でテープをやり取りをして別々に録音している、なんてことが書いてあった記憶がある。 このバンドの音をどう説明しらいいのか。 すべてインストなのだけれど、簡単に言ってしまえば、有名どころではSonic YouthやYo La Tengo、Pavementあたりをインストにして、少々柔らかめの音にした感じ。 と言って、果たして伝わるかどうか。 このアルバムを買った当時は、その辺りの音を中心に興味があった頃だったので、このアルバムも一応、問題なく聴くことはできた。 できたのだけれど、でも、こういう音で歌がない、ということで中途半端な印象を受け、面白いけど別に...、で終わっていた。 だから、当然、このバンドのその他の作品に興味が湧く訳でもなく、長いこと棚に眠ることに。 そして、久々に。 それこそ、15年振りくらいに聴くのでは。 これが、意外と良い。 もっと演奏が頼りない印象を持っていたけれど、そうでもなかった。 ギターの程よいペナペナ具合に、ポスト・ロックと言われるバンドほど大仰に構えた感じではなく、気楽に聴けるのも良い。 高度な演奏力やビックリするようなアイデアはないけれど、このさりげなさが魅力のような気がする。 元々、このバンドのような音は嫌いではなかったし、むしろ好きだったくらいなので、それも不思議はないが、引っかかっていた全曲インストという点でも、中途半端なヴォーカルが入るくらいなら、この方がいろいろとイメージが湧いて良いのではと思う。 そんな中でも、3曲目の"Bring On The China"という曲がかなり好み。 という訳で、意外な拾い物でした。 この前後にも何枚かアルバムがあるようだけど。 どうだろう。 今更、って気がしなくもないけど。 |
![]() Faust So Far 72年リリースのセカンド・アルバム。 Faustを知ったきっかけは、ここやここで書いた通り。 当時、このアルバムは、友人にカセットに録音してもらって聴いていた。 と思っていたけど、久しぶりに自分で買ったCDを開けて中のアートワークを眺めていたら、録音してもらったんじゃなくて、CDを貸してもらって自分で録音したような気がしてきた。 まあ、別のそれはどちらでもいいですね。 ただ、ファースト・アルバム たしか、こっちの方が先だったような...。 それも、どちらでもいいですね。 そんなこのアルバム、91年の初CD化当時には、さっぱりどこが良いのか分からなかった。 いきなり展開らしい展開のない、単調な"It's A Ranny Day, Sunshine Girl"で幕を開ける訳だが、もう冒頭からかなりの忍耐を強いられ、他の曲が全然印象に残らなかった。 と言うよりも、この"It's~"が、よく分からないくせに、やたらと印象に残る曲だったといった方がいいかも。 で、前に書いたから省略するけれど、このバンドを普通に聴けるようになった後、CDを持っていなかったし、カセットも引っ越した時にどこかにしまったきりにしてしまって、気になりつつも長いこと聴かないままだった。 やたらと"It's~"の印象だけを残して。 そして、ファーストの時にも書いた通り、2003年にオリジナル・ジャケットを再現&リマスターということで再発され、まとめて購入したのがこの盤。 ファーストみたいに3枚も持っていません。 これが、予想通り、普通に聴けた。 Velvet Undergroundのセカンド ジャケットも似ているし。 VUのセカンドは67年だから、そう考えるとやっていることは相当早かったのだと思う。 更に、今日、また久しぶりに聴いたのだけれど、ポップにさえ聴こえる。 万人向けではないが。 ポップなのと万人向けでないのは、矛盾しているようだけれど、うまい具合に同居している、というのは多分、気のせいだ。 全然、人様にはお薦めできません。 でも、意外となごみます。 |
![]() Zero 02/02/07 The Fillmore - San Francisco, CA サン・フランシスコのフィルモアにて、今月の2日、3日と2日連続で行われたライブの1日目。 最初の再結成ライブが、去年の3月だったから、もう約1年前。 その時は、単発の同窓会的なものなのかなと思ったりもしたのだけれど、頻繁ではないもののことあるごとにライブが行われ、年明けにはジャム・クルーズにも参加したりと、予想以上に続いている。 で、音源の方はアップされる度にせっせとダウンロードしていたが、ずっと後回しにしてしまっていて、こうして聴くのもわりと久しぶり。 それもこれも、その2日間のライブを日本から見に行った友人がいて、帰ってくるととても興奮した様子でメールをくれたからだ。 いきなり聴きどころからです。 この日は、やっぱりファースト・セット。 1曲目の"Baby Baby"、続く"Tangled Hangers"だけで50分近く。 これがとても心地よい。 そして、自分の周囲でも注目度が高かった、Jerry Garcia Bandのメルヴィン・シールズの参加。 随所でフィーチャーされるオルガンの音が、渋いというか、いぶし銀というか、実に良い。 比べるのもどうかと思うが、ロバート・ウォルター君ではこうは行くまい。 でも、今日までメルヴィンさんのことは良く知りませんでした。 すいません。(?) で、その次の3曲目"Chance In A Million"。 ここのところのライブでは参加していなかったらしいジャッジ・マーフィーがここで登場。 実は今までそれほど感じていなかったのだけれど、Zeroはやっぱりこの人のヴォーカルだと引き締まるように思う。 さらに"Chance~"がとても良い曲で、今更ながらグッと来た。 セカンド・セットに飛んで、"Sun Sun Sun"。 やっぱり好きな曲なので、楽しめる。 この曲の後半やファーストの"Anorexia"で、パーカッション中心の、ちょうどRhythm Devilsのような展開になる。 Rhythm Devilsも面白いけれど、凄いメンバーとは言え、言葉は悪いが寄せ集め的であるのに対し、Zeroのほうがバンドとしてまとまっているし、生で見るならこっちかな、とこの日の演奏を聴いて思った。 で、ひとつ問題が。 最後に、"Hey Jude"。 この日、ギターで参加しているアーニー・グリーンさんの50回目の誕生日だったそうで、お祝いとして彼の娘さんがリード・ヴォーカルを担当しているようだ。 見に行った友人の唯一の不満がこれで、プロのシンガーではない彼女の歌が相当ひどかったらしい。 そんな事前の情報があったので、ある意味でこの曲を聴くのを少し楽しみにしていたのだけれど、確かにお世辞にもうまいとは言えない。 ちょっとShaggsを思い出してしまったり。 でも、まあ、あっちの方が割り切って聴けるので、笑えるけど。 ただ、確かに日本から見に行って、お祝いとは言え、素人の歌を聴かされ、しかもそれがこの日のライブの締めとあってはガッカリするのも無理はない。 多分、自分が見に行っていたら、同じように感じると思う。 一所懸命歌っているのは伝わってくるから、けなす気にもなれないけれど。 それにしても、ここのところ取り上げているキモック関連のライブ、不思議なことに誰かの誕生日続きだ。(こことここ) さて、3日の方はどうでしょう。 少なくとも誕生日ではないようです。 |
![]() Faust Faust 71年のファースト・アルバム。 91年にこのアルバムと次の"So Far" このバンドの存在を知ったのはその時。 ある友人が、「Faustのアルバムがリリースされるんだよ」と少々興奮気味に教えてくれ、でも、その頃の自分は「え?何?Faust?え、ドイツ?」という感じ。 でも、いろいろと面白い音楽を聴いていた友人だったので、興味を持ち、買ってみたことを思い出す。 "So Far"の方は、その友人にカセットテープに録音してもらって済ませたのだけれど。 91年にリリースされた盤は、プラスチックの普通のCDケースに直接、握り拳のレントゲン写真が印刷されたものだったが、ファーストの方を選んで買ったのは、この特異なアートワークに惹かれたのだったと思う。 で、聴いてみた訳だけれど、ファースト、セカンドともにさっぱり訳が分からなかった。 まったくと言っていいほど、当時の自分には馴染めず、といった具合。 でも、その後のアルバム、特に"Faust IV" ただ、面白くはあるけれど、ちょっと中途半端かな、という印象を持ち続けてもいた。 で、2003年に、ファースト、セカンドともにオリジナルのアートワークを再現、そして、リマスター、ということで再びCD化されたことがあった。 このファーストは、今度はプラスチックのケースではなく、レコードと同様にビニール製の袋にレントゲン写真が印刷されてたもの。 結局、セカンドの方はCDを持っていなかったこともあり、ついでに、ということで両方とも買ってしまった。 肝心の中身の方が、もの凄く気に入っていたという訳ではないのにも関わらず...。 普段なら、こういうコレクターめいたことはあまりしないのだけれど。 で、今日、久しぶりに聴いてみた。 するとなんだか妙にはまってしまった。 こんなに良いなと思ったことは過去なかったように思う。 今日は、どうも体調も気分も優れず、どちらかと言えば重たい気分なのだが、このアルバムのドイツの重たい曇り空のような(あくまでイメージ)、冷たい鉛のような音がちょうど良いのか悪いのか。 不安定なところへ来て、更にざわつかせてくれるような不安な音。 でも、妙に落ち着きもするという不思議な感覚。 健康的な音ではないから、気分がいい時にはあまり積極的に聴きたいとも思わないから、やっぱり聴くならこういう時の方がいいのかも。 精神衛生上、良く無さそうだけれど。 それと、意外とポップだなとも感じたが、全然、万人向けではなく。 興味がある人だけ聴けば良い音楽であることは確かだ。 そういえば、いつだったか忘れたが、レコードが再発されたことがあって、ちょっと高かったけど、それを買ったことを思い出した。 10年くらい前だったような気がする。 そんなに好きなのか、このジャケット。 いや、珍しいから、一応買っておこうとかそんな程度なのだけれど。 CDと併せて都合3枚も持っていることになる。 なので(?)、写真撮ってみました。 レコード↓ ![]() レコードとCD2種↓ ![]() まあ、どうでもいいですかね。 |
![]() Thelonious Monk Quartet Plus Two At The Blackhawk 60年、サン・フランシスコのブラックホークでのライブを収録したアルバム。 ブツブツと文句を言いながらも、やっぱり買ってしまったリヴァーサイド在庫処分セールのうちの1枚。 今月購入したのは、これともう1枚、同じくモンクの"In Italy" この1000円シリーズがリリースされると知った時に、その2枚とちょっと前に取り上げた"5 By Monk By 5" でも、その後、この一連のシリーズの正体を知ってからは、その熱も少々冷めていたのだけれど、どうしても聴きたいアルバム(モンクじゃなくて)があって、送料が無料になる値段にするためにモンクの2枚も、という感じで。 この盤は91年にリリースされたものだが、どうせ今流通している輸入盤 かといって、別に投げやりになっていた訳でもなく、何年のプレスかどうか等も関係なく、単純にモンクのこのアルバムを聴いてみたいからに他ならず。 ちょっといい訳っぽいけど。 で。 このアルバムでのメンバーは、モンクの他、チャーリー・ラウズがテナー、ジョン・オーがベース、ビリー・ヒギンズがドラム。 それに加え、トランペットにジョー・ゴードン、テナーにハロルド・ランドなる人達が加わっている模様。 だから、カルテット+2。 ライナーによれば、元々シェリー・マンとモンクの共演作を作るつもりが中止になり、そのために呼ばれていたゴードン、ランドの2人を加えてのライブ・レコーディングに切り替えた、ということだそう。 で。 淡々とリズムを刻むベースとドラムのどっしりした感じの上に三管が効いていてなかなか良い雰囲気。 単純に、楽しい。 モンクの作品を時系列で追いかけている訳ではないので適切かどうかは分からないけれど、ラウズが参加してからの演奏は、ラウズというまとめ役がいるおかげで、余裕があってリラックスしているように聴こえるが、どうでしょう。 何度か聴いて特に印象に残っているのは、2曲目の"Four In One"。 テーマでのホーンのフレーズがちょっと変わっている(のはいつものこと?)が、それ以上におかしいのがホーンのフレーズの合間に入るピアノの音だ。 そんな音入れちゃうの?という感じなのだけれど、同時にそうでなきゃ、とも思えるとてもモンクらしい音使い。 それと、CDにはクロージング・テーマとして元々収録されていた1分ほどの"Epistrophy"のフル・ヴァージョンと"Evidence"がボーナス・トラックとして収録されいる。 良くあるテイク違いではなく、こういうボーナスならとても嬉しい。 こうしてブログなんぞを始めてからというもの、何かを聴く時にはあれこれ考えながら聴くのがすっかり定着している。 多分、自分自身、元々そういう傾向にはあったのだと思うけれど。 それは、もちろんこうして文章を書くためでもあるのだが、前に聴いて分からなかったことを発見したり、よく分からなかったものが楽しめるようになったりということに役立ったりもしている。 で、気付いたら、このセロニアス・モンクという人の作品も以前には考えられないほど楽しめるようになっていて、一番ブログの効能があったのがモンクなのかも、とさっき思った。 あ、モンクの2枚と一緒に注文した、聴きたかったアルバム、既に廃盤ということで注文がキャンセルになりました、というオチ付きです。 一応、他に再注文中。 手に入るでしょうか。 |
![]() Soft Machine Fourth 再び、こっち方面(?)へ戻り、Soft Machine、71年の4枚目のアルバム。 このバンド、実はそんなに聴いてなくて、唯一持っているのがこれ。 聴いた時期は、やはりプログレ方面に興味を持っていた頃で、Gongの"Angel's Egg" その頃、ジャズそのものの良さはまだ全然分からなかったのだけれど、ジャズのテイストを持ったロックはちょっと好きだったので、当然、このバンドにも興味を持った。 どのアルバムを買うかは、かなり迷った記憶があるが、フュージョン寄りな時期よりは、より過激な音を、ということでフリー・ジャズに傾倒していた時期のこのアルバムを選択。 で、その当時。 1曲目の緊張感のある演奏があまりに格好良いので、すぐに気に入ったのだけれど、アルバムが進むにつれ、ちょっと当時の自分としては付いて行けない展開もあり、アルバムとしてはあまり入れ込むこともなく終わってしまった。 悪くはないが、なんだかよく分からないところもある、という感じ。 でも、それでこのバンドに対する興味を失ってしまったのかと言うとそういう訳でもなく、このアルバムにもことあるごとに挑戦してきたし、CD屋で他のアルバムを何度も手に取って眺めたこともあった。 今日の今日まで、ぼんやりとではあるけれど、なぜかずっと気になる存在だった。 不思議なことに。 で、久々に。 やっぱり、以前と同様、1曲目の格好良さには疑問を挟む余地もなく、という感じでスリリングな演奏を楽しんでいる。 ジャズそのものを楽しめるようになった今、結構、インチキ臭く聴こえてしまうかなと少し思っていたのだけれど、意外とどころか、まったくそういうこともなく。 そして、その他の曲も、以前のように付いて行けないということもなく、普通に楽しんでいる。 やっぱり、自分にとって、このアルバムを聴くにはちょっと時期が早すぎたということだったのかも。 今の耳で聴いてみると、ウェイン・ショーターやトニー・ウィリアムスが活躍していた頃のマイルスのバンドやミロスラフ・ヴィトウスのアルバム ただ、マイルスからの影響は当然あるとは思うけれど、ダイレクトにはあまり感じなくて、ジョー・ザビヌルの影がちらつく、といった感じだ。 それに加え、どんなフォーマットになっても絶対抜けることのないカンタベリー臭。 このアルバムは、それも比較的薄い方かもしれないが、ロックを聴かないジャズ・リスナーが聴いたら、ちょっとこの辺にインチキ臭さを感じるのかもしれない。 でも、そこがまた魅力では、と思う。 という訳で、いきなり目覚めたSoft Machine。 今更、この辺を突き詰めるのもどうかという気がしなくもないけれど、未発表音源もたくさん出ているようだし、やっぱり気になる今日この頃。 Gongと併せて、なにか買ってみようか、と考えているところ。 でも、かなりゆっくりにはなりそうだけれど。 |
![]() Stanley Cowell Musa - Ancestral Streams 73年のソロ・ピアノ作。 と、いかにも知っているかのように書いているけれど、スタンリー・カウエルという名前は、どこかで聞いたことがあるような、ないような、そんな程度で、もちろん作品を聴くのはこれが初めて。 そんなこのアルバムのことは、毎度お世話になっておりますSonnyさんのところで知り、とても興味を持った。 もしかして手に入りにくい作品?、と思ったら、ちょうど昨年末に再発されたばかりということで、今月になってようやく購入。 想像していたよりも、普通、と言ってしまうとちょっと言葉足らずだが、聴きやすいという印象を最初に聴いた時に持った。 でも、なんだか分からないけれど、妙に惹かれるところがあって、ここ数日、何度か聴いてみている。 で、正直言ってしまうと、細かいところがどうだとか、まだうまく書くことができない。 少なくとも言えるのは、全然、普通なんてものではなくて、聴きやすいのは確かだけれど、もっとずっとその奥があるように感じる、ということ。 いろいろな意味で、大きい。 ここに収録された曲は、1曲を除いてソロでの再演ということらしいのだが、何しろ初めて聴くアルバムなので、当然、比較することなどできない。 けれど、機会があれば比べてみるのも面白いかなと思う。 ただ、今はもうちょっと時間をかけてこのアルバムを聴いてみたい、とそんな感じです。 そんなこのアルバム、Sonnyさんもちょこっと書いてらっしゃるけれど、どうもクラブ方面でも人気がある作品らしく、某大型店でもクラブ・ジャズのコーナーにこのアルバムがディスプレイされているのを見かけた。 で、どういう雰囲気のアルバムなんだろう、そして、どういう受け止め方をされているんだろう、ということで、それもこのアルバムに興味を持った理由のひとつだった。 でも、実際にこうして聴いて、そういう角度から考えてみると個人的には今ひとつピンと来ない。 最近は、そっち方面にあんまり興味がない代わりに、ジャズそのものを良く聴いているということもあるのだけれど。 アルバム中、1曲だけエレクトリック・ピアノにカリンバを重ねた曲があって、どうも聴き憶えがあると思ったら、ヒップホップでたしかネタに使われていたのを思い出した。 もうちょっとで名前が出てきそうなのだが、誰のどの曲、とズバッと言えないのが歯痒い。 でも、部分的に聴いたことがあるのがたしか。 もしかして、そういうネタの入ったアルバム、として知られているのだとしたら、もちろん聴くきっかけとしてはそういうのも良いと思うけれど、それだけだったらちょっと残念に思うが、実際のところどうなんだろう。 と、長々と書いてはみたけれど、結局、別に自分がこのアルバムを聴く上ではそんなことはどうでも良く。 繰り返すようだが、長い時間をかけて味わってみたい、そんなアルバムです。 多分、全然印象が変わるのではないか、とそんな気がしているところ。 |
![]() Daevid Allen And Kramer Who's Afraid? Gong絡み、これで一応最後です。 デヴィッド・アレンが、金に汚いことで知られる(?)クレイマーと組んだ92年のアルバム。 リリースは、そのクレイマー主催のシミー・ディスクより。 ちょうどGongも聴いていたし、クレイマー自身にはそれほど興味はなかったものの、シミー・ディスクやその辺りの音楽シーンに興味を持っていた頃。 なので、その意外な組み合わせには少々驚きはしたけれど、このアルバムを聴いたのは自分としては自然な流れだった。 どういう経緯でこの組み合わせが実現したのか、まったく知らないが、New York Gongとかってのもあったし、その頃のアレンの拠点がニュー・ヨークだったからなんだろうか。 その前にNew York Gongにアレンが参加しているのかどうかさえ知らないな、そう言えば。 どうなんだろう。 で、その当時、一体どんな音なんだろうと恐る恐る聴いた憶えがあるが、これが意外と良くて、気が向くと聴いていたアルバムだ。 Gongのような複雑さや、高い演奏力はないけれど、程よいサイケ感と90年代のアメリカのアンダーグラウンドな音楽が結びついた感じが心地よくて。 途中、少々単調な曲もあったりするが、最初の曲と最後の曲が特に好きだったので、それも意外と気にならず。 これもまた、本当に久しぶりに聴いたのだけれど、アレンの声と歌い方って、ちょっとロバート・ワイアットに似ているような気がする。 ワイアットほど滋養に満ちた感じ(?)ではないが、近いところにいた、というより一緒にやっていたこともあったくらいだし、それも不思議はない。 もしかしたら、元々ドラマーだったワイアットの方が影響を受けているのかも。 どちらも浮世離れした雰囲気だが、ちょっと種類の違う仙人のような感じ。 ちょっとアルバムからは逸れるが、アレン、クレイマーと来れば、思い出されるのが来日公演だ。 クレイマー周辺のサポートを得て、アレンがGong名義で来日、なんてことがこのアルバムの、正確には憶えてないが、たしか1、2年後にあった。 そして、オリジナルのGongではないとは言え、何しろ謎めいた存在だったから、これは見ておかねば、と思い友人とチケットを取った。 場所は、恵比寿だったかな? ライブハウスの名前は忘れたが。 ところが、当日、友人は熱を出し具合が悪く、行けるかどうか分からないという状況。 で、とりあえず会場へ行ってみると、アレンが来れなかった、ということでクレイマーが代わりに連れてきたアーティストのライブに変更。 まったくうろ覚えだが、アレン急病とか書いてあったような気がする。 でも、これもうろ覚えだが、実際は入国の許可が下りなかったとか、そんな理由だったような。 今となっては、知る由もないが。 結局、その日、クレイマー自身とその他3組のライブが行われた。 1組目が、バンド名はすっかり忘れてしまったが、ニュー・ヨークで活動しているという日本人のバンドだった。 これが、音がでかいだけの、かなりひどいバンド。 友人は来ないし、このバンドはキツいしで、かなりしんどかった憶えがある。 で、あとで聞いたら、具合が悪いのを押して会場に到着したその友人、扉に貼ってあったアレン不在を伝える張り紙と、扉の奥から漏れてくるこのバンドのひどい爆音を聴いて、そのまま引き返したということだった。 1番目がこんなだったので、この先どうなるんだ、と不安になりつつ、次に登場したのが、元King Missileのドッグボウル。 この人が在籍していた頃の好きなアルバムがあったので、こんな人を生で見れる機会がやってくるとは、と驚きつつ、まんまとそのアルバムの中でも好きだった曲が聴け、弾き語りの地味な内容ながら、一人地味に感動していた憶えが。 ここで少々回復し、3組目が、元Galaxie 500、ということは後で知ったのだけれど、Demon & Naomi。 何の予備知識もなく聴いていたのだが、とても良くて、その頃出たばかりだったアルバムを今度買おう、と思いつつ、そう言えば今日まで買いそびれていたことを思い出した。 で、いよいよ、クレイマー。 でも、どんな曲をやったかとか、ほとんど憶えていない。 このアルバムの曲をやったかどうかすら。 クレイマーの作品を聴いたことがなかったこともあったし、悪くはないけれど、まあ、普通かなという感じ。 強いて言えば、意外とポップなのね、ってことくらいか。 それと、もうひとつ理由があって、何しろこの時ベースを務めていたヒュー・ホッパーに目と耳が奪われていたからだ。 アレンを見ることは叶わなかったけれど、この人を生で見ることができたのは嬉しかった。 ちょっとウィリアム・バロウズ風な風貌に、Tシャツ、ハーフ・パンツというラフな出立ち。 演奏の方はほとんどバックアップといった感じで、派手さはなかったものの、ここ、という所で聴かせる、Soft Machineのアルバムで聴けるのと同じディストーション・サウンドを生で聴け、ここでもひとりで地味に喜んでいた憶えが。 ここまで書いていて、10何年も前のことを昨日のことのように憶えていて、自分でもちょっと驚いたが、いろいろなことがあって、それだけいろんな意味でインパクトのあるライブだったようだ。 でも、この時、もしアレンがちゃんと来ていたら、もしかしたらもうちょっとGongに対する興味を継続していたかな、とふと思った。 そう言えば、去年も来日して、見るチャンスはあったのだけれど、あまり気が向かずに行かなかった。 やっぱり行っとけば良かったか。 今更言ってもしょうがないけど。 また、チャンスがありましたら。 アルバムの話に戻ると、この後はどういう活動をしていたのか、興味がなくなってしまったので知らなかったのだけれど、少なくとももう1枚 でも、どちらも入手困難なようで。 クレイマーは、ヒュー・ホッパーとも共演しているようだが、それもあまり手に入りやすくなさそう。 ちょっと聴いてみたい気もするけれど、高い金を出して買うほどでもないか。 という訳で、思い出話の方が長くなりましたが、これで終わります。 |
![]() Gong Continental Circus 72年にリリースされたサウンドトラック。 この盤は、94年にCD化されたもので、たしか、待望のCD化、みたいなことを当時雑誌で読んだ記憶がある。 長いこと埋もれていた、幻の、とかそんな扱いだったような気が。 当然、映画の方は見たことはないけれど、内容の方はバイクのレースのドキュメンタリーだったようだ。(参照) このバンドとモータースポーツの組み合わせってまったく想像がつかないが、一体どこから生まれた発想だろう。 内容の方はと言うと、時期的には"Camembert Electrique" でも、どこから聴いてもGong、正確に言えばアレン風味なのだけれど、ドキュメンタリー映画からなのか、シリアスな雰囲気で、少々ユーモアに欠けるような気がする。 映像のバックで使われることを意識してか、比較的曲の展開は平坦だし。 作品としては、前回のデモ&未発表曲集よりもずっとちゃんとしたものだが、Gongとしての面白さはあちらの方が感じられるように思う。 なので、買った当時もそんなに聴かずに終わったアルバムだ。 ここに収録された曲が、映画のために書き下ろされたものなのか、それとも既存の曲をサントラ用にアレンジしたものなのか、全然分からないのだけれど、やっぱりこの人達は自分たちで作り上げたコンセプトに沿った作品の方が面白い。 記録としては、このアルバムも充分面白いものだけれど。 どうも現在は入手困難のようだが、どうしても全作品を聴いてみたいというのでなければ、取り立てて手に入れる必要もないと思う。 って、一体誰に向けて書いているのか、自分でもよく分かりませんが。 久しぶりにこのCDを手に取り、ジャケットを眺めていたら、作曲のクレジットにアレンの名前はなく、すべて"Gill Smyth"とあることに気づいた。 ちょっと意外だったので、不思議に思っていたところ、冒頭でリンクを貼ったサイトによれば、印税関係の問題によりそう言うクレジットがされているようで、実際はアレンによる作曲だろうということが分かった。 なるほど。 ついでに、同サイトによれば、別のレーベルから再発された際、ボーナストラックとして、ライブ音源が入っていたものがリリースされたようだ。 そう言えば、その昔、見かけた気がする。 買い直そうか、と迷った憶えも。 という訳で、持っているGongのアルバムはこれで全部。 でも、この勢いに乗って、次回にもうひとつ続きます。 多分。 |
![]() Gong Camenbert Eclectique 前回チラッと書いた、デモ&未発表曲集。 時期的には"Camembert Electrique" リリースがいつだったか、クレジットに書いてないので不明だが、たしか90年代半ば頃だったと思う。 これは音質もデモ並みだし、内容も散漫で、やはり一般的なものとは言えない。 比較的曲の体裁が整っている前半はそれなりに聴けるのだけれど、後半に行くにつれ、曲も断片的なものになってくるので、トータルで60分ほどなのだが、途中で飽きてしまう。 買った当時もそんな印象で、久しぶりに聴いたが、やっぱりそんな感じだ。 記憶が正しければ、本編である"Camenbert Electrique"よりもこっちを先に聴いてしまったはずで、そのおかげで本編の方を買うのに少し躊躇した、というのは前回書いた通り。 音質の方はまあ良いとして、一応、どうにか通して聴いてみると、断片的とは言え、ちょっと他のアルバムにはない曲調のものがあったりして、こういう感じだったらちゃんと聴いてみたい、と思えるところもある。 でも、それも良い感じになってきたところで次に行ってしまったりとか、ちょっと歯痒くもある。 なので、面白いことは面白いけれど、やっぱり上級者向けだなという結論に落ち着く。 そう言えば、当時、国内盤も出ていたような気がして、調べてみたらその形跡 もしかしたら、これ いずれにしろ、現在入手しやすい状況ではないらしい。 これからGongを聴きたいという人にとっては、別に必要ないでしょう。 そして、やはりここでも耳に残る「ダ~イナマイッ」。 バリエーションで、「ゴ~ディロックス」、ってのもありました。 でも、やっぱり「ダ~イナマイッ」。 |
![]() Gong Camembert Electrique ちょっと遡って、71年のセカンド・アルバム。 これを聴いたのはいつだったかあまり覚えてないのだけれど、多分、"You" 少なくともこれを聴く前に、このアルバムのアウトテイクなどを集めたと思われる、とってもマニア向けなアルバムを特別Gongマニアでもないのに買ってしまい、このアルバムに対して妙な偏見を持ってしまった憶えがある。 でも、実際に聴いてみると、ロック寄りの親しみやすい音(?)で、結構気に入って聴いていたアルバムだ。 で、"You"の凄さに気づいてしまった今となっては、やはり音もチープだし、曲も少々力技っぽく聴こえてしまうのは確かだ。 が、バンド初期の荒っぽい、衝動的な勢いはなかなか捨て難い。 残念ながらファースト・アルバム 加えて、後のアルバムにはないような曲調もあったりして、それはそれでなかなか興味深い。 さすがSoft Machineの最初期のメンバーだっただけあり、音作りもカンタベリーっぽかったり。 予算がなかっただけかもしれないけど。 それにしても、「ダ~イナマイッ」ってサビがもの凄く耳に残る。 このフレーズの印象が強すぎて、アルバムの後半をあんまり覚えていなかったほど。 久しぶりに聴いたが、しばらく耳からは慣れないかも...。 |
![]() Gong You 自然な流れでこれに行きます。 74年の"Radio Gnome Invisible"の第3弾。 デヴィッド・アレン在籍時、最後のアルバム。 このアルバムを聴いたのはいつだったか、たしか前作の"Angels Egg" 買おうと思い続けて、買いそびれてたとかそんな程度の理由なのだけれど。 でも、当時はあまり気に入らなかった。 ギターは弾きまくるは、リズム・セクションの音はゴツくなってるはで、"Angels Egg"でのフワフワとしたお気楽な感じが好きだったので、かなり違和感を覚えた。 多分、ハードロック的な押し付けがましさにうんざりしていた頃で、そういう音を受け付けなくなっていたのだと思う。 だから、一般的な(?)評価の高さとは裏腹に、少々、印象が薄いアルバムだった。 ところが。 本当に久しぶりに聴いてみたら、あまりにも格好良いのでちょっと驚いている。 ここ数年、再びロックへの興味も復活し、いろいろ聴いていたおかげでどうやら大丈夫なようだ。 演奏面での充実度は、聴いたことのある作品の中では一番かも。 これなら確かに最高傑作と言われても不思議はないように思う。 ただ、持ち味であるコミカルさが少々後退し、シリアスに聴こえてしまうのが残念と言えば残念。 演奏面での雰囲気は、こんな感じがアレン脱退後の時期に繋がって行くのだろうか。 前から聴いてみたいと、少しは思っていたけれど、今頃興味が...。 という訳で、嬉しい再評価。 多分、10年越し? いや、もっとかも。 今更、愛聴盤になりそうな気配もあったり、なかったり...。 |
![]() Gong Angels Egg "Flying Teapot" "Radio Gnome Invisible"の第2弾。 初めて聴いたGongの作品がこれだった。 ちょうどプログレに興味を持ち、ベタなところではあるがYesやらKing Crimsonなどを熱心に聴いていた頃、それだけでは飽き足らず、という訳でもないけれど、もう少しマイナーなところを聴いてみたくなった。 そんな時、ヴァージンからカンタベリー系やらVan Der Graaf Generatorやら、よりマニアックな香りのするバンドの作品が再発されたことがあった。 これもそんな中の1枚。 なぜこれを選んで買ったのかは憶えてないけど、まだ吉祥寺の山野楽器がサンロードにあった頃で、クリスマスかなにかの日に買って帰ったことだけなぜかよく憶えている。 そんなGongのこのアルバム、最初に聴いた時にはよく分からなかった。 一応、日本ではプログレッシブ・ロックとして括られていはいるけれど、今まで聴いたことのあるその辺りのどのバンドの音とも違ったし、また、ジャズもまだ聴いていなかった頃だったこともあり。 でも、どんなきっかけだったか全然憶えがないけれど、いつの間にかこの独特の浮遊感が癖になり、愛聴するようになっていた。 その後、一般的にはアレン時代では最も評価が高いと思われる次作の"You" 今、改めて聴いてみても、サイケなギターの音や、的確なリズム・セクションなど、聴きどころも多いし、他のどのバンドとも違うコミカルなところとか、やっぱり面白いなと思う。 意外と古臭さも感じないし。 というのは、最近自分が古い音楽を聴く方が多いからなのかもしれないけど。 とにかく、好きなアルバムです。 ここから本文とは無関係です。 CDのカット盤に興味をお持ちのfalsoさんへ。 残念ながら、ケースは捨ててしまったのですが、こんな感じで穴があいています。 表 ![]() 裏 ![]() 写真をクリックしてもらえば、もっと大きい画像が見れます。 こんなんでよろしいでしょうか? |
![]() Primus Sailing The Seas Of Cheese 91年の、たしか3枚目のアルバム。 昨年末、友人にもらった93年のライブ音源を聴いてみたら、意外と面白く、唯一持っているこのアルバムを久しぶりに聴いてみようかなと思いながらも既に1ヶ月経過。 やっとiPodに入れ、今週何度か聴いていたところ。 同じく久しぶりにFaustやらGongやら、少々おかしな音楽を聴いていたら、聴きたくなったということもあり。 このアルバムが出た頃、変わったバンドとして話題となり、また、ここのギターがPossessedというSlayerフォロワーなバンドの出身ということで、そっち方面でも注目され、そんなこんなで当時の自分も興味を持った。 で、このアルバム、なぜそんなことを未だに憶えているのか分からないけれど、中古盤を1000円位で買った憶えがある。 そして、最初こそ取っ付きにくかったものの、結構気に入って聴いていたアルバムだ。 だから、このアルバム以前にリリースされていたアルバムも、何度もCD屋で手に取り、何度も買おうと思ったこともあったが、いつの間にか興味を失い、結局聴くことはなかった。 それは、このバンドに興味を失ったというよりは、こういったへヴィーな音を出すバンド全般に対する興味を失ったから。 それはさておき。 久しぶりに聴くと、なかなか気持ち悪くて気持ちがいい。 ベース中心の音作りのおかげで、メタリックなギターの音もそれほど気にならないし。 むしろ、そのギターも今ならセンスの良さがよく分かる。 好みの分かれるところではあるけれど、良いバンドだった(?)ことは確かだ。 ほんと、ベースのこのフレーズは一体どこから湧いてくるのだろうと思う。 どの辺に影響を受けたらこういう音になるのか、なんて漠然と考えてみると、フランク・ザッパだとか、Pファンクの辺りだとか、その辺は何となく想像がつく。 実際のところは知らないけど。 で、実は聴いたことのなかったKing Crimsonの"Discipline" これもまた、実際のところは知らないけれど、あながち間違いでもないような。 それ以来、レス・クレイプールとエイドリアン・ブリューが少し重なって見えたり。 まあ、どうでもいいですかね。 という訳で、たまに発散のために聴いてみると楽しいアルバムです。 |
![]() Elvin Jones & Company Elvin! 62年のアルバム。 エルヴィン・ジョーンズの他、ハンク・ジョーンズ、サド・ジョーンズの3兄弟が勢揃い。 前回のモンクのアルバム エルヴィンのリーダー作を前から聴いてみたいと思っていたということもあったけれど、どちらのアルバムにもサド・ジョーンズが参加しているので、とそんなことが決め手だった。 でも、選んだ時点では、この2人が兄弟だということなどすっかり忘れていたりして。 ちなみに、その他のメンバーは、フルートにフランク・ウェス、テナーにフランク・フォスター、ベースにアート・デイヴィスだそうです。 で、聴いてみまして。 エルヴィンと言うと、やはりコルトレーンのバンドでの演奏が思い浮かぶので、もっとガッツンガッツン来るのかと思っていたし、それを期待もしていたのだけれど、予想に反して、実にリラックスした雰囲気で、なかなか聴きやすい。 もちろんエルヴィンなので、ドラムが中心の音作りだし、曲によってはガッツンくらいは来るけれど、激しさはかなり控え目。 このアルバムが録音された62年は、コルトレーンのバンドに在籍していた頃だが、こういうところでバランスを取っていたのだろうか。 そう言えば、以前、エルヴィンが参加したグラント・グリーンのアルバム まだ、細かいことをあれこれ言うには少々聴き込みが足りていないような気がするけれど、エルヴィン・ジョーンズという人のドラムは改めて凄いなと感じた。 天才、というよりは、天然、といった方がしっくり来る気がする。 天然だとちょっと言葉が悪いので、天性、といった方がいいのか。 とにかく、細かいことは考えず、何をどうやってもぴたっとはめてしまうような。 それと、サド・ジョーンズのコルネットもとても良いです。 いわゆる大名盤ではないかもしれないけど、聴けば聴くほど味が出てくる、そんな感じ。 で、この1000円シリーズ、Sonnyさんからいただいたコメントで教えていただいたのだが、やはり以前、91年とか92年頃にリリースされた盤の在庫処分という趣旨らしい。 また、それについては、自分でも前回のエントリーを描いた後にCDの帯を読み、その旨が一応印刷されていることを確認している。 でも、とても字が小さく、購入時には気が付かなかったし、何より発売元のサイトに記載されたカタログには、知る限り、そんなこと一言も書いていない。(でも、書いてあったらごめんなさい。) ちょっと、姑息なやり方のような気もするが。 新品とは言え15~6年前のプレスだし、今後、これらの作品がどういう扱いを受けるのか自分にはまったく分からないけれど、もしかしたら日の目を見なくなるものもあるのかも、と考えると少々煮え切らなさを感じる。 と言いつつも、やっぱり聴いてみたいアルバムは多数あるし、そのうち何枚かは近々購入してしまうのだろうな、という矛盾した気持ちも抱えている。 でも、一応、その辺、表明しておきたい。 あんまり意味はないけど...。 このアルバムの内容は良いですよ。 |
![]() Thelonious Monk Quintet 5 By Monk By 5 59年のアルバム。 ジャケットは見かけていたけれど、特別注目していた訳でもなく、買うつもりもなかったアルバムだ。 そんなこのアルバム、ちょっと前に毎度お世話になっているrollins1581さんが紹介していたのを読んで興味を持った。 で、ジャケットも良い感じだし、聴いてみるかな、と調べてみたら、年明け早々に1000円で再発されるということが分かり(rollinsさんの記事は11月末)、これはちょっと待ってみようと言うことに。 そして、もうそろそろ出ている頃かなという今週の日曜日にCD屋へ立ち寄った際、チェックしてみるとズラッと並ぶ1000円シリーズを発見。 今日は2枚だけ、と心に決め、もう1枚の方は悩みに悩んだものの、まず聴いてみたかったこのアルバムは迷わずセレクト。 という訳で聴いてみました。 メンバーは、サド・ジョーンズがコルネット、チャーリー・ラウズがテナー、サム・ジョーンズがベース、アート・テイラーがドラム。 まず、1曲目の"Jackie-Ing"が凄い。 "Brilliant Corners" この人のピアノは一体なんなんでしょう、と今更ながら思うほど。 でも、この曲が凄く良くて、冒頭から一気に引き込まれ、後はもうなされるがまま、という感じで。 ちょっと前まで、この人の音楽は少々取っ付きにくく感じていたのだけれど、今ではまったくそんなこともなく、とても楽しい。 アルバムを通して全体的にピアノの音数が少なめなのだけれど、やっぱりどこをどう聴いてもセロニアス・モンクの作品に仕上がっている。 例によって、レコーディングは大変だったのでは、と想像する。 本編ラストとなる5曲目の"Ask Me Now"は、rollinsさんお気に入りの曲だそうだけれど、アルバムの最後を飾るにふさわしい雰囲気だ。 なので、この曲を聴いてしまうと、CDに収録されている"Played Twice"の別テイク2曲、演奏そのものは決して悪くはないものの、ちょっと余計に感じてしまう。 でも、このアルバム、どうやら一般的には、代表作に上げられる作品ではないようなのだが、平均点はかなり高いのでは。 それにそんなことよりも、単純に気に入りました。 このアルバムからちょっと離れて。 この一連の1000円シリーズも含め、最近、他社からも同様に1000円という安い価格設定でいろいろなアーティストの作品がリリースされていて、買う側としては嬉しい限り。 でも、どういうことなのだろう、とちょっと不思議にも思っていた。 で、このアルバム(と一緒に買ったもう1枚)のクレジットを見て気づいたのは、通常、リリースした年がクレジットされていと思うのだけれど、それがこのCDでは91年となっている。 もう1枚の方は、92年だったか。 ということは、もしかして、以前の盤の在庫処分ということなのだろうか。 もしかしたら、ある程度人気作なら、再び紙ジャケ再発、リマスター再発とか。 作品によってはこのまま廃盤なんてこともあるのだろうか。 別に再発しても買い直す習慣はないので、それは別にどうでもいいけれど、手に入り難くなるってのはできるだけやめて欲しい。 どうなんだろう。 |
![]() Gong Flying Teapot 引き続き、「悪名高きヴァージン・レーベルの第一弾」の4枚の中の1枚を。 Gong、73年の4枚目となるアルバム。(たぶん) "Radio Gnome Invisible"と題された三部作の1枚目でもある。 Gongと言えば、このアルバムを含めてデヴィッド・アレン在籍時の作品を何枚かだけ持っているのだけれど、その中でもこのアルバムは少々印象が薄い。 買ったのも一番最後だったような気が。 なぜなら、ヴァージンの第一弾のアルバムであるにも関わらず、この盤もそうだけれどDecalというところからリリースされたCDのみが流通していて、いずれヴァージンからもリリースされるんじゃないかとちょっと待ってみたからだ。 よくは知らないけれど、この盤のジャケットは多分オリジナルじゃないと思われるので、適当な感じのこのイラストのものよりオリジナルでリリースされるならそっちが欲しいと思ったし。 なぜオリジナルじゃないと思うのかと言うと、同じDecalから、このアルバムの続編にあたる"Angel's Egg" そう思って調べてみたら、こんなところを見つけた。 これがオリジナルのジャケットだろうか。 たいして変わらんね。 まあ、今となってはどうでもいいことではあるけれど、知る限りこのアルバムはなぜかヴァージンから再発されてないらしい。 なぜだろう。 という訳で、かなり久しぶりに聴くこのアルバム。 実際に聴いてみると、細かいところまでは憶えてないものの、思っていたより憶えていて、妙に懐かしい。 デヴィッド・アレン以外のメンバーについてはよく知らないが、たしかジャズ畑の人が中心だったので、演奏もしっかりしているし、独特なポップな感じもあって、意外と良いかも。 ただ、やはり後のアルバムに比べると録音も粗いし、中途半端な感もあり、過渡期と言ったところだろうか。 これよりは、個人的に一番好きな"Angel's Egg"やこのアルバムより前の"Camembert Electrique" と、結局、以前聴いていた頃と同じ評価に落ち着く。 という訳で、手持ちの「悪名高きヴァージン・レーベルの第一弾」のアルバムはこれで最後。 で、もう1枚は何だったかなと思って、"Tubular Bells" 誰? |
| HOME |
|