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- この1時間に3000円 [2007/03/09]
- 月刊グラントグリーン2007年4月号 [2007/03/08]
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- レコメン系のレコメンはこのレコメン、だそうで [2007/03/02]
- 予習、復習 [2007/03/01]
Dinosaur Jr. Jayloumurph 88年のニューヨークでのライブを収録したアルバムで、リリースはどうやら92年。 クレジットによるとイタリアのラジオ局で放送するためにレコーディングされた音源らしい。 これはリリース当時、普通のCD店で買った物だが、オフィシャル・リリースの作品ではなく、「オフィシャル・ブートレッグ」と呼ばれる類いの物。 でも、そもそもブートレッグでオフィシャルって何なの?という疑問があるが。 最近だとLed ZeppelinのDVD(結局買ってない)もそうだけれど、一般のCD店で売られているこの類いの作品とブート屋でしか扱っていない正真正銘(?)のブートとどういう違いがあるのだろう。 とか言いながらもしっかり買っていたり。 で、買った当時は、なぜだかあまりしっくり来なくてそれほど熱心には聴いてなかった。 ブートと考えれば音質はまずまずだが、ラジオで放送されたと言う割にはヴォーカルだけがやけに大きく、肝心のギターが少々奥へ引っ込みがちでバランスが悪い。 まあ、こんなもんかと言えばこんなもんなので、それほどひどい訳でもないのだけれど。 内容は、と言うと88年ということで"Bug"が既にリリースされていたのか、それともリリース前なのかは分からないけど、その頃なので、選曲もその辺りが中心で悪くない。 演奏も、以前はもっとグチャグチャしたイメージを持っていたのだけれど、改めて聴いてみると思ったほどではなかった。 まとまっているというほどでもないが、この手のバンドとしてはちょうど良い塩梅。 マーフのドラムが、派手さはないけど安定していて、かなり貢献していたのだなと今頃分かったりして。 そして、曲が終わる度に執拗に繰り返される"Thank you, Thank you, Thank you"というおもちゃの声。(もしかしたら、Jの声?) 渋谷公会堂で初めて見た時もこのおもちゃを使ってたような憶えがうっすらあるが、どうだったか。 とにかく当時のライブの様子が分かるので、そこは面白い。 昨年見たライブも、演奏がパワーアップしていた他は、さほど違いはないけれど。 で、締めが"Don't"なのは、分かりやすくてなかなか良し。 という訳で、久しぶりに聴いてみるといろいろ気付くこともあって、思っていたよりも楽しめました。 スポンサーサイト
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Dinosaur Jr. Dinosaur 85年にHomestead Recordsよりリリースされたファースト・アルバム。 リリース当時はまだバンド名に"Jr."が付いてなかった頃で、同名のバンド名がいたとか、良くあるそんな理由で"Jr."になったのだったと思う。 リアルタイムで聴いていた訳ではないので多分実物を見たことはないと思うが、どこかを探せば"Jr."なしのジャケットのアナログが見つかるのかもしれない。 で。 このアルバムを買った当時は、あまり気に入らなくて、それほど良く聴いていた訳ではなかった。 音がチープなのはこの後のSST時代の2枚も同様だし、確かにこのバンドの原型は既にあるのだけれど、どうも若さが先行したところばかりが目立っていたので。 この手のバンドの、初期のチープで勢い任せな作品というのは決して嫌いな方ではないのだが、何しろ先に成熟した作品を聴いてしまっていたから、物足りなかったのだと思う。 昨年の来日の前後にDinosaur Jr.やThe Fogのアルバムなどを取り上げた時、その流れでこのアルバムを取り上げても良かったのだけれど、そんなイメージを持っていたせいであまりその気にならず。 更に最近まで全然聴くこともなく、ライブを見に行った時も、このアルバムの中の曲を忘れていて、あまりピンと来なかったりも。 で。 久々に聴いてみて、1曲目の"Forget The Swan"でいきなりルー・バーロウが歌い出したので、アレ、こんなだったけ?と少々驚いたが、ライブでもこの曲をやっていたので聴いていたはずなのにそれすら忘れていたという始末。 どう考えても付け足したようにしか聴こえないJの歌のパートへの展開など笑えるところもあるけれど、後のルーの活動に繋がるメロディ・センスが既に発揮されていてることに今更ながら気付いた。 ライブではこの曲のイントロを弾くJがやけに楽しそうだったことを思い出すが、10代の頃に作った曲を40過ぎてから演奏するというのはどういう感じだろう。 でも、60を過ぎて10代から20代前半に作った曲を歌いながら広いステージを走り回るバンドもいるくらいだから、それに比べればそれほどでもないか。 それはともかく、いくつかの曲では出来が良いとは言えない稚拙なものがあるのは確かだけれど、例えば"Forget~"や"The Leper"だとか、Jのソロ・アコースティック・ライブでも好んで演奏されている"Repulsion"や"Quest"などはかなり光るものがある、と言うのも今更ながら気付いた。 中でも"Serverd Lips"は、特に好みだ。 なんだか意外と新鮮に聴くことができ、ちょっと不思議な気分。 おそらく、買ったばかりの頃も気に入った曲もあったとは思うのだが、すっかり忘れてしまっていた。 15、6年越しで、やっとこのアルバムと仲良くなれたような気がします。 |
Dinosaur Jr. Fossils 91年リリース、SST時代のシングル3枚寄せ集め盤。 今まで気にしていなかったのだけれど、91年ということは、"Green Mind"で息を吹き返したので、それに当て込んでのリリース、という感じだったのだろうか。 このバンドを聴き始めたのがちょうどその頃だったので、CD屋でこのミニ・アルバムを見かける度に買おうかどうしようか迷い、結局、どこかで中古盤を見つけて買ったような記憶が甦る。 まさに寄せ集め盤、という感じで、3枚のシングルがリリース順に収録されているだけ、トータル約20分ほど。 しかも、収録曲全8曲中、前半の4曲目まではアルバム収録曲、もしくはCDにボーナス・トラックとして収録されているし、残り4曲の内"Throw Down"は、前々回に取り上げた"The Wagon"に再録されているので、(スタジオ録音として)ここだけで聴けるのは3曲のみ。(たぶん) その3曲の内、"Keep The Glove"はライブでも演奏される重要な曲で好きな曲だ。 最後の"Chunks"も多分、こういうのがルーツであろうと思われるゴリゴリな曲で、ルー・バーロウの絶叫が痛快だし、笑える。 でも、やっぱり最も重要なのはCureのカヴァー、"Just Like Heaven"だろうか。 オリジナルと言ってもおかしくないほど違和感なし。 Cureってほとんど聴いたことがないので、単に原曲知らないだけでもあるけれど。 ゴリゴリのリフで中途半端に終わるアレンジも"Chunk"同様痛快。 ライブでも演奏されていたので、たしか渋谷公会堂に見に行った時にも聴くことができたと思うが、あんまり憶えていない...。 とにかく、これもまた繰り返し聴いていた作品。 再びリプライズ。 いろいろと。 |
Dinosaur Jr. The Wagon 前回に引き続き、これも91年にリリースされたミニ・アルバム。 "Green Mind"リリース前の"The Wagon"のシングルという位置付けなんだろうか。 たしか、収録曲など、この形態では日本だけの発売だったような気が。 その辺り、どうだったかなと思ってライナーを読み返してみたら、よほど情報が与えられていなかったからなのか、バンドの歴史と筆者の思い入れによる文章に終始していて、データとしてはほとんど役に立たず。 ともかく、日本ではこれが初めてリリースされた作品。 前回の"Whatever's Cool With Me"同様、以前は繰り返し聴いていたのだけれど、長いこと聴いていなくて、かなり久しぶりに聴いた。 でも、内容を意外と忘れていて、ちょっと新鮮に聴けた。 "The Wagon"は置いといて、ファースト・アルバムの頃に戻ったかのようなハード・ロック路線(?)の"Pebble + Weeds"とか笑えるし、先日のアコースティック・ライブでもやっていた"Not You Again"は、そういえば、そうそう、こんな感じだった、と思い出したりも。 クレジットによると"The Wagon"以外の曲は、すべてJ一人で演奏しているようだけど、"The Little Baby"での絶叫もJなんだろうか。 どうもこの人が絶叫しているところが思い浮かばない。 そんな中、一番憶えていたし、今聴いても印象的なのが最後の"Quicksand (The Wagon Reprise)"。 これは、デヴィッド・ボウイのカヴァーだったと思うが、ボウイはあまりちゃんと聴いたことがないので、残念ながら原曲を知らない。 で、ちょっと調べてみたら歌詞を変えてあるようなので、オマージュに近いと言ってもいいのかも。 たしか、イントロは同じくボウイの別の曲だったと思ったが、どうだったか。 良い曲、良いメロディーで、うまい具合に"The Wagon"が「リプライズでございます」という構成。 という訳で、トータル約20分という短いものだし、少々散漫な内容ではあるが、面白いと思う。 個人的には、ノスタルジックな度合いが強いのだけれど。 |
Dinosaur Jr. Whatever's Cool With Me 91年、"Green Mind"の後にリリースされたシングルに既発曲のライブ・ヴァージョンを加えてリリースされた日本独自の編集盤。 もうこの日本盤は売ってないようなので輸入盤の方にリンクを貼ったのだけれど、収録曲がかなり違う。 そういえば、輸入盤の方に収録されているうちの4曲は同じく日本独自の編集盤であるこっちに収録されていて、その4曲を除いてさらに輸入盤には収録されていないライブ演奏の曲を2曲追加、というややこしいリリースだったことを思い出した。 なので、今聴いているのとリンク先は内容が異なります。 それはさておき、このバンドを最初に聴いたのが友人に借りた"Bug"と"Green Mind"、ということを書いたのは随分前なので、再び書いておきます。 だから、リリース時にリアルタイムで最初に購入したのがこの作品で、思い出深いし、とにかく良く聴いていたことを思い出す。 記憶が曖昧なのだけれど、この前後に来日もしていて、渋谷公会堂へ見に行ったし、その時タイトル曲である"Whatever's Cool With Me"もやってたはず。 ただ、ここ数年、アルバムはたまに聴いたりもしていたのだけれど、こういったミニ・アルバムやシングルなどはまったく聴いてなくて、本当に久しぶりに聴いてみている。 印象の方は、以前と変わらず、やっぱり良いねえ、という感じ。 でも、ちょっと気付いたのが、"Whatever's~"は今聴くと"Green Mind"の次の"Where You Been"に繋がるようなことを既にやっていること。 当時は、まったくその辺り気にしていなかったし、気付きもしなかったのだが、ベースがマイク・ジョンソンに固定したから、ということなんだろうか。 とにかく、音質が"Green Mind"寄り、曲調はやや"Where You Been"寄り、というのが過渡期っぽくて興味深い。 Jがすべて演奏している2曲目の"Sideways"も好きだったし、ライブの4曲も良い。 特に"Thumb"はスタジオ盤での印象的なメロトロンによるイントロがなく、初めて聴いた時は違和感を感じたのだけれど、何度も聴くうちにこっちのライブでのアレンジの方が当たり前のように感じたことを思い出す。 とにかく、それほど良く聴いた。 懐かしさ、というのも大きいけれど、今でも充分楽しめるというのが嬉しい限り。 |
Sam Jones Seven Minds 74年に日本で録音されたアルバム。 メンバーは、サム・ジョーンズにシダー・ウォルトン、ビリー・ヒギンズのトリオ。 シダー・ウォルトンの"Pit Inn"と同じだ。 "Pit Inn"も74年なので、同じ来日時に録音されたものだろうか。 このアルバムは、以前、cさんよりどこかのコメント欄にて教えてもらったアルバム。 何でも、サム・ジョーンズの「弦鳴り」の魅力が良く出た作品ということでとても興味を持ったのだけれど、現在やや入手困難のようで、めぼしいところを検索してみても、CD屋をチェックしてみてもなかなか見つからず、中古でも見つかればラッキーかなと気長に探すつもりでいた。 で、この間何気なく検索してみたら、今までまったく考えも付かなかったところで見つかった。 そして、送料が無料になる金額を満たすため、レッド・ガーランドのアルバムを一緒に購入。 でも、結局届いたのは、レッド・ガーランドの方だけだったのは、何回か前のエントリーで書いた通り。 まあ、ダメもとで注文してみたから、しょうがないね、と思いつつ、再び検索してみると、またもや別の、思いもよらなかったところで発見。 さっそく注文してみると、今度はあっさりと、その2日後あたりには到着。 手に入る時には意外とあっけないもんだなと。 国内盤に限るけど、意外な穴場かも。 だから、詳しくは書きません。 という訳で、ようやく念願だったこのアルバムを聴くことができた。 そして、1曲目、主役であるベースがひとしきり弾いた後、ピアノ、ドラムとの演奏が一斉に始まった時点で、気長に探して良かった、と実感。 録音も良いし、何より3人の円熟した演奏がとても素晴らしい。 ただ、全6曲中、3曲で「桂まさ也ストリング・クァルテット」なるストリングスが参加していて、若干、熱のこもった演奏の温度を下げているように感じる。 特に2曲目でそれが顕著で、その分3人のみのパートが凄いだけにちょっと残念だな、と今のところは思っている。 個人的にストリングス自体は嫌いな訳ではなく、4曲目あたりはトリオの演奏となかなか良い調和を見せていていて、心地良く聴けるのだけれど。 でも、1曲目と、アルバムの中ではちょっと雰囲気の違う緊張感のある3曲目が特に素晴らしく、それを補って余りあるように思う。 少なくとも自分にとっては、ということで。 多分、もっと聴き込むと、その辺も気にならなくなるのではないかと思う。 で、特に好きなのは1曲目と3曲目、ストリングス入りなら4曲目、といったところ。 それにしても、このトリオは良い。 ほんとに。 サム・ジョーンズのファンも、シダー・ウォルトンのファンも、ビリー・ヒギンズのファンも、もしこのアルバムを聴いたことがないのなら、探すが良いです。 |
Dinosaur Jr. J Mascis Live At CBGB's: The First Acoustic Show 93年のCBGBでの「初」ソロ・アコースティック・ライブを収録したアルバム。 リリースされたのが去年のこと。 このアルバム同様ソロ・アコースティックのライブ盤である"Martin + Me"(参照)を聴いても、シングルに収録された既発曲のアコースティック・ライブ・ヴァージョンを聴いても、今ひとつしっくり来なかったので、このアルバムのリリースを知り、もちろん気にはなっていたのだけれど、なかなか購入する気にはならなかった。 で、先日のライブを見て以来、"Martin + Me"を見直すに至り、やっとその気になり、購入。 というタイミングで聴いたため、とても素直に楽しめている。 楽しめているどころか、浸ることができている、と言った方がいいかも。 単純に、思い入れの強さから来るものでもあるのだけれど、やはり曲がいい。 ちょっと意外なLynyrd Skynyrdのカヴァーもそれほど違和感なく溶け込んでいる。 以前、アコースティックものがあまり気に入らなかったのは、多分、このバンドにはあって当然のザラザラした轟音ギター、メロディアスだけど滅茶苦茶なギター・ソロ、必要以上に歪ませたベースの音、などなどそういったものが一切削ぎ落とされていたことに違和感を感じていたのだと思う。 多分、このアルバムもリリース時に聴いていたら、ここまで良いとは思えなかったと思うので、とても良いタイミングで聴けたようだ。 やはりあのライブの効果はかなり大きく、あのライブを見てなければ、ずっとピンと来ないままかもしれなかったことを思うと、単純に、見ることができて良かった、としみじみ感じている。 思い入れがとても強いので、あまり客観的になれてないような気がする。 でも、最近、熱心にこのバンドを聴いていた頃の感覚を少し思い出していて、ちょっと嬉しい。 |
Paul Bley Introducing Paul Bley 53年の記念すべき初リーダー作、だそうです。 これもまた、「いろいろ事情があってどうしても在庫処分したいので1000円にしました。でもfalsoさんのセレクトからは漏れたみたい」シリーズ。 ポール・ブレイと言うと、まだ72年の"Open, To Love"しか聴いたことがなく、その後も興味は持ちながらも他にどんな作品があるのか知るまでには至っていなかった。 で、一連の1000円シリーズをCD屋で見かけた時、こういうアルバムがあることを初めて知り、興味を持った。 何しろ脇を固めるのが、ミンガスにブレイキーと来るので、こんな組み合わせなら一体どんな音を聴かせてくれるのだろう、ということで。 これは、96年のプレスです。 そして、実際に聴いてみると。 何と言うか、期待に反して、というほどではないけれど、思っていたよりも普通なのでやや拍子抜け。 もちろん、これだけの人達が集まっているので、かなりの水準にある作品だと思うし、楽しめることはたしか。 でも、新人ポール・ブレイについてはともかく、ミンガスだから、ブレイキーだから、という「特別」な感じはしないように思う。 ポール・ブレイの演奏に関しては、唯一聴いたことのある"Open~"とは約20年もの開きがあるし、ここで表現されているものとはあまりにも違うので比較のしようもなく。 と、ここまでは、iPodで何度か聴いた印象。 で、今日、帰ってからスピーカーを通して聴いてみて、少々その印象が変わりつつある。 ポール・ブレイの流れるような、でも、ちょっと引っかかりのあるようなピアノは見事だし、ボトムをキープしつつ、決めるところは的確に決めるミンガス&ブレイキーもやはり見事。 50年代前半の作品の中(まだそんなに手を出してないけど)で「特別」ではないし、その時代を代表するような作品でもないかもしれないが、優れた作品の中の1つ、といった感じだろうか。 繰り返し聴いているとだんだん気持ち良くなってきて、「好き」って感じの一歩手前くらいまでは来ているかも。 ポール・ブレイという人は、この後スタイルをいろいろと変えていくようなので、その進化や変遷を辿ると面白そうだし、いろいろ聴いた上で、このアルバムに戻ってみると印象もさらに変わってきそう、なんて考えているところ。 |
Red Garland Quintet Red's Good Groove レッド・ガーランド、62年のアルバム。 前回に引き続き、「1000円にしとけば誰か買ってくれるだろう」シリーズのうちの1枚。 そして、前回に引き続き、falsoさんにそそのか...、いや、触発された1枚。 今月これを買おうかどうしようか迷って、とりあえず保留にしておいたのだけれど、どうしても聴いてみたかった、どうやら最近手に入りにくいらしいアルバムを意外なところで見つけ、そこの送料無料の規定の値段に届くよう、調整のために一緒に注文してみた。 で、結局、お目当ての方は入荷できませんでしたということでキャンセル、このアルバムだけ届いた、というどこかで聞いたことのあるパターンに。 ちなみに、これも92年プレスの盤だそうです。 メンバーは、レッド・ガーランドの他、ブルー・ミッチェルがトランペット、ペッパー・アダムスがバリトン、サム・ジョーンズがベース、フィリー・ジョー・ジョーンズがドラム。 実のところ、ブルー・ミッチェルとペッパー・アダムスについては名前以外、まだ良く知らないのだけれど、音を聴く限り、渋めなメンバーがズラッと揃った印象。 レッド・ガーランドについても、もちろん、マイルスのグループに参加していた人だし、まったく興味がなかった訳ではなかったけれど、今のところ、特別注目していた訳でもなかった。 その上、falsoさんが取り上げるまで、このアルバムのジャケットすら今まで見たこともなかったし。 で、前回に引き続き、まったくと言っていいほど派手さのない作品。 でも、とても良い雰囲気を醸し出していて、初めて聴いた時から、スルスルスルと自然と耳に馴染んでしまうほど心地良かった。 アルバム全6曲中、4曲を占めるスタンダード曲の演奏も素晴らしいけれど、1曲目が特に素晴らしい。 アルバムのタイトル曲ということもあるし、この曲がすべてを物語っていると言ってしまうと言い過ぎかもしれないが、今のところ、そのくらい気に入っている曲。 1曲目って大事だな、と今更ながら思う。 あんまり注目される作品ではないようだけれど、懐の深さを感じさせる1枚。 falsoさん、そそのかしてくれてありがとうございます。 |
Sam Jones The Soul Society 60年のアルバム。 これも、例の「在庫抱えていてもしょうがないので1000円で売り切りたい」シリーズの1枚。 その1000円シリーズのリストを初めて見た時、このアルバムについてはまったく注目していなかったのだけれど、falsoさんがこのアルバムを購入され、しかも結構気に入ってらっしゃる、ということで興味を持った。 自分自身、サム・ジョーンズにとても興味を抱いているところでもあったので。 ちなみにこの盤は、92年にプレスされたものらしい。 このアルバムは2つのセッションから構成されていて、まず、ひとつ目がサム・ジョーンズがチェロ&ベース、ナット・アダレイがコルネット、ジミー・ヒースがテナー、チャールス・デイヴィスがバリトン、ボビー・ティモンズがピアノ、キーター・ベッツがベース、ルイ・ヘイスがドラムというメンバーのよるもの。 2つ目の方は、上記のメンバーからナット・アダレイとチャールス・デイヴィスが抜け、ブルー・ミッチェルがトランペットとして加わっている。 ちなみにライナーの受け売りですが、サム・ジョーンズは当時キャノンボール・アダレイのグループに所属、上記のメンバーのうち、言うまでもなくキャノンボールの弟のナット・アダレイ、ボビー・ティモンズ、ルイ・ヘイスは当時のバンドの同僚だそうです。 初めてこのアルバムを聴いた際には、こうして2つのセッションであることを知らずに、というよりは厳密にはfalsoさんの記事を読んで知っていたはずなのだけれど、それをすっかり忘れていた。 で、1曲目、ちょっとミンガスっぽい、でもミンガスほど軍隊っぽくない程度のハードボイルな曲でとても格好良い。 特にイントロのベースによるフィルインがやたらと良い。 最初は音が高いので、てっきりベースのハイ・ポジションで弾いているものと思ったのだが、上記の通り、チェロを使っていることが分かり、良く聴いてみると、確かに音が高いだけでなく弦の間隔がベースよりも狭そうな楽器による音だなと納得。 チェロのこういう使い方を聴くのは初めてなので珍しいのかと思ったが、ライナーを読んでみると当時はわりとポピュラーだったそうだ。 サム・ジョーンズは他にもチェロを使ったアルバムが何枚かあるようなので、機会があったらぜひ聴いてみたい。 で、アルバム全体として、地味な印象のあるサム・ジョーンズにしては、聴く前に想像していたよりも華やかな感じだった。 でも、それでも一般的に言えば、派手な部類には入らないと思う。 コルネットやトランペットなど、高音域の楽器もフィーチャーされているが、ベースが主役であるためか、重心低め。 リズム・セクションが普段一緒に演奏している人達ばかりだから、とても息が合っているし、これ以上ない安定感だ。 そして、グルーヴィでブンブン来る感じ。 当然、好きです、こういうの。 気付かせてくれたfalsoさんに感謝。 |
Mary Lou Williams Black Christ Of The Andes 少々間が空きましたが、久しぶりの別冊です。 メアリー・ルー・ウィリアムス、62~63年録音のアルバム。 「アンデスの黒いキリスト」と呼ばれた聖マルチノ・デ・ポレスという人に捧げられたアルバム。 レコーディング期間も1年以上と長く、非常にたくさんのミュージシャンが参加している。 だから、面倒なので書かないけれど、その中にグラント・グリーンが、たった2曲の控え目な参加。 それにしても、60年代にレコーディングに1年以上もかけるとは、仮に日数としては数日だったとしても、結構、稀なのでは。 でも、それができる地位にいる人だったということなのか。 どうなんでしょう。 で、アルバムについて。 1曲目、重厚なコーラスに続いて登場するピアノがやたらと格好良い。 この曲中のピアノの演奏はとても短いのだけれど、ここだけでゾクッとするほど。 以降、繊細さ、力強さ、などなどいろいろ併せ持つ素晴らしいピアノが聴ける。 そして、更に、録音時期、メンバーが違うにも関わらず、アルバム全体としての統一感が損なわれることがまったくない。 作曲家としても、ひとりの演奏家としても、とても優れていたことがよく分かる、完成度の高い作品ではないかと思う。 で、グラントさん参加曲について。 まず、アルバムの5曲目"Anima Christi"という曲。 ここでは、すぐにそれと分かる特徴的な演奏が聴けるけれど、かなり抑えめにバックアップに徹した印象。 ただ、この人はヴォーカルのバックで演奏した作品が少ないし、個人的にヴォーカル入りの曲での演奏を聴くのも初めてなので、そういう意味ではなかなか興味深い。 そして、10曲目、アルバムの最後を飾る"Praise The Lord"。 これが、凄い。 単体の曲としても、アルバム中ベストでは。 まさに「水を得た魚」で、やっぱりこういうゴスペル的なノリがルーツなんだろうかと思わせるくらいピッタリとはまっている。 この曲を聴くために買っても損はないかも。 もちろん、アルバムとしても素晴らしいけれど。 という訳で、かなり気に入ったこのアルバム。 輸入盤は、ジャケットが違う上、収録曲も多いらしい。 メアリーさんの他の作品も聴いてみたいところです。 |
Sardine Head 03/15/07 Shinjuku Sact! - Shinjuku, Tokyo, Japan 今回、事前に面白そうなアナウンスがあったので期待をして新宿Sact!というライブハウスへ。 昨年、12月にも一度ここでやっているのだけれど、その時は行かなかったので初めてだ。 その12月のライブの時、場所がよく分からん、とある方から電話をもらったことを思い出し、入念に地図を見て会場へ向かった。 にも関わらず、人ごみを避けてちょっと裏の方から行ってしまったせいで、目指していたところと違うところへ出てしまい、明治通りを会場とは反対方向へ進んでしまうというていたらく...。 で、どうにか辿り着いたが、ビルの入口には小さい看板があるだけ。 これは、確かに分かりにくいかも。 ということはどうでもいいのですが。 その面白そうなアナウンスというのが、対バンとして、Sardine Headのメンバーによるデュオやソロ演奏を行うというもの。 で、1番目、ベースの湯浅さんとギターの斉藤さんによるアコースティック・デュオ、タカシ&ジョージ。 バンドで時折見せるような、インプロの応酬が中心なるのかと思いきや、ある程度作曲されたものがベースになっていたような気がするが、どうでしょう。 静かな曲では、ペデルセン?ECM?といった感じで、北欧の方へ連れて行かれ、でも、時々ブルースっぽいフレーズが交じったりなど、バンドとはまた違った表情。 テンポの良いベースがグイグイと引っ張っていく曲が面白かった。 たしか4曲目あたりだったような気が。 ただ、もっと面白くなりそうな余地がたくさんあり、もっと練りに練った曲を聴いてみたいな、と感じた。 また、ぜひ。 で、2番目、ドラムの小林さんによる独演。 どんな機材を使っていたのか見えなかったので分からないが、カオスパッドのようなものやエフェクト類を使いながら、ドラムを叩く、という趣旨。(?) 最初いきなりジャーマンな感じのノイズからだったので、このまま1曲くらいドラム叩かなくても面白いかも、なんて勝手なことを想像しながら聴いていたのだが、当然、そんな訳もなく。 でも、最近、自分が好んで見に行っているライブに通じるものがあり、かなり興味深く、面白い内容。 突然、「はい」と自己完結的に終わらせるところなど、笑える場面もあったけれど。 そして、こちらもやはり、練りに練った演奏を聴いてみたい、と感じた。 また、ぜひ。 で、3番目、Sardine Headとして登場。 今日は2曲新曲をやります、といきなりの宣言があり、そして、1曲目の"Killifish Dance"の後、聴き慣れないフレーズが飛び出したものだからこれが新曲?と一瞬思ったが、"Cream Cheese Cake"へ突入。 更にその後、再び聴き慣れないフレーズが飛び出し、またもや新曲?と思わせておいて、"Yellow Tale"へ突入。 やはり客は試されているらしい。 次にもう1曲、長い"38 Pieces"を挟み、ここまではお馴染みの曲のいつも通りの「いつもと違う」演奏で、その後、立て続けに新曲を2曲も披露。 1曲目の方はこのバンドにしては直線的な、2曲目の方は少し泣きの入った感じで、どちらも1年後にはどんな曲になっているのだろうと期待できる曲だった。 楽しみにしています。 そして、締めに"Block Signal"。 この曲は、演奏する方も楽しいんじゃないかと思う。 気持ち悪くて、気持ちの良い曲。 アンコール。 ここが、もしかしたら一番の見所、聴き所だったかも。 "Loop"やってくれないかな、と思っていたところ、他の曲のイントロが始まった。 で、素直にその曲を楽しんでいたのだが、途中でドラムのパターンがいきなり変わり、ベース氏がベースをエレクトリックからデュオの時に使っていたフレットレスのアコースティック・ベースに持ち替える。 曲は、"Loop"、で、フレットレス。 なるほど、ナイス・アイデア。 前半、いつもより、ちゃんと(?)弾いている感じで雰囲気はかなり違い、少々ベースが聴こえにくかったのが残念だったけれど、それでもかなり面白い演奏だった。 今日ならでは、のアレンジ。 という訳で、貴重なライブだったと思います。 今度は、川田さんのソロも、ぜひ。 セットリストは、鰯メモ。 |
Jonathan RIchman & The Modern Lovers Jonathan Sings! 唯一持っているジョナサン・リッチマンの83年のアルバム。 この盤は、93年頃にリリースされたもので、買ったのもその頃。 この人については、さすがにNYパンクがどうだとか、未だに根強い人気があるだとか、その位は知っているけれど、このCDを買った当時も今もほとんど知らないに等しい。 で、その93年当時、待望の再発とかそんな感じで雑誌で紹介されていて、何となく興味を持ち、何となく買ってみたのだったと思う。 特にこのアルバムの1曲目を飾る"That Summer Feeling"という曲が、どうやら名曲ってことで、聴いてみたいな、とぼんやり考えた記憶がある。 そんなこのアルバムの印象と言えば、非常にぼんやりとしたもの。 1曲目については、ああ、この曲はなんだかいいなあ、とぼんやりと感じた。 その他の曲については、聴いていて全然嫌ではなかったのだけれど、激しさもなく、くっきりとしたメロディもなく、何をよりどころに聴いたらいいのか、当時の自分にはよく分からず、やはりぼんやりと聴いていた。 そんな感じだったので、その後も数回試してみた程度に終わっている。 で、今年のフジロックのラインナップにこの人の名前があったりだとか、falsoさんがこの人の他のアルバムのジャケットを紹介していたりだとかで、そういえば1枚持っていたな、とぼんやりと思い出したのがつい最近のこと。 そして、昨日、今日と久しぶりに引っ張り出してきて聴いているところ。 未だに活動してるなんて知らなかったし、また、感心もなかったので、驚きながら。 でも、これが今聴くとなかなか良い。 印象は買った当時と変わらず、やはりぼんやりとした感じなのだけれど、それがなんだか心地よかったりもする。 あんまり聴いてなかったわりには、結構内容を憶えていることにも少々驚いた。 独特の鼻にかかった声や、古臭く、どこにでもありそうな曲だけれど誰にも似ていないところとか、このゆるゆるな感じとか、そういうところが根強い人気の秘密だろうか。 強いて言えば、少しばかりVelvet Underground辺りの影響を感じるが。 ルー・リードのネジの、違うところをたくさん緩めたような、そんな印象。 これもなんだかクセになりそう。 ただ、このアルバム、調べてみたら現在入手困難のようだ。 中古盤を探せば見つかるかもしれないが。 他のアルバムを聴いたことがないので比べることはできないけれど、なかなか良いアルバムなのに残念なことだ。 それはそれとして、やはりフジロックには往年ファンがたくさん駆けつけるのだろうか。 とりあえず、そのうちfalsoさんが紹介していたアルバムでもジャケ買いしてみようか、と考えているところです。 |
Gideon Juckes 03/12/07 Cafe Flying Teapot - Ekoda, Tokyo, Japan 日英スペシャル・セッションと題してGideon Juckesなるチューバ吹きの方がライブをやるということで、フライング・ティーポットという店へ行ってみた。 税務署近くにある、どう考えてもGongなこの店、前を通りかかったこともあって、以前から気になっていた。 江古田といえば、今はたしか下北沢かどこかにある"Zero"と言うレコード店があったところだし、その店絡みの"Angel's Egg"というレーベルもあるが、このフライング・ティーポットはその関係の店なのだろうか。 江古田とGongの間にはどんな因果関係が? 店のパソコンのスクリーン・セーバーにはTony Conradの写真を見かけた気も。 とか、くだらないことは置いといて。 で、行ってみた、と言ってもGideon Juckesという人のことはまったく知らず、調べてみてもあまり情報がなく、その他の日本勢の名前に惹かれたからというのが主な理由。 その上、家から近いし、所用で次の日休みを取っていたから、というのがそれに次ぐ理由。 メンバーは、ドラム、パーカッションに芳垣安洋さん、ヴィブラフォン、パーカッションに高良久美子さん、トロンボーン、その他多数の楽器に青木タイセイさん、そしてチューバにギデオンさん。 高良さんは、先日浅草へ見に行ったOrquesta Nudge! Nudge!にも参加されていたので、少なくとも一度は演奏を見たことがあるのだけれど、この方が芳垣さんの奥様だとはまったく知らなかったです。 青木さんについては、名前をチラシなどでよく見かけていて何となく知っていた程度だったのだけれど、Date Cource Pentagon Royal Gardenなどにも参加されているそうで、なるほど納得の人脈。(?) もちろん、演奏を聴くのは初めて。 で。 店の方は、カフェとしては天井も高くて、決して狭いスペースではないけれど、ライブ・スペースとしてはやはり狭く、まさに「すぐそこ」で演奏している感じ。 客も遅れてきた人達を加えても15人そこそこ、という何とも贅沢なライブ。 音の方は、と言うとなかなか説明し難い。 チューバ、トロンボーンを活かしたのんびりとした曲調あり、このメンバーならもちろん、という感じの実験的な展開あり、スリリングな展開あり、のやはり一言では表現できない音楽なのだけれど、こんなところ(身近な、という意味です)でこんな凄い演奏をしているのか、と驚くばかり。 特に、チューバやトロンボーン、ヴィブラフォンなどのぼんやりとした音像の楽器ばかりの中、芳垣さんのドラム、パーカッションが鋭く切り込むところに唸った。 各メンバーの曲、ピアソラの曲などを交え、ファースト・セットが約1時間ほどで終了。 そして、セカンド・セット、2曲目からはギターに鬼怒無月さんが加わる。 チューバの陰に隠れて弾いているところはほとんど見えなかったのだけれど、多分、ガット・ギター。 鬼怒さんの演奏は、是巨人で一度見たことがあるだけなのだが、エレクトリックでもアコースティックでも変わらずテンションの高い鋭い演奏だ。 鬼怒さんが加わったことで、また少し違った雰囲気に。 で、セカンド・セットも約1時間ほどで終了。 ライブ終わりで、気になるギデオンさんの正体(?)が明かされた。 何でも、とあるミュージカルのオーケストラの一員として来日中、ということで、普段の活動はまったく違うらしい。 でも、今後こうした活動も積極的に行いたい意向、とのこと。 チューバという楽器にはあまり馴染みがないので、またその機会があればぜひ見てみたいと思う。 という訳で、かなり面白い体験だった。 繰り返すけれど、こんなに身近なところで見れるなんて。 こういうライブ、癖になりそう。 安いし。 それと、受付のお兄ちゃん、演奏中、「聴いている」というよりは「耐えている」といった風情が面白かったです。 あ、ライブの内容と画像は全然関係ないです。 |
Sasha Dobson, Jesse Harris & Richard Julian 03/11/07 Club Quattro - Shibuya, Tokyo, Japan 約1年振りにジェシー・ハリスが来日、ということでクラブ・クアトロへ。 今回は、ジェシーひとりではなく、昨年の来日時に顔見せのような形でライブに登場したサーシャ・ダブソンと、ソロはもちろんLittle Williesなどでの活動で知られるリチャード・ジュリアンの友人同士3人がメインというスタイルのライブ。 で、整理番号が早かったので、日曜日ということもあって珍しく開場時間に行ってみた。 ステージ正面のカウンターに座るつもりで。 するとフロアにはイスがズラッと並べてある。 前半分には丸イスが、後ろ半分には背もたれ付きの折りたたみイスが。 これは、長時間、背もたれなしではキツかろうと、迷うことなく背もたれ付きのイスへ座る。 もちろん、例の柱が邪魔にならず、ステージ全体が見渡せる位置へ。 そして、待つこと1時間。 出掛ける前にプランクトンのサイトをチェックするとゲストとして「畠山美由紀」の名前があったので、てっきりオープニング・アクトなのかと思っていたら、いきなりジェシーがベースとドラムを従えて登場。 "Slow Down"を皮切りに、約30分ほどの演奏。 やっぱり良いねえ、としみじみ聴き入る。 途中、4曲目だったか、5曲目だったか、ゲストの畠山さんが登場。 どうやら今回の日本で一緒にレコーディングしたということで、その中の1曲を披露。 でも、畠山さんはコーラスのみ、しかもこの1曲で引っ込む。 個人的には、それほど興味があった訳ではないので良いのだけれど、ゲストと発表されていたわりには、という感じでやや拍子抜け。 で、ジェシー・セットの最後の曲で、リチャード・ジュリアンと、名前が聞き取れなかったのだが、日本人のアーティストが登場し、スライド・ギターを弾く。 人数が増え迫力が増し、なかなか良い感じに終了。 で、このままリチャード・セットへ突入。 なるほど、そういう趣向か、と素直に感心。 やはり、ジェシーと同様、約30分の演奏。 リチャード・ジュリアンについては、Little Willies以外のソロ作品を聴いたことがなく、まともに聴くのは初めてだ。 ジェシーとは、共通する何かも感じさせつつ、対照的と言っても良い雰囲気だ。 例えば、ジェシーの曲ではシンプルな編成の隙間を埋めるような手数の多いベースラインだったのだけれど、リチャード・ジュリアンの曲ではシンプルな演奏に徹していたりなど、曲の作り込み方の違いが現われていて興味深かった。 どちらが好みかと言えば、僅かな差でジェシーかなと思うが、アルバムを聴いてみたいと思うには充分な曲、演奏だった。 やはりリチャード・セットでも先ほどの日本人のスライド弾きが、確か2曲ほど参加。 ユーイチ・オーハタ、と今度は名前が聴き取れた。 なんだか記憶と顔が違ってたので、まったく気付かなかったのだが、去年の来日の時にオープニングに出てた人であることにやっと気付いた。 前回、その音楽性にはそれほど感銘を受けなかったので、その後も興味を持つことはなかったが、ギターはうまいなと感じた憶えが。 今回、なかなか素晴らしいスライドを聴かせてくれ、良いアクセントになっていたと思う。 で、リチャード・セットの最後にサーシャ・ダブソンが加わり、息の合ったところを聴かせてくれた。 そして、ジェシー・ハリスが加わり、フル・メンバーで数曲。 何曲だったか忘れてしまったが、いろいろと趣向を凝らし、見せ方がうまい。 この後、ジェシー&リチャードが抜け、スライドが加わり1曲、さらにスライドも抜け、1曲の、サーシャ・セット、というには少々短かったが、とにかくサーシャがメインで2曲。 2曲目の方は、ジャズ・ヴォーカルっぽく、過去のアルバムは聴いたことがないけれど、おそらく、本来のスタイルなのではないだろうか。 サックスか何かが入ったら、更に良さそう。 昨年の来日では、良いヴォーカリストではあるけれど、もうひとつ個性や前に出てくる感じが薄かったので、この人メインだとちょっと飽きてしまうかなと感じていたのだが、ちょっと力強さが加わったような気がする。 どうだろう。 で、この後ジェシーが加わり1曲、更にリチャードも加わり何曲か。(忘れました) その後、一旦引っ込み、アンコールが2曲で終了。 もうちょっとやるのかなと思ったけれど、意外と終わりはあっさり。 いや、もちろん最後を飾るにふさわしい、素晴らしい演奏、歌だったけれど。 あっさり感じたのは、最近、いつ終わりがやってくるのか分からないようなライブばかり見ているこっちの都合です。 という訳で、たっぷり2時間。 三者三様、それぞれの特徴を活かし、工夫を凝らした素晴らしい内容だったように思う。 ただ、サーシャ・セットが2曲と少なめであることから考えても、まだ単独でメインだと少々無理があるのかも、と感じるが。 それと、個人的にはベース・アンプがトレース・エリオットじゃない方が嬉しいです。 でも、良いライブでした。 素晴らしかったと思います。 また、ぜひ。 |
Dinosaur Jr. In Session 先日のリキッドルームでのライブがその時感じた以上に自分の中に余韻として残っていて、聴きそびれていたアルバムをこの機会に買っておこうという気運が高まっているところ。 聴きそびれていたアルバム、と言ってもオリジナル・アルバムはすべて持っているのだけれど。 で、前からリリースされているのは知っていて気にはなっていたこのアルバムをちょうどオークションで見つけた。 そんなこのアルバムは、88年、89年、92年のBBCでのセッションを収録したもの。 BBCってことは、ピール・セッションだろうか。 一応、ブックレットの解説にはジョン・ピールの名前も出てくるけど、ちゃんと読んでないので不明。 リリースは99年ということで、その頃からずっと気になっていたのだが、なかなか買う気にならず今日に至る。 本当なら、昨年の来日の時(こことここ)にそういう気分になっていてもおかしくはなかったのだけれど、どうもチケットを取ったときの期待に反してライブを見終わった後の盛り上がりがもうひとつだったので。 でも、まあ一応安く買えたので今で良かったのかも。 で。 収録曲10曲中8曲は、88年と89年の演奏。 ということでもちろん、ジェイ・ルー・マーフのオリジナル・メンバーだ。 この頃のライブ演奏だともっとグシャグシャなイメージを持っていたのだけれど、予想に反して意外とまとまっている。 スタジオ・ライブなので、その辺ちょっと違うのかもしれない。 それにしても過剰なまでにゲートか何かがかけられたドラムの音に、そういえばピール・セッションってこんな音だったよな、と懐かしさを憶える。 そして、92年のセッションの方は、Jに加えて、当時バンドでベースを担当していたマイク・ジョンソンがギター&ヴォーカルで参加したアコースティック・スタイル。 演奏された曲は"Keelin"と"Get Me"の2曲だが、特に"Keeblin"の方、アルバムには収録されてない曲なので、いままで聴く機会はそれほど多くなかったのだけれど、ここのところ"Martin + Me"(参照)でも良く聴いていたりして、今更ながら良い曲であることに気付いた。 この2曲に、Jのミュージシャンとしての成熟を感じる。 全体としては、若干、その音質に違和感を覚えつつ、でも、まあ熱心ならファンなら楽しめる内容かなと思う。 多分、自分自身、90年代前半にこれを聴いていたとしたら、それこそ繰り返し、繰り返し聴いていただろうと思うし。 今は...、と言うとそこまでではないですかね。 |
Los Lobos 02/24/04 Davis, CA 2004年の会場不明、カリフォルニア州デイヴィスでのライブ。 この音源は、Legion Of Maryの"Dick's Gift"と一緒に友人からもらったもの。 Los Lobosと言うと2年ほど前、その友人から2004年に来日した時の音源を聴かせてもらって以来、大いにはまっているとか、頻繁に聴いているというほどにはなっていないけれど、それまでのイメージを改め、気になるバンドのひとつになった。 ってことは、結構前にも書いてますが。 そんなLos Lobos、今回の友人のお薦めは、オール・アコースティック・ショー。 全体的にメキシカン色の強い楽曲、演奏。 アルバムを聴きたい、聴きたいと思いながら、未だ買ったりしていないので、オリジナルの曲とメキシカン・トラッド(?)との比重がどのくらいなのか分からないのだけれど。 とにかく、頭から終わりまでとても良い雰囲気で、なんだかメキシコ料理が食べたくなる。 メキシコの音楽については大雑把に知らないくせに、ついトラッドなんて書いてしまったけれど、こういうのは大衆的な音楽の部類と考えた方が良いのかも。 でも、少なくともこの人達の音楽のルーツのひとつであることは間違いなく、エレクトリック・ギターを持たせれば、あんなにへヴィーな演奏をするのに、あっさりこういうところにも戻って行けるところに奥の深さを感じる。 やっぱりライブを見てみたい人達だ。 できれば、アコースティックとエレクトリックと両方。 そう言えば、新しいアルバムが良い、という話だけれど、これのことでしょうか。 珍しく、国内盤の方が安い。 いい加減、聴いてみようかな。 でも、来月。 |
Grant Green Iron City 67年録音のアルバム。 もともとは70年代にCobblestoneからリリースされたもので、その後、Museからも再発されたりもしているらしい。 どこかで聞いたことのあるパターンだ。 この盤は、昨年Cherry Red Recordsというところから再発されたCDで、色身は違うようだけれど、Cobblestoneのオリジナルのジャケットに近いようだ。 ついでにこんなデザインのCDも出回っています。 Museから再発された盤のジャケットのは、以前にturuさんが紹介されています。 オリジナルが一番良いらしい。 で、気になる中身。 メンバーは、ジョン・パットンのオルガンにベン・ディクソンのドラムというシンプルなトリオ編成。 いきなり1曲目、グラント・グリーンのオリジナル曲である"Iron City"から、ぶっ放してくれます。 このアルバム、正直言うと甘く見ていたのだけれど、とんでもなかった。 とても良い雰囲気で、とても格好良い。 "Feelin' The Spirit"(参照)で既にやっていた曲も2曲演奏されているが、編成が異なるから当然としても、また違った雰囲気だ。 途中、そっちへ行ってしまって大丈夫なの?と少し心配になるジャム・セッション的な展開もあるが、やはり非ブルーノート作品ならではの面白さと言えるかも。 この人達、好き勝手やらすとこうなって、アルフレッド・ライオンというフィルターがかかるとああなる、という対比がより一層面白いと思う。 惜しむらくは、この時期、おクスリ関係で体を壊していた時期だそうで、あまり活動はしていなかったようだ。 こういったセッションをばんばん残しておいてくれたら良かったのに、と思う。 でも、それは今更言ってもしょうがないか。 けど、言いたい。 このアルバムは、なかなか良いと思います。 |
Legion Of Mary Dick's Gift 先週、友人と会った時にもらった音源。 Dick's Giftの「ディック」は、多分、Dick's Picksの「ディック」のことだろうなと思いつつ、どこで手に入れたんだろうと検索してみたら、ここらしい。 そう言えば、ちょっと前にその友人からgdlive.comは使ったことある?とメールで尋ねられたことを思い出し、納得。 で、テキストによると、日付の入っていない"LOM Mystery Tape"からのもので1枚目のディスクが74年、2枚目のディスクが73年のものではなかろうか、ということらしい。 やはり「ディック」は、Dick Latvala氏のこと。 Legion Of Mary及びジェリー・ガルシアとマール・サンダースの共演作で聴いたことがあるのは、未だオフィシャルではPure Jerryの内のひとつと"The Jerry Garcia Collection, Vol.1"のみ。 Pure Jerryの方は、同シリーズの中でも1、2を争うくらい気に入っているのだけれど、"Collection"の方は選曲の方がもうひとつでそれほど気に入っていない。(参照) もちろん、"The Jerry Garcia"なので当然ではあるが、ジェリー寄りの演奏ばかりで、マール・サンダースとの共演ならではの面があまり聴かれないから。 で、この"Dick's Gift"。 オフィシャル・リリースの作品と比較するのもどうかと言うのもあるけれど、サウンドボード音源ということで録音状態もなかなか良い上、ジェリー寄り、マール寄り、どちらもまんべんなく収録され、LOMということならこういうのが聴きたかったんですよ、という仕上がり(?)でかなり気に入っている。 特に面白いのが、Pure Jerryでも気に入った"La La"と約24分にも及ぶ"My Funny Valentine"だろうか。 そう言えば、友人にもこの"My Funny Valentine"をお薦めされたんだった。 もちろん、2枚目のディスクのジャムから"After Midnight"へ至るぶっ続けの演奏も良い感じ。 という訳で、かなり良い音源かと思われますが、どうでしょう。(?) |
Webster Young For Lady 57年のアルバム。 これは、先日、友人達と渋谷でホルモンを食べに行ったとき、集合時間まで時間があったので、たまに立ち寄るようになったジャズ喫茶へ行き、そこで聴いたうちの1枚。 で、特別強いインパクトがあった、という訳ではないのだけれど、聴いていて心地良かったし、ジャケットの雰囲気も良かったので印象に残ったのだが、その時はアーティストの名前をチェックしなかったので、ジャケットの上の方に大きく印刷された"For Lady"というタイトルと、このジャケットを頼りに探してみた訳だ。 そして、少々時間はかかったものの、どうにかウェブスター・ヤングという人のアルバムであるところまで突き止めた。 そんな感じで、どこかで聞いたことがあるような、ないような名前だなと思いながら、割引されて少々安く売っていたHMVへ注文。 でも、しばらく待たされた後、入荷できません、ということで敢えなくキャンセル。 どうやら少しばかり手に入りにくい状態らしいことが分かったのだが、今度はアマゾンの方で再チャレンジ。 そして、再び、入荷が遅れている、という知らせが。 嫌な予感。 でも、運良くマーケットプレイスの方で新品を売っている業者を見つけた。 送料の分高くなってしまうけれど、待たされた挙げ句にキャンセルを喰らうよりはましだろう、ということでそっちに再注文。 という訳で、無事手に入れることができました。 根気よく中古盤を探すか、いつになるか分からない再発を待つか、というところだったので嬉しい限り。 前置きが長い。 メンバーの方は、リーダーであるウェブスター・ヤングがコルネット、ポール・クイニシェットがテナー、マル・ウォルドロンがピアノ、ジョー・ピューマがギター、アール・メイがベース、エド・シグペンがドラム。 と言っても、マル・ウォルドロンとエド・シグペンしか名前が分かりません。 多分、他は初めまして。 で、このアルバムは、ビリー・ホリデイに捧げられた作品ということで、ヤングの唯一のリーダ作ということらしい。 主にサイドマンとして活動、60年代以降の活動は不明、ということで検索してもジャッキー・マクリーンのアルバムばっかり出てくる訳が分かった。 で、更に前置きが長いが、改めて聴いてみると、思っていた以上に良いアルバムだった。 地味な部類に入るアルバムだし、誰かが凄い、とかそう言う類いの作品ではないけれど、全体を漂う雰囲気がとても良い。 店で聴いた時にはギターの音に惹かれたのだけれど、こうして聴いてみるとギターの出番は少なめで、やはりホーンの2人の演奏が印象的。 初めに聴いた時、漠然と50年代のマイルスみたいだなと感じた。 あそこまでストイックではないけれど。 そう思ってライナーを読んでみると、ヤングという人はマイルスからの影響をとても受けているそうで、ちょっと納得。 聴く回数を重ねるごとに、このフレーズはマイルスみたいだ、と気付いたりしている。 でも、そう言ったことを抜きにしても、楽しめるし、この落ち着いた雰囲気がとても良いと思う。 苦労、はそんなにしていないけど、まめにチェックして手に入れた甲斐があった、そして、長く付き合えそうな、そんな1枚でした。 |
The Contortions Buy ジェームス・チャンス率いるContotionsの79年のアルバム。 この盤は、90年代半ばに再発されたもので、その時が初CD化だったような憶えが。 でも、実のところ、このバンドのこともジェームス・チャンスのことも良く知らず、当時読んでいた雑誌で知った。 そして、そこでは、「フェイク・ジャズ」という言葉が使われていて、それが一体どんな感じの音なのか興味を持ったのだったと思う。 そんな具合で手に入れたこのアルバム、当時は、全然良さが分からず。 何度か挑戦してみたものの、多分、5回も聴かずに終わったのではなかったかと思う。 「フェイク・ジャズ」と言う割には、とは言ってもその雑誌の文章を書いた人が勝手にそう言ってただけなのだけれど、ジャズっぽさは感じられず期待外れだった上、元々ニュー・ウェーブ方面はあんまり得意ではなかったから、あまり好きになる要素が見当たらなかった。 で、そういえばこんなのも持ってたな、と思い出しながら今聴いているところ。 そして、いきなり1曲目が切れ味鋭く、なかなか格好良いので、オッ?と思ったところ。 ちょっとPop Groupみたいだ。 なので、ちょっと検索してみたりしたら、No Wave周辺の人達で、そう言えば"No New York"にも参加してたことを思い出した。 "No New York"は、ずっと聴いたことがなくて、去年だか一昨年だかにCD屋で試聴したきりなのだけれど、意外と印象は良かったような気がする。 購入に至るほどではなかったが。 何となく、ようやく正体が掴めてきた。 で、今後これが自分にとって必要かな、と冷静に考えてみると、確かに1曲目以外にもオッ!と思える瞬間はいくつもあるが、同時に少々退屈なところもあって、まあ、あってもなくてもどちらでも良いかな、というのが正直なところではある。 でも、このインチキ・フリー・ジャズ、インチキ・ファンクな感じが魅力だと思うし、良く言えば、オーネット・コールマンっに通じる部分がないこともないし(いや、ほんのちょっとだけ)、たまは面白いかなと、思う。 ただ、せわしない音楽なのでこれを聴きたいと思う場面は、あんまりなさそう。 という感じの1枚です。 煮え切らなくて申し訳ないですが。 そう言えば、ジェームス・チャンスってちょっと前に来日してたような気も。 多分、根強いファンはいるんだろうな。 |
Jason Molina Let Me Go, Let Me Go, Let Me Go 昨年8月にリリースされていた、ソロ名義としては多分2作目となるアルバム。 このアルバムがリリースされていたことに気付いたのが昨年末。 あれ、いつの間に?という感じだったのだが、前作を取り上げた時、オフィシャル・サイトで既にこのアルバムがリリース予定であることをチェックしていたことを思い出した。 そんなことはすっかり忘れてしまっていた。 このアルバムも、前作同様、レコードに同内容のCDが付属という形態のリリース。 そして、前作同様、というよりもいつも通り、ギター、ピアノの弾き語りを中心とした非常に地味な内容。 だから、既に1月には到着していて何度か聴いていたのだけれど、相変らずだな、ということを確認しただけで、聴き流してしまったいた。 で、昨日、久しぶりに聴いてみたら、それはもう相変らず地味であることには変わらないのだが、妙にはまってしまった。 地味だし、暗い音楽を好まない人ならまったく受け付けないものだとは思うが、楽曲の雰囲気にぴったり合った深い音作りがとても良い。 もしかしたら、ヘッドフォンなどでじっくり集中して聴く方が良いのかもしれない。 前作よりも一層深みがあって、なかなか気に入っている。 ただ、1つ気になるとすれば、バンド形態のMagnolia Electric Coとの差が少々薄れてきていることだろうか。 もちろん、同じ人物による音楽だから、共通するものは当然あるだろうし、弾き語りとバンドという表面的な違いはあるにせよ、Magnolia Electric Coの最新作である"Fading Trails"では、かなりソロに近い雰囲気だったので、バンドがスタートした頃のような明確な違いがあると嬉しい。 ところで、全然内容とは関係ないけれど、この人、少々髪が薄い。 でも、このジャケットではその辺がうまく(それとも、あからさまに?)カットされていて、雰囲気のある良い写真だとは思うが、思わず笑ってしまった。 もしかして、結構気にしてるのかな、とか、ジャケットのデザインをした人が気を使ったのかな、とか余計な想像をついしてしまったり。 まあ、どうでも良い話です。 一応、今後に期待ということで締めておきます。 |
Faust 71 Minites Of... 性懲りもなく、しばらくぶりに戻ります。 クレジットによると、"Munic & Elsewhere/Return Of A Legend"という作品と"Faust Party Three"という未発表作品を収録したアルバムらしい。 買ったのはかなり前のことだけれど、当時は情報もなかったし、また、調べようという気もまったくなかったので、素性がよく分からなかった。 でも、今になって調べてみたら、この形態としては79年にリリースされたのが最初で、曲そのものは、71年から75年にかけてレコーディングされたものらしい。 そして、これもRecomendedからのリリース。 そんなこのアルバム、タイトル通り、約71分に渡って曲が詰め込まれている。 CD屋でこれを見かけても、チープな怪しいジャケットに71分という長さから、ちょっとキツそうだなと思ってなかなか買う気にはなれなかった。 で、たまたま中古盤を見つけ、この値段だったら外してもいいか、と思って購入した憶えが。 場所は、たしか池袋のレコファンだ。 どうでもいいけど。 で、そんな先入観を持ちつつ聴いてみると、実験的ではあるけれど比較的聴きやすい音で、"Faust Tapes"(参照)と共にこのバンドの音を面白く感じるきっかけになったりもした。 ただ、両者では重複する曲が数曲あって、どちらかと言えば"Tapes"の方を聴く機会が多かったが。 という訳で、久々に、しかも朝の通勤から聴いてみた。 不穏な電子音の数々や、聴きやすさをすべて排除したかのような曲展開。 やはり万人向けではないけれど、でも、不思議なことに聴きやすいという。 後のテクノに繋がる要素もあるし、例えば、アメリカなどでは単なる歴史の一部になってしまいそうなフリーキーな音楽も、ヨーロッパに渡るとどっしりと根を張ってしまうのが分かるような、そんな音。 さすがにこんなのばかり聴いて過ごしたいとは思わないが、たまにはこんなのもいいでしょう、というそんな音楽です。 |
J Mascis Martin + Me 96年にリリースされた、ソロ・アコースティック・ライブを収録したアルバム。 昨日のライブを見に行くことが決まった時、多分、同じ雰囲気であろうと思われたこのアルバムを予習を兼ねて久しぶりに聴いてみた。 で、今は余韻に浸りながら、再び聴いているという感じ。 でも、このアルバムがリリースされた当時、Dinosaur Jrだけではなく、それまで聴いていたこの辺りの音楽に少々冷めていたため、今度買おう、次に買おう、と思い続けて、実際に買って聴いたのはずいぶん後だったと思う。 はっきり憶えていないが、リリースされて4、5年は経っていたかも。 そんな具合だったので、買ってみたはいいものの、もちろん、好きなアーティストだし、好きな曲もたくさん入っているのでそれなりに楽しみはできたのだけれど、あまりしっくり来なかったのが正直なところだ。 で、先日、久々に聴いてみたら、これが意外と良くて。 そして、ライブを実際に見た後である今、改めて聴き直してみて、また、更にジワジワと良さを実感している。 余韻、と言ってしまえばそうなのだけれど、曲の良さを再確認しているところ。 ここの収録されているツアーの頃は、昨日のライブのようにバッキングをその場でループさせてソロを弾くことはしていたようだが、それほど多用はしていないし、ファズをかけたりもしていなかったようで、少々雰囲気が違っていて面白い。 でも、特別アコースティック用にアレンジしている箇所はほとんどなくて、バンドでやっていることをそのまま置き換えただけ、という感じだ。 曲が良ければ、特別なアレンジは必要ないとも言えるけど、多分、アコースティックもエレクトリックもあんまり区別していないだけなんだろうと思う。 その結果が、アコースティック+ファズ、ということか。 変な人。 ということで、やっぱり聴いていると昨日のライブを思い出し、しみじみとしている。 演奏されている曲目も重なる曲が多いし。 そうすると、去年リリースされたこれが気になります。 |
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