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← 2007年05月 →- 決め手には欠けますが [2007/05/31]
- お熱で欠席 [2007/05/30]
- 残念ではありますが [2007/05/28]
- バランスの変化でしょうか [2007/05/27]
- この人達ならこれでしょう [2007/05/26]
- 大きな音で聴きましょう [2007/05/25]
- あなたのそれは、何ビーム? [2007/05/24]
- 別冊グラントグリーン第10号 [2007/05/23]
- ホーンがお好き? [2007/05/22]
- 来ないかな [2007/05/21]
- ペダルの軋む音が聴こえるほど [2007/05/20]
- 写真は浅草ですが [2007/05/18]
- 多分、意味はなし [2007/05/16]
- 別冊グラントグリーン第9号 [2007/05/15]
- 気分転換 [2007/05/14]
- ライブが見たいだけなんだけどね [2007/05/13]
- いびきは勘弁 [2007/05/12]
- 今更ではあるけれど [2007/05/10]
- 予習です [2007/05/09]
- 別冊グラントグリーン第8号 [2007/05/08]
- 次はこれか [2007/05/07]
- 聴き漏らし [2007/05/06]
- 買いたて [2007/05/03]
- 月刊グラントグリーン2007年6月号 [2007/05/02]
- でも、やっぱりこれもあります [2007/05/01]
![]() Kids 1995年に公開された"Kids" 収録されているのは、ルー・バーロウ&ジョン・デイヴィスによるFolk Implosionの曲が大半、バーロウとデイヴィスに2名を加えたDeluxx Folk Implosionなる名義で1曲、ダニエル・ジョンストンが2曲、Lo-Downなるアーティストが1曲、Slintが1曲。 もちろん、ルー絡みということで当時買ったのだけれど、なぜだかあまり聴いてなかった。 映画の方も、たしか当時話題になっていたように記憶しているが、残念ながら見たことがない。 当時、あまり聴いていたかったというのも、別につまらないとか印象が悪かった訳ではなかったと思う。 ただ、サントラということで当然のことだとは思うが、映画の雰囲気に合わせたと思われるインスト曲などもあり、ちょっと散漫に感じてしまったのかも。 でも、改めて聴いてみると、大半がFolk Implosionの楽曲だから思っていたほど散漫でもなく、意外と良いなと感じた。 そう言えば、この頃、ロウ・ファイっぽい音にヒップホップのようなビートを組み合わせるのってあったよな、とか、いろいろ思い出しながら、それなりに楽しんでいる。 収録されたバンド、アーティストの中であまり知らないのがSlintとLo-Down。 Slintの方はさすがに名前くらいは知っているが、アルバムは全然聴いたことがなくて、聴いたことがあるのがここでの1曲のみ。 なので、1曲だけは何とも言えないが、好きな感じではあるし、ちょっと今更という気がしなくもないが、機会があればアルバムを聴いてみてもいいかな、と思う。 一方、Lo-Downの方は、未だ名前すら知らず。 こんなのいたかな?と思って聴いてみると、ヒップホップだった。 特徴のある感じではないけれど、95年頃ってこうだったな、と思い出させてくれる、懐かしいと言えば懐かしい感じの仕上がり。 そんな中、妙にホッとするのがダニエル・ジョンストン。 特に中盤辺りに登場する"Casper The Friendly Ghost"。 このサントラのためにレコーディングされたものではないけれど、オルガンをカタカタさせながら歌う様がやっぱり良い。 これだ!というような決め手に欠けると言えば、そんな感じかもしれないけれど、まあ悪くはないかな、と12年経った今、確認しました。 スポンサーサイト
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![]() 川下直弘(ts) 05/28/07 in F - Ooizumigakuen, Nerima-ku, Tokyo, Japan 大泉学園にあるin Fという店へ。 4月のAltered Statesのライブで初めてお会いしたVさんに教えてもらった店なのだけれど、家からとても近いところ。 そして、スケジュールをチェックしてみると渋さ知らズでお馴染みの不破さんがベースとして出演する日があった。 不破さんが以前やっていたフェダインもまだ聴いたことがなく、一体どんなベースを弾くのか前から興味があったので、ちょっと行ってみようかと。 で、会場に到着して落ち着いてからしばらくして、他のお客さんと店の方が話しているのが聞こえてきた。 不破さん、39度の熱を出し、欠席。 失礼ながら、他のお二方を知らなかったので、まさに「......。」な状態に。 でも、せっかく来たのだし、気を取り直して開演を待つ。 すると8時頃、ベース・アンプらしきものが運び込まれ、ウッドベースを抱えた人も登場。 どうやら急遽代役を立てたらしく、ライブが始まってから、オノ・アキさんと紹介されていた、と思う。 後で調べてみたら、多分、小野章さんという方らしい。 渋さ知らズ周辺の人脈はほとんど知らず。 ついでにテナーの川下さんはフェダインに参加していた方で、ドラムの岡村さんもやはり渋さ知らズにも関わったりしている方であることが分かった。 先に書いてしまうと、どうりで凄かった訳だ。 で、20分押しくらいでライブの始まり。 最初からフリーっぽい展開。 考えてみると、こういうフリー・ジャズらしい感じライブを生で見るのは初めて。 ちょうど、先週、オルガン・ジャズばっかり聴いていた(訳でもないけど)反動なのか、日曜日辺りから急にコルトレーンが聴きたくなって、電車の中で立て続けに聴いていたところで、そんな気分にピッタリとはまった。 でも、ちょっと緩慢なところもあったので、もしかして今日来たのは失敗だったか?、と思ったのも束の間、2曲目以降が凄かった。 もの凄くスピーディーな展開になり、ドラムがグイグイ煽る様が凄かった。 どうやら、ドラムの岡村さんはこういう展開が得意なようで、エルヴィン・ジョーンズとはちょっとタイプが違うけれど、でも、多分その辺りの影響が大きいのかな、と思う。 ライブを通して、こういう展開のところでは実に活き活きと、バシバシ決める様は見ていて、聴いていてとても気持ちがよかった。 ただ、そうではない曲では、ちょっとばかり間を持て余しているようにも感じ、セカンド・セットの1曲目ではちょっと三者がチグハクな印象だった。 それにはもう1つの要因があって、ベース・アンプが客に対してほぼ直角に向いていた上、ほぼ背中を向けて演奏していたため、まったく音が前に出てこなくて、ほとんど何をやっているのか分からない状態だったこと。 狭い店で、すぐそこで弾いてるのに。 それでも、フリーっぽい展開のときはまだ良くて、メロディアスな、どちらかと言えばポップな(?)感じの曲では、滑らかにベースで引っ張って欲しいところ、どうもちょっと弾ききれていないような感じで、フリー系のベーシストのダメなところを見てしまったような気も。 いろいろと悪条件が揃った中での演奏なので、これだけで判断してしまっては失礼かもしれないけど。 終始安定した存在感だったのが川下さん。 当たり前のように、さりげなく凄く、また違った状況でも聴いてみたいなと思った。 ライブ全体としては、セカンド・セットで渋さ知らズで聴いたことのある曲もあり、少人数での演奏も面白かったが、やっぱりファースト・セットの2曲目、3曲目辺りが一番良かった。 前述の通り、個人的には楽しめない部分もあったけれど、この2曲だけでも見に行って良かったと思うほど。 これは本当に凄かった。 そんな感じの、多分、どちらも1時間弱ほどの2セット。 演奏者3人、店の方1人に対して、客が5人、というのがちょっともったいなくもあり...。 このトリオではたまにライブをやってるようなので、チャンスがあれば不破さんがベースを弾く時にまた見てみたい。 あ、画像はライブとは関係ないです。 店にジャケットが飾られていて、格好良かったので。 |
![]() Sebadoh The Sebadoh 99年の8枚目のアルバム。 今年に入って活動再開し、そのツアーのみで手に入るアウトテイク集のようなアルバムがあるらしいのだけれど、それを除いても除かなくても、純然たるアルバムとしては今のところの最新作。 リリースされていたのは知っていたけれど、前回にもちょこっと書いた通り、この辺りの音に冷めていたせいもあって、好きなバンドではあったので今度買おうと思い続けて早8年、ずっと聴きそびれていた。 で、最近、中古盤が安く売られているのを見つけたので、やっと購入。 前作"Harmacy" だからなのか、今までにはなかったような曲調も見られるし、バンド名をタイトルにしているくらいだから、仕切り直しのような気合いを感じなくはない。 でも、個人的には、残念なことにあまり面白いアルバムとは言えず。 1曲目のありきたりなつまらなさだとか、ジェイソンの、悪化の一途をたどるSub Pop/Nirvana症候群的な楽曲だとか。 頼みの綱(?)とも言えるルーの曲に関しても、たしかに良いメロディーではあるけれど、ハッとさせられるところが非常に少ない。 このアルバムリリース後どのくらいの期間活動を続けていたのか、とか、どういう経緯で活動停止に至ったのか、などまったく知らないのだけれど、これを聴く限り、この次は難しいよな、という印象。 もちろん、この辺からファンになった人だとか、こういう音を聴き続けて来た人に言わせればまったく違った評価になるとは思うし、そこまでひどい作品と言うつもりもない。 それに、その他の思い入れのあるアルバムに比べれば全然聴き込んでいる訳ではないこともたしか。 でも、これを99年当時に聴いていたら、もっとつまらなく感じただろうし、もっと辛辣なことを書いていたかな、と思う。 これなら、"Harmacy"の方が良いかな、とそんな感じ。 残念ですが。 |
![]() Sebadoh Harmacy 96年の7枚目のアルバム。 このアルバムは、印象がとても薄い。 当時は、つまらん、とさえ思ったほど。 なので、ほとんど聴いてなかったし、リアルタイムで聴いたのはこのアルバムまでだった。 でも、多分、96年頃だとこの辺りの音にかなり冷めていたからという、まったく個人的なことが一番の原因だと思うのだけれど。 そして、そんな自分の冷め具合とは裏腹に、このアルバム辺りから、いや、もしかしたら95年のKidsという映画のサントラ そんなこともあり、余計に冷めてたような記憶もあるが、どうだったか。 という訳で、そんな冷めてたこのアルバムを久しぶりに。 久しぶりな割には、意外と内容を憶えていた。 で、1曲目の"On Fire"というルーの曲がいきなり、とても良い。 とても、どころではなく、かなり良い。 その他でも、ルーの楽曲の質の高さは目を見張るものがあり、かなり見直した。 一方、他のメンバーの曲について言えば、今まで通りと言えばそうだし、別に悪くはないし、リリース当時に感じていたように、つまらん、とまでは思わない。 ただ、時々登場する、思いっきりSub Popに染まったような、もっと言ってしまうとNirvanaを意識したかのような楽曲や歌い方が少々鼻につく。 別にNirvanaが嫌いだった訳ではないので、嫌というほどではないにしろ、ルーの曲の充実度との落差が大きいし、なんだか気になる。 その辺り、冷静に聴いてみると、元々メンバーがそれぞれ作曲した曲を持ち寄り、時には演奏パートを変えたり、遊びの要素も多いし、バラエティに富んだところが魅力だった訳だけれど、この頃になると成長の度合いに差が出て来たり、それぞれの方向性もはっきりし、といろいろとバランスが変わって来たのではないか、と感じる。 実際、この後ボブ・フェイは脱退していたはずだし。 以前と比べればずっと楽しめたのだけれど、バンドとして何かを失いつつあった頃なのかな、とそんなことも感じた。 そんな1枚です。 ルーに関しては、かなり見直し。 |
![]() Sebadoh Bakesale しばらくぶりにSebadohの続きでも。 これは、94年の6枚目のアルバム。 そして、個人的にはこのバンドなら、これ、というくらい好きだし、良く聴いた作品だ。 好きと言えば、"Smash Your Head On The Punk Rock" そんなこのアルバムも、昨日、今日辺りでかなり久しぶりに聴いていたのだけれど、良く聴いていた当時と変わらず、やっぱりとても良いことを再確認した。 あんまり良過ぎて、更にほとんど印象が変わらないので、あんまり書くことがないほど。 曲が良いのは言うまでもなく、ゴリッとしたベースの音にしても、ギターの音にしても、各楽器間のバランスにしても、このてのバンドとしての音作りが理想的。 チープさを保ちつつ、でもチープ過ぎず、更に仰々しくならず。 ベースが中心にちゃんと聴こえる、というのはかなりポイントが高い。 ただ、当時はこのアルバム以前とはかなり音が締まり、雰囲気がかなり変わったなと感じたのだが、改めて聴いてみると、確かに成長という意味では変わったと言えるかもしれないけれど、ちゃんと脈々と続いている物があって、当時感じていたほどの変化ではなかったのだなと今頃気付いた。 で、良い曲が多いこのアルバムだけれど、その中でも特に好きなのは先行してリリースされたEP 他にもいろいろあるが、こうした飛び抜けて良い曲がバランス良く収録されているので、平均的に良いアルバムよりも、聴く機会は自然と増える。 このアルバムに限ったことではないのだけれど。 一般的はどうなのか知らないし、全作聴いた訳ではないのだが、このアルバムが最高傑作、と思っています。 |
![]() Lou Donaldson Say It Loud! 69年のアルバム。 メンバーは、ルー・ドナルドソンのアルトの他、ブルー・ミッチェルがトランペット、ジミー・ポンダーがギター、チャールズ・イアーランド(?)がオルガン、レオ・モリスがドラム。 多分、ルー・ドナルドソンと言えば、これ、というような類いのアルバムではないと思う。 なぜ、これか、と言うと2、3ヶ月前に、いつもの、というほど通っている訳ではないけど、渋谷のジャズ喫茶で聴いて気に入ったから。 で、やっと今月になって買う気になった。 ちなみに、店で続けてかかっていたのが、ちょっと前に取り上げたアイドリス・ムハマッドの"Kabsha" このアルバムでドラムを担当しているレオ・モリスと、アイドリス・ムハマッドは同一人物であることが後で分かった。 なるほど。 1曲目がジェイムス・ブラウンの"Say It Loud ,I'm Black And I'm Proud"。 当時、物議を醸した曲だそうだが、それを敢えて取り上げた、という69年ならではの選曲のようだ。 ジェイムス・ブラウンに関して、未だちゃんと聴いたことがなく、原曲を知らないのが残念だけれど、なかなかハマっているし、メッセージがあっても変にシリアスになり過ぎないのが良い。 この後、"Summer Time"、"Caravan"と、よくよく考えてみるとなかなか思い切った選曲。 ジェイムス・ブラウン、ガーシュイン、デューク・エリントンなんて続くアルバムはそうはないのでは。 続いて"Snake Bone"という曲で、ジャズ喫茶で聴いて気に入ったのがこの曲。 改めて聴き直してみても、やはりこの曲が一番格好良い。 何となく、全体的にキレも良いし。 まず、ギターに惹かれた。 ジミー・ポンダーは初めて聴くけれど、なかなか良い演奏をしていると思う。 ただ、改めて聴いてみて、これがグラント・グリーンだったら、もっと高揚感が味わえたかも、なんてちょっと考えてしまったり...。 でも、この曲がベスト・トラックであることには変わりはない。 この曲があまりに良いので、最後の"Brother Soul"がちょっと霞んでしまって、おまけのように感じてしまうけれど、ゆったりとした良い曲だ。 多分、もっと聴き込めば印象が違ってくると思う。 そんなこのアルバム、かなり気に入っていたので、もちろん、改めて聴くのも楽しみにしていた。 で、iPodに入れ、何度か聴いてみると思っていたほどではなく、ちょっと拍子抜け。 でも、多分、スピーカーを通して聴けば印象が違うだろうなと思って、部屋で聴き直してみたら、やはり思った通りに。 こういう景気の良い感じのアルバムは、さすがに店で聴いた時のようには行かないけれど、まず、ある程度大きな音量で聴いた方が良いらしい。 ただ、やっぱり初めて聴いた時のインパクトが強く、その後そのイメージだけが大きく膨らんでしまったこともあり、そこまでではなかったかな、というのが正直なところでもある。 良いアルバムだとは思うけれど。 今朝、通勤の時にこのアルバムを聴いていて、ジェイムス・ブラウンの曲だったからなのか、久しぶりにグラント・グリーンのこれ やっぱり良かった。 |
![]() Johnny "Hammond" Smith The Stinger 65年のアルバム。 ジョニー・ハモンド・スミスという人の作品を聴くの初めてだし、良く知らないのだけれど、CD屋でこのジャケットを見かけ、何だこりゃ?と、なかなかインパクトがあったので気になっていた。 で、前回のジョージ・ブレイス これも1000円だし。 ちなみに98年プレス、その時が世界初CD化だったそうで。 このジャケットを見ると思い出されるのが、同じくプレスティッジ作品であるフレディ・マッコイのこれ このスティンガーとやらも、やはりアメリカン・コミックか何かなんだろうか。 中指の指輪からビームが出ている辺り、なかなかイカす。 思い切ったジャケット、しかも書いたのがドン・シュリッテンらしい。 で、内容の方は、フレディ・マッコイのアルバムがそうだったようにあまりジャケットとの関連性は感じられず、真っ当な(?)オルガン・ジャズに仕上がっている。 オルガンの弾きっぷりもなかなかのものだし、このアルバムで初めて知ったフロイド・スミスなる、チャーリー・クリスチャン以前のギタリストのギターも味わい深く、ヒューストン・パーソンのサックスの吹きっぷりも、無闇にドタドタしたドラムも、楽しい。 でも、これがジャケットほどに作品としてインパクトがあるかな、というとそこまでではないかも。 この頃の、こういうオルガン物の中の1枚、と言ってしまえば、そうなのかもしれない。 そんな中、3曲目の"Brother John"という曲の弾けっぷりが素晴らしく、最も楽しさが伝わってくる。 ただ、ジョージ・ブレイスのアルバムで聴いたような気がして、曲名をチェックしてしまったほど。 結局、同じ曲は1曲もなかったのだけれど、似た傾向にあるのは確かで、それならブレイスのアルバムの方がインパクトがあるし、気に入っている。 どうやら、似た傾向のアルバムを一緒に買ってしまい続けて聴いてしまったおかげで、インパクトの強い方にやや隠れてしまったような、そんなところに落ち着いているらしい。 このアルバムにとっては、ちょっとタイミングが悪かったのかもしれない。 そんな感じです。 今のところは。 |
![]() George Braith Laughing Soul 66年のアルバム。 メンバーは、ジョージ・ブレイスがサックス類、グラント・グリーンがギター、ジョン・パットンがオルガン、エディ・ダイエルがリズム・ギター、ビクター・スプロールズがベース、ベン・ディクソンがドラム、リチャード・ランドラムがコンガ。 と、書いてはみたものの、この内知っているのはグリーン、パットン、ディクソンのみ、リーダーであるブレイスについては聴くのが初めてであることはもちろん、グラント・グリーンが参加していなければ聴かないままに終わっていたかもしれない。 そんなこのアルバムは、例の在庫処分1000円シリーズの1枚。 グラント・グリーンの名前があったので買ってみようかなと思っていたところ、rollins1581さんがここのコメント欄にリンクを貼って下さったのをきっかけに「珍ジャケ」の1枚としてインプットされた。 それまでそれほど気にしていなかったのだけれど、よくよく見るとサックスを2本腰に差してポーズをとっている図は明らかにおかしい。 良くジャケットにしたなと感心する。 ちなみにこれは98年プレスで、この時日本初登場だったそうで。 という訳で、聴いてみた。 最初、あまりの脳天気振りに、楽しいけどちょっとやり過ぎかな、と感じた。 でも、何度か聴いているうちに単純に楽しくなってしまっている。 全曲、とても親しみやすいメロディー。 まず、メンバーを良くチェックせずに聴いていたので、オルガンがパットンだとは気付かなかった。 高い音域中心に弾いていて、サム・レイザー そのくらい、雰囲気が違った。 で、ブレイスさん、腰にサックスを2本差してアピールしているくらいなので、ローランド・カークのように2本同時にサックスを2本同時に吹くのがトレード・マークらしい。 てっきり曲芸的なものなのかなと思ったら、全然そんなことはなくて、的確に、効果的に使っているし、独特な響きが意外と気持ち良い。 そして、グラントさん。 今回、主役であるサックスの親しみやすいメロディーが思いのほか気に入ってしまったので、まだそれほど耳が行っていないのだけれど、いつも通り、とても気持ち良さそうに弾いている感じだ。 雰囲気としては、"Latin Bit" でも、アルバム自体、輪をかけて脳天気なので、また面白い。 ジョージ・ブレイスは、このアルバム以前、ブルーノートに3枚アルバムを残しているようだけれど、そのどれもにグラント・グリーンが参加している模様。 プレスティッジに移ってからもこうして参加しているくらいだから、よほど相性が良かったのだろうか。 ブルーノート時代の作品については、またその内に。 ジャケットに騙されてはダメな1枚でした。 |
![]() Dave Holland Quintet Jumpin' In 前回に続き、今度は84年のアルバムを。 このアルバムは、前回の"Overtime" でも、正直言うと今ひとつ良さが分からず、何度か挑戦するもその度に挫けて来た。 もちろん、ホランドのベースは格好良いし、オッ、っと思うところもあったことはあったのだけれど。 で、つい先日、iPodでシャッフルさせて聴いていたらこのアルバムの中の曲が流れ、前とは少し印象が変わっていたので、今なら大丈夫なんじゃないか、と機会をうかがっていたところ。 そして、思った通り、分かった、なんて偉そうなことは言うつもりはないが、少なくとも前よりは仲良くなったかな、と思う。 Big Bandの時と同様、ホーンによるアンサンブルが中心で、編成が異なるものの基本的な路線は同じであることに今更ながらに気付いた。 たった2枚のアルバムを聴いただけで判断することはできないけれど、自身の作品ではホーンを中心とし、作曲面に力を入れた作品が多いのだろうか。 このアルバムで「ミンガスに捧ぐ」とクレジットされているくらいだし。 ただ、少なくとも、このアルバムはもう23年も前の作品で、"Overtime"とも20年以上も隔たりがあるにも関わらず、通じるものがあると言うことは実現したい音がはっきりしていたということなのだと思う。 このアルバムではクインテットなので、"Overtime"の半分以下の人数による演奏なのだけれど、重量感の面では引けを取らない。 その上、人数の少なさによる身軽さのため、より難解な演奏になっているように感じる。 多分、今まで入り込めなかったのはこの難解さのせいだったのかもしれない。 ただ、難解とはいってもほんのちょっとの差だし、むしろ、"Overtime"において、あの人数であれだけ複雑なことをやっているのが凄かったりもするのだけれど。 他に聴いているのが"Overtime"だけ(しつこいか)なので、比較の対象が他になく、たいしたことが書けませんが、それはこの先、他の作品を聴いてのお楽しみ、ということに。 ホーンが派手なやつが聴きたい時や、難しいのを聴いて混乱したい時にはちょうどいい1枚です。 |
![]() Dave Holland Big Band Overtime 2月にOrquesta Nudge! Nudge!を見て以来、大編成によるアンサンブルというのもなかなか良いものだな、と思っていて、久しぶりに聴いてみたのがこのアルバム。 当然、Nudge!とは音楽性もまったく違うし、関連性と言えば、人数が多い、ということだけなのだけれど。 そんなこのアルバムは、2005年リリース。 改めてクレジットを見てみたら、レコーディングは2002年、ミックスが2004年とリリースまでには時間が掛けられた、もしくは掛かった模様。 メンバーは、デイヴ・ホランドの他、人数が多い上、名前を見てもクリス・ポッターくらいしか知らないので省略。 で、これはリリースされたばかりの頃、mikionさんに教えてもらったのが最初。 Big Bandと名乗るくらいなので、その名の通りのホーンを中心とした総勢13名にもなる編成にも関わらず、スウィングとも違ったグルーヴ感が凄くて一聴して気に入ってしまった。 巨体なのに動きが素早いような感じ。 で、そういった現代風(?)なグルーヴと、旧来のスウィング・ジャズ的なアンサンブルが見事に結び付いているなと改めて感じた。 ベーシストでビッグ・バンドと言えば、思い出されるのはミンガスだけれど、きっとそう言うことも頭にあるのだろうな、と思う。 もうちょっと話題になっても良いんじゃないか、またはそうなって欲しいと思っているほど良いアルバムだが、知る限りそんな気配はまったくなく。 ここのところ、不思議なことにマイルスに関わった人を生で見る機会が続いた(こことこことここ)訳だけれど、実は一番生で見たいのがデイヴ・ホランド。 そして、できることなら、このビッグ・バンド。 それが無理ならクインテットでも良いし、誰か別の人と一緒でも良いのだけれど。 とにかく、一度で良いから見てみたい。 でも、その割にはリーダー作はこれともう1枚 ボチボチ行きます。 そして、来日希望。 |
![]() 芳垣安洋×ナスノミツル 05/18/07 No Trunks - Kunitachi, Tokyo, Japan Orquesta Nudge! Nudge!に続き、お耳直しの第2弾(?)のため、国立にあるNo Trunksという初めて行く店へ。 今回は、Altered Statesからギターの内橋さんを除いたドラム×ベースのデュオ、という面白そうな内容。 このお二人だけでライブをやるというのも初の試みだったそうで。 中に入ってみると、普段はジャズ・バーということで、狭いながらもこぎれいで、大きなスピーカーから音楽が流れていた。 で、入口のすぐそばにドラムセットとでかいベース・アンプが強引と言っても良いくらいにセッティングされている。 そんなジャズ一色な感じの店内で、カウンターのレジのところの壁にはなぜかダニエル・ジョンストンの映画 ちょっと不思議。 で、ライブの方は8時を10分ほど過ぎた辺りでスタート。 最初、ベースはエフェクターを駆使し、ドラムは弓でシンバルをこすり、という静かな展開で始まり、その音に混じって何かが軋む音が聴こえるので、何の音だろうと思ったら、ナスノさんのボリューム・ペダルか何かのペダルの軋む音。 その他、エフェクターを踏む音まではっきりと聴き取れるほど、近い。 ファースト・セットが、1曲と言っていいのか分からないけど、約20分、約30分という区切りで2曲、30分の休憩を挟み、セカンド・セットが、約50分ぶっ通しで1曲、アンコールが約10分という内容、だったと思う。 Altered Statesからギターを抜くとこうなるのかと興味深いところや、それだけでは分からないようなところなど、様々。 やはり音を探るようにいろいろなフレーズを繰り出してくるベースとこの人の手足4本は一体どうなっているんだろうというドラムの絡み合いはスリリング。 Altered Statesの時の緊張感とは少し違うのだけれど、それは会場がライブハウスではなかったせいかもしれない。 とにかく、どちらかが何かを仕掛けたときの反応の素早さというのが素晴らしく、例えば、今までスピーカーを通して何となく聴いていたものをヘッドフォンで細かいところまでじっくり聴いたような、そんな面白さだった。 ただ、曲間にナスノさんが言っていた通り、持ち込んだベースアンプの出力が大き過ぎて音量の調整がうまく行かず、聴いていてもう少しベースの音が大きければ良いのにな、と思うところもあった。 ややドラムとのバランスは悪かったように思う。 もう少し小さい出力のアンプを使って大きめな音を出せればちょうど良かったのかも。 そこだけ、ちょっと残念。 それと、演奏とともに面白かったのが、MC、というより演奏前の立ち話。 Altered States結成秘話(?)とか、普段のライブでは聞けない話が。 それもまた、こういう小規模なライブの面白いところだ。 8月には再びこの芳垣さん企画があるそうなので、可能なら行ってみたいと思う。 2日前のNudge!のライブでは、MSMWの時ほどではないにしろ、演奏の内容とは関係のないところで不快なこともあったので、やっとお耳直しができた、そんなライブでした。 |
![]() Orquesta Nudge! Nudge! 05/16/07 Super Deluxe - Nishiazabu, Tokyo, Japan 2月の浅草以来、2度目となる打楽器集団Orquesta Nudge! Nudge!のライブを見に、初めて行くSuper Deluxeなるライブ・ハウスへ。 その浅草のライブの時、次回はちょっと違ったアンビエントな感じで、と芳垣さんが言っていたので、どんな感じになるのかとても興味があった。 それと先週のMSMWがあんな感じだった(まだ言ってる)ので、お耳直しに。 という訳で、開場時間の7時ちょっと過ぎに中へ入ると浅草の時と同じく、様々な打楽器達が円形に配置されて、浅草の時よりは少ないけれど、その周りに座席が配置されている。 今回も、やはり席選びが難しかった。 で、開演予定の7時半から15~20分くらい過ぎた頃、前回同様、メンバーが思い思いに鈴を鳴らしながら登場し、少しずつ配置に。 総勢9名、多分前回と同じメンバー。 ファースト・セットは、記憶が正しければ、20分、20分、10分、20分の4曲だったと思う。 そして、3曲目が新曲という意外は、多分前回にも演奏された曲。 やはり大人数による演奏は迫力があり、圧倒されたり、うねりの中に意識を吸い込まれそうになったり、といった気持ち良さがある。 でも、雰囲気は前回とほとんど同じで、アンビエントはどこへ? そうか、多分、セカンド・セットがそうなるのか、と15分ほどの休憩へ。 そして、セカンド・セット。 最初こそ、静かな感じだったので、もしかしたら?と思ったのも束の間で、みるみる内に元に戻り、気付けばやはり前回と同じ雰囲気、これまた記憶が正しければ前回にも演奏されたと思われる曲ばかりだった。 かといって、もちろんつまらない訳ではなく、凄かった前回のライブを反芻するように楽しんだのだけれど。 セット終わりの、儀式的、呪術的な怪しい雰囲気の曲、さすがに2回目とあって見てはいけないものを見てしまったような感じは薄れていたけれど、最後にふさわしい大迫力な演奏だった。 ただし、セカンドが始まる頃から、座席の前の空間に人が立ち始め、演奏の様子があまり見えなかったのが残念。 どこでどんな音を出しているのかという視覚的な要素もかなり重要なので。 でも、人の迷惑を顧みず、楽しそうに体を揺らしている連中の後ろ姿はなかなか滑稽ではありましたがね。 で、アンコール、これまた前回同様、「屋上の飛行機凧」。 やはり音階の異なる音叉のような楽器をそれぞれ持ち、順番に音を出していた。 この曲こそ、まさにアンビエントな感じなので、今回はこうした曲が中心になるのかと思っていた。 でも、フタを開けれてみれば、2回目なのでいつも通りなのかまでは分からないものの、前回とほぼ同内容。 その辺りは、芳垣さんもそう言っていたけれど。 そう言えば、このアンコールにやった曲は、記憶が正しければ(こればっかりですが)、3月のフライング・ティーポットでもやっていたはず。 その時は、高良さんのヴィブラフォンがとても印象的だった。 高良さん作曲による曲なのだろうか。 そんな気がする。 という訳で、予想とは違ったものの、やはり今回も面白く、堪能。 果たして、来月のピット・インでのライブはどうなるのだろう。 さすがに円形の配置はなさそうだけど。 客がいるところなくなっちゃうし。 期待大。 |
![]() Sebadoh 4 Song CD 順番通りに、ということなら次はBakesale リリースは"Bakesale"と同じ94年だが、このEPが先だったと思う。 Sebadohに関してはシングルまでチェックしていなくて、唯一持っているのがこれ。 で、このEP、"4 Song"って言うくらいだから4曲入りなのかと思ったら10曲入り。 その内"Rebound"、"Not A Friend"、"Careful"、"Mystery Man"の4曲は、アルバム"Bakesale"にも収録されている。 だから、"4 Song"なのか。 でも、今気付いたのだが、"4 Songs"じゃないのはなぜなのか。 多分、たいして意味はないのだろうけど。 残りの6曲はと言うと、コラージュのような実験的な曲だったり、インストだったり、曲らしい曲は少なく、アルバムに収録されている4曲のうちルーの弾き語りによる2曲はともかくも、"Rebound"と"Careful"のバンドとしてまとまった感じの曲が浮いてしまうほど。 でも、突然現われるこの異質な2曲がとても良くて、これ以前とはちょっと違う、一本筋が通ったような印象を受けたことを思い出す。 そして、この2曲だけではなく、ルーの弾き語りもなかなか良いし、トータルで約23分ほどと言う長さのためか、ちょっと何か聴きたい、なんて時によく聴いていたような憶えがある。 "Bakesale"にも収録されている"Rebound"という曲がとても好きで、かなり久しぶりに聴いたのだが、やっぱり良い曲だ。 でも、これはまた、改めて。 で、"4 Song"というタイトルと同様に今気付いたのだけれど、6曲目が"Naima"という曲だった。 サックスの音も入っているし、もしかして? でも、作曲に関するクレジットがなく、不明。 そんなインチキ臭さも残しつつ、なんだか一段成長したような、そんな印象を持った1枚でした。 |
![]() Houston Person Personality サックス奏者ヒューストン・パーソンの73年のライブと74年と75年(たぶん)にレコーディングされた曲を集めたコンピレーションらしい。 73年の方はワッツ・クラブ・モザンビークでのライブを収録した"The Real Thing"という現在入手困難となっているアルバムからの曲らしいのだけれど、曲目をチェックしてみたら一致しないので、ちょっとどうなっているのかよく分からない。 ただ、少なくともこのアルバムの中でグラント・グリーンが参加している2曲"Pain"と"Easy Walker"は、間違いなくその"The Real Thing"に収録されていたものだ。 で、そんなこのアルバムがリリースされたのはクレジットによれば93年らしいのだが、これも既に普通には流通していない模様。 でも、人気がないのか、中古盤が安かったので購入してみた。 もちろん、目当てはグラント・グリーン参加の2曲。 73年が6曲、74年と75年合わせて6曲と、区切るならばちょうど半分ずつ収録されている。 でも、74年、75年の方はスタジオ録音のためか、変わりつつあった時代の音作りといった感じで個人的には少々微妙なところ。 特にドラムの音に顕著だ。 でも、例えばヴォーカル入りのゴスペル調の曲なんかはなかなか良いし、聴けないほどひどいという訳ではなく。 ただ、やっぱりこの辺のアルバムが1枚あったとして、買って聴くかと言うと多分それはないかな、とそんな感じか。 で、やっぱり聴いていて楽しいのは73年のライブ。 グラント・グリーンが参加してる曲だけでなく、それ以外の曲もかなり良い雰囲気だ。 もう1人のギタリスト、ロバート・ロウ(?)なる人物のギターも気持ちが良いし、エタ・ジョーンズ等が参加したヴォーカル曲も素晴らしく、この日のライブの充実度が伝わってくる。 グラントさんが参加していない曲で特に印象に残ったのは、アルバム1曲目の"Kittetian Carnival"とスティーヴィー・ワンダーの曲である"You Are The Sunshine Of My Life"あたりか。 そして、お目当てのグラントさん参加の2曲。 まず、"Pain"。 これが凄く格好良い。 アルバム中、目玉となる曲かも。 シンプルなリフが繰り返され、代わる代わるソロを取って行くスタイルだが、グラント・グリーンのソロはもちろん、ロバート・ロウのバッキングの切れ味が気持ち良いことこの上ない約14分間。 グラント・グリーンの70年代のライブ盤が好きなら間違いなく気に入る曲。 もう1曲の"Easy Walker"はと言うと、60年代に戻ったかのようなオルガン・ジャズ風で、多分、この頃としては珍しく、ジャズ寄りなギターが楽しめる。 この曲も聴きどころであることは確か。 目当てだった曲がどちらも良かったので、大変嬉しい。 で、この日のライブ、ジャック・マクダフも曲によっては参加していたそうなのだが、残念ながらこのアルバムにはそれらの曲は収録されていない。 93年にリリースというこのアルバム 71年のライブ という訳で、グラント・グリーンの参加は少ないけれど、いろいろと発見のあったアルバムでした。 気付いてみれば、主役であるはずのヒューストン・パーソンについては何も触れてなかったけれど。 |
![]() Rickie Lee Jones Pop Pop 金曜のライブの嫌な気分を払拭するために、という訳でもないのだけれど、こんなアルバムを久々に聴いてみた。 91年のスタンダードなどを取り上げたアルバム。 当時、後の自分の音楽の趣味にかなり影響を与えたある友人とCD屋へ訪れた時、このアルバムを買っていた。 その頃の自分と言えば、ジャズもよく分からなかったし、ポップスの類い、それもこういう女性ヴォーカリストとなるとまったく興味なし、という感じだったのだけれど、なぜだったか忘れたが、後になってその友人から借りて聴いてみたのが最初だった。 で、これがまた、自分でもよく分からないのだけれど、もの凄くこのアルバムを気に入ってしまい、友人に借りている間、愛聴していた憶えがある。 と言いながら、実は未だに自分では持っていなくて、これも借り物。 そして、久々に聴いてみて、やはりとても素晴らしいのでしみじみとしているところ。 まず、声とちょっと独特な歌い方だろうか。 このアルバムを最初に聴いた頃に比べ、最近ではジャズを良く聴くようになったので、また違った感じで聴こえたりもする。 クレジットを確認してみると半分くらいの曲でチャーリー・ヘイデンがベースを弾いていたり、ジョー・ヘンダーソンが1曲参加していたり、あの頃まったく知らなかったことが分かり、それもまた面白い。 そして、ほぼ全曲でギターを弾いているロベン・フォード。 名前だけどこかで聞いたことがある、とその程度しか知らない人だけれど、なかなか良い雰囲気で、かなりの貢献度。 ただ、ジャズを聴くようになったとは言え、まだヴォーカルものにはほとんど手を出してないので、ジャズ・ヴォーカルとしてどうなのかよく分からないし、他と比べることもできない。 なので、そういう角度からこのアルバムがどういう評価を受けているのか、ちょっと興味があったりもするが、少なくとも、そんなことを気にせずとも楽しめる、なかなかの名盤ではないかと思う。 どうでしょう。 そんな具合に、このアルバムが気に入ったので、以前にこの人のファースト・アルバム なので、この人の他の作品については、興味がないこともないのだけれど、ちょっと怖いので手が出せずにおります。 |
![]() Medeski Scofield Martin & Wood 05/11/07 O-East - Shibuya, Tokyo, Japan MMWは、今までにもその気になれば見ることは可能だったのだけれど、その度にチャンスを逃して来ていて、生で見たいとずっと思っていたので、ようやく念願叶った。 今回は、ジョン・スコフィールドが加わった4人編成なので、まあ実を言えば3人だけのライブをまず見たかったのだけれど、スコフィールドに興味がまったくない訳ではないし、贅沢は言ってられないし、という訳で。 7時開場、8時半開演予定と言うことだったので、あんまり早く行ってもしょうがないかなとも思ったのだが、行ったら行ったで誰かしら友人がいるだろうから退屈することもないだろうと7時ちょっと過ぎくらいに行ってみた。 で、予想通り、無意味にでかい音で音楽が流れていて、ちょっと鬱陶しい。 片方のスピーカーからだけ音楽を流したりしていたから、もしかしてPAのチェックでも兼ねてたのだろうか。 もし、そうだとすればそんなこと、客入れる前に済ませとけ、と思う。 けど、それも推測でしかないので、何とも言えないけれど、少なくともあそこまで大きな音にする必要性はあまり感じない。 で、8時半の開演予定が30分ほど押し、9時頃、ようやく演奏開始となる。 この時点で既に、最後まで見ることができるのかどうか、ちょっと不安に。 キース・ジャレットのライブと重なっていたので見ることができなかった前日のライブでは、肩ならし的、スコフィールド弾きまくりな感じだったそうなので、果たしてどうかなと思ったのだけれど、始まってみると思っていたよりも4人のバランスが良い感じ。 もちろん、スコフィールドを立てる場面というのはあったけれど、アルバム 聴きたかった曲もやってくれたし、かなり楽しめた。 と言いたいところなのだが...。 ちょっと客が多過ぎて、自分がいた位置も悪かったのだけれど、人の移動が多く、音にあまり集中できず、という残念な結果に。 随所で凄いことやっているのは確認できたが、ただそれだけに終わってしまった約1時間ほどのファースト・セット。 で、30分ほどの休憩を挟み、10時半頃始まったセカンド・セット。 ファーストの時に比べ、周りに人が少なかったのでここからやっと音に集中できた。 特に2曲目、ベース・ランニングから入ったインプロ、そしてちょっとレゲエっぽい展開への流れが凄い。 今回、最も印象に残ったのがベースで、とくにアップライトが良い。 スコフィールドさんも活き活きと楽しそうにギターを弾いている。 これは凄い。 と言いたいところなのだが、リプライズ。 実はセカンドが2/3も終わろうかというところでちょっとしたことがあり、再び集中力が途切れる。 ここからは終始胸くそ悪く、集中力の無さはファーストの時以上、ステージでは凄い演奏が繰り広げられているにも関わらず、ほとんど音が耳に入ってこない状態に。 詳しくは書かないけれど、「それは俺のじゃないし、今頃言うな」とだけ言っておきます。 で、アンコール含め、ライブが終わったのが日付も変わって12時10分頃。 一応、なんとか最後までは見ることができたものの、実質心から楽しめたのがセカンドの最初の3~40分のみといったところで、演奏とはまったく関係のないところで嫌な印象の残るライブとなってしまった。 非常に残念。 一応、演奏の印象を憶えている限りで言うと、メデスキ&マーティンの2人に関しては、自分の集中力のなさのおかげで、残念ながら凄さを垣間見た程度に終わってしまった。 そんな訳で、前述の通り、ベースが最も印象的だった。 スコフィールドのギターは、と言うと、確かに凄いとは思うのだけれど、思っていたよりもロック的だったそのギターも、その割にはグイッと迫ってくる訳でもなく、どこかに連れて行ってくれる訳でもなく、今後この人のギターを積極的に聴きたいか、と言うとどうだろう。 自分にとっては、そんなタイプのギタリストだった。 別に聴いていて嫌だとか、苦手だとか、そう言うことではないんだけれど。 最後に、これも演奏とは関係のないことになってしまうのが残念でならないのだけれど、ドリンク代を入れて8000円と言う高い入場料を取っておきながら、客を最後まで見るかどうかを選択せざるを得ない状況に追い込むようなやり方というのはどうかと思う。 つまんなくて途中で帰る、となると、それはもちろん客自身の判断になる訳だけれど、そう言うのとはちょっと違うし。 自分に降り掛かった細々とした不満な点よりも何よりも、そこが一番引っかかった。 MMWは好きだし、またみたいとは思うけれど、次回もこんな感じなら、行くかどうかはちょっと考えてしまう。 ライブが見たいのであって、イベントに参加したい訳ではないから。 |
![]() Keith Jarrett Trio 05/10/07 Tokyo Kouseinenkin Hall - Shinjuku, Tokyo, Japan 来日の発表も、チケットの売り出しも随分と早く、張り切ってチケットを買ってはみたものの、どうも以前ほどキース・ジャレットに対する気分が盛り上がらず、結局、このトリオの一連の作品を聴いたことがないまま、当日を迎え、かなり久しぶりに厚生年金会館へ。 最後に行ったのは、何のライブだったか忘れたが、少なくとも15年以上前だ。 なので、それがちょっと楽しみでもあったりして。 今回は、言うまでもなく、キース・ジャレットとジャック・デジョネットという、先月のロン・カーターに続き、マイルスとともに演奏をしていた人達を含むライブ。 という訳で、マイルス・バンド卒業生を見に行こう第2弾でもあり。 で、懐かしい厚生年金会館。 席は、会場の前から2/3くらいの位置、ステージ右側のドラムセット寄りのところ。 かなり壁に近い方なのだけれど、キースに対する期待が前述の通りで、実は今回のライブを見に行くモチベーションの大部分がデジョネットだったので、悪くはない。 定刻をちょっと過ぎた当りで、3人が登場。 ファースト・セット約1時間、20分ほどの休憩を挟んでセカンド・セットも確か約1時間、そしてアンコール2曲、という内容だった。 全体的には、じっくりと聴かせるような感じが多く、演奏は円熟したとても素晴らしいものだったように思う。 前回の来日時には補聴器のようなものをしていて、かなり耳の調子が悪そうだと、ある方から聞いていたゲイリー・ピーコックだけれど、演奏の方はまだ全然問題なさそうで、記憶が正しければ、ほぼ毎曲にベース・ソロが含まれ、さすがにちょっと多すぎるのでは、とベースという楽器が好きな自分でさえ思うほど。 最も注目していたデジョネットさんはと言うと、曲の雰囲気、ピアノの雰囲気に合わせ、抑えめな演奏が多かった。 もちろん、随所に素晴らしい技が盛り込まれているのだけれど、もっとガッツンガッツン来るような展開を大いに期待していたので、少し物足りなさを感じたのは確か。 また、機会があるなら、ちょっと違った形での演奏を見てみたいなと強く思ったが、そんな日はやってくるのでしょうか。 ところで、キースさん。 この日はトリオだし、さすがにあのうなり声もあまり聴こえてこないだろう、と想像していたけれど、そんなことはまったくなく、調子が良かったのか、良く聴こえてきた。 やはり、あの一音一音に対する集中の仕方というのは凄いなと思う。 ただ、何となく、過剰に勿体つけ過ぎのような所があって、もしかするとキース嫌いの人にとってはこういうところが嫌なのかな、とふと思ったりもした。 で、特に印象に残ったのは2つのセットのそれぞれ最後の曲。 まず、ファーストのセロニアス・モンクの曲、"Straight, No Chaser"の斬新なアレンジ。 多分、アルバムを聴いてないので自分が知らないだけなのだけれど、キースとモンクってあまり結びつかなかったので、ちょっと新鮮でもあり。 そして、セカンド、しかもこの日のハイライトだったと思われる"My Funny Valentine"。 その場では、この曲とは気付かず、後で調べて知ったのだが。 演奏の始まる前、デジョネットがキースに耳打ちをしてステージを去り(トイレ?)、しばらくドラム不在のままのピアノ・ソロから、この曲へなだれ込み、ベース・ソロを経てインプロへ。 このベース・ソロからインプロへの展開がとりわけ素晴らしく、気付くとピアノのミニマルなフレーズの繰り返しに持ってかれていた。 ただし、この終わりの辺りで、近くから誰かのいびきが聴こえて来て気を削がれたのが残念でならない。 で、わりと冷静に見ていただけれど、終わってみると、まあ見に行って良かったかな、と思っている。 いびきとタイミングの悪い拍手だけは勘弁だったが。 改めてこの日の演奏をじっくりと聴き返えすことが叶うなら、もっと印象が変わりそうな気がしている。 もちろん、良い方に。 それとは別に、単純に"My Funny Valentine"は聴き直してみたいのだけれど。 CD化とか、ないでしょうか。 そして、この次の日、マイルス・バンド卒業生を見に行こう第3弾、ジョン・スコフィールド編となる訳ですが、また、改めて。 |
![]() Sebadoh Bubble & Scrape 93年の5枚目のアルバム。 前作"Smash Your Head On The Punk Rock" でも、このアルバム、たしか友人は絶賛していたような憶えがあるが、個人的にはあまり聴いていない。 好きな曲もあったけれど、何度聴いても途中で飽きてしまい、入り込むことができないまま、いつの間にか聴かなくなっていた。 そんな訳で、"Smash~"以上に久々に。 今思うにこのアルバムがあまり気に入らなかったのは、多分、"Smash~"を先に聴いて、そのバラエティに富んだ楽曲達の振幅の激しさを気に入っていたし、そこにこのバンドらしさを感じてもいたので、このアルバムでは妙にまとまってしまったように感じたからだ。 まあ、ひとつのアルバムとして作られたものだから、それも当然なことではあるのだけれど、もうちょっと破綻が欲しかったのだと思う。 でも、注意を凝らして聴くと(というよりクレジットを確認しながら聴くと?)、それぞれの曲に各メンバーの特徴が出ているし、なかなか面白いことに今頃気付いた。 なかなか面白いどころか、かなり良いのでは、とさえ。 中には思いっきりSonic Youthな、微笑ましい感じの曲が2、3あったりもするけれど、そんなところ込みで。 特にルー・バーロウは良いメロディを作るなと再確認した。 そんな感じに今更ながら見直したこのアルバムだが、当時あまり聴いていなかったわりには個々の曲については意外と憶えていて、考えていたよりも印象には残っていたのかな、と思う。 さすがに毎日繰り返し聴くほどはまりはしないだろうけど、たまに聴いてみると良いかもしれないな、というそんな1枚。 |
![]() Medeski Scofield Martin & Wood Out Louder 昨年9月にリリースされた最新作。 MMWの3人とジョン・スコフィールドの共演。 来日も目前に迫っているので、予習のために。 でも、本当は別に敢えて聴かなくてもいいかなとも思ったのだけれど、ギリギリになってリリースされた国内盤にはライブを収録した盤が付いた2枚組だったので、迷いに迷って、何となく。 この組み合わせでは、スコフィールドのアルバムに"A Go Go" それどころか、スコフィールドの他の作品だけなく、実はマイルスのバンド在籍時の作品もまだ聴いたことがないので、どんなギターを弾く人なのか知らないままだった。 恥ずかしながら。 でも、今度のライブもどちらかと言えばMMWが目当てなので良いんです。 そんな具合なので、この組み合わせによるこのアルバムが、以前の共演作やスコフィールドの他の作品と比べてどうなのか、まったく分からない。 それにMMWの作品しか聴いたことのない自分には、「MMWにギターが加わった」ように聴こえるので、比較的MMW寄りな音のような気がする。 でも、取って付けたような感じではなく、今回、MSMWと名乗っている通り、最初からこういうグループであったかのようで特に違和感もないし、予想通りの音と言えばそうなのだけれど、予想以上に楽しめてもいる。 収録曲1曲あたりの時間が短めなので、物足りなさも感じるけれど、反面、すっきりと聴きやすくなっているように思うが、この辺りは好みか。 それと、10曲目のBeatlesの曲"Julia"、これもまた好みの分かれそうなアレンジだが、個人的にはわりと良い雰囲気だと思う。 なので、この曲がアルバムの終わりっぽくて、残り2曲がボーナス・トラックのように聴こえてしまうのが不満というほどではないけれど、少し気になった。 多分、そのうち気にならなくなるだろうとは思うが。 一方、ライブ・ディスクの方はと言うと、こっちの方がより自然に聴こえる。 長い演奏時間の中での大きなうねりだとか、刻一刻と表情を変えて行くところなどが凄いなと思っているので、やっぱりライブの方が面白いかな、とちょっと思う。 今のところの印象では、本編も気に入ってはいるのだけれど、何となくそんなに深くはまらない気がしていて、どちらかと言えば今後こっちのライブ・ディスクの方を聴く機会の方が増えそうな、そんな気がしている。 どうだろう。 いずれにしろ、金曜日のライブに期待。 初MMW。 と、初スコフィールドさん。 |
![]() Jack Mcduff Goodnight, It's Time To Go 61年、ジャック・マクダフの4枚目のリーダー作。 メンバーは、ハロルド・ヴィックがテナー、グラント・グリーンがギター、ジョセフ・トーマスがドラムで、このレギュラー・グループとしての録音はこれが初だそうだ。 ライナーからの受け売り。 で、このアルバムは、例の1000円売り切りシリーズの1枚で、93年プレスのもの。 "The Honeydripper" "The Honeydripper"ほどドバーッと大放出ではないので、最初に聴いた時には落ち着いた印象を持ったのだけれど、あくまでも"Honey~"と比べれば、というだけで決して地味な作品ではない。 また、ソウルフルであることは確かだけれど、65年の"Hot Berbeque" "Hot~"とは4年もの差があるので比べるのもどうかとは思うが、オルガンものの変遷がチラッと垣間見れる気がする。 全体としては、このアルバムならこれだ!といった売りがあるような作品ではないと思うけれど、安心して楽しめる良い作品だと思う。 で、グラント・グリーンのギターは、やはりリーダー作ではないのでソロは決して多いとは言えないけれど、ソロに、バッキングにと大活躍している。 何度か聴いてみたところ、結構バッキングが印象的だった。 それも特にサックスとのユニゾンや、スピード感のある曲での演奏。 この頃、ブルーノートにもたくさんリーダー作を録音していた時期だが、それだけではなくて、こうしたサイドマンとして参加した作品、特に非ブルーノート作品も聴いてみなければなと再確認した。 という訳で、"The Honey~"の時にも書いたのだけれど、ジャック・マクダフの作品にグラント・グリーンが参加したアルバムがもう1枚、"Steppin' Out"というのがあるが、こっちはやっぱりCD化されていないらしい。 その上、この"Goodnight~"とカップリングされた"Legends Of Acid Jazz" 気長に探してみるしかないようだけれど、でも、グラント・グリーンが参加しているのは"Godiva Brown"という1曲のみのようなので、ちょっと迷う。 "Steppin' Out"として再発されるのが一番嬉しいが、可能性は低そう...。 |
![]() Sebadoh Smash Your Head On The Punk Rock Dinosaur Jr.関連が一通り済んだ(?)ところで、今度はルー・バーロウ関連を。 92年にリリースされた、一応、4枚目のアルバムらしい。 Sub Popからのリリース第1弾。 一応、というのは、純粋なアルバムではなく、シングルの寄せ集めだったような記憶があったので、改めて調べてみたらやっぱりそうだった。 このバンドの作品で最初に聴いたのがこれ。 Dinoaur Jr.ほど熱心に追いかけていた訳ではなくて、聴いたことのない作品もあるのだけれど、そんな中でも1、2番目くらいに好きだったアルバムでもある。 で、かなり久しぶりに聴いてみたのだけれど、やっぱり良い。 タイトル通り、パンク度の高い曲が多いが、バカっぽい曲の直後にはシリアスでメロディアスな曲が、そして再びバカっぽい曲で雰囲気をぶち壊し、時には1曲の中にそういった要素が混在したり、フォークやら何やらメンバーそれぞれのいろいろなルーツがごちゃ混ぜになった感じ。 コンピレーションということもあるし、メンバー全員が作曲するのでかなりバラエティーに富んだ印象がある。 でも、バラバラっぽいところがこのバンドを特徴付けてもいるし、これ以降、こういう感じのアルバムはないので、結構重要なアルバムじゃないかと思っている。 アルバム中、カヴァーが2曲収録されているのだが、その内の1曲がニック・ドレイクの"Pink Moon"。 個人的にはニック・ドレイクの曲に接したのがこのアルバムだった。 と言っても、原曲とは大きくかけ離れた、おそらくニック・ドレイクのファンの中でこの手の音には興味のない人が聴いたら怒りそうなアレンジ。 かくいう自分もこのカヴァーを聴いてニック・ドレイクに興味を持った訳ではなくて、同じ時期にどちらも興味を持ち、たまたまこちらを先に聴いたというだけなのだけれど。 でも、一応、ニック・ドレイクのアルバムを買うきっかけになったと言えば、そうなのかもしれない。 もちろん、原曲の方がはるかに好きだが、別の曲と考えてもいいほどかけ離れたものだし、こっちはこっちでバカバカしくていいかな、という感じだ。 ちなみにもう1曲のカヴァーは、デヴィッド・クロスビーの"Everybody's Been Burned"。 こちらは、残念ながら原曲は聴いたことがないのだけれど、おそらく、そのまま自分たち音に置き換えただけで雰囲気は壊してないのではないかと思う。 なかなか良くて、以前も好きだったし、今回、改めて良い曲だなと再確認した。 という訳で、久々に聴いてもかなり面白かったので、これに気を良くして、多分たまに登場すると思います。 最近、Sebadohとして活動も再開し、そのためか持っていない初期のアルバムもボチボチ再発されてもいるようだし、この勢いで手を出してしまいそうな気が...。 |
![]() Dinosaur Jr. Zombie Worm 昨年の単独来日(こことここ)の来日記念盤としてリリースされたベスト・アルバム。 オリジナル・メンバー時代の曲からのみの選曲、プラス再結成後のライブから2曲、限定盤として4曲のプロモーション・ビデオを収録したDVD付き、という内容。 アルバムのタイトルと選曲にはJマスキスも関わっている模様。 適当に付けたっぽいタイトルが非常に「らしい」感じ。 このアルバム、限定、ということで一応リリース時に買ってはいたのだけれど、DVDの方を一度見たきり、CDの方は今日まで一度も聴いていなかった。 買ったことを忘れていた訳ではないが、新曲や未発表曲が含まれている訳でもないので、改めてベストを聴こう、という気にならなかっただけ。 で、Dinosaur Jr.関連も持っているのは一通り取り上げたかな、というところでようやく聴いてみる気になった。 元々ベスト盤というものにあまり惹かれたことがないので、わりと冷めているのだけれど、選曲の方は、まあ、こんな感じだろうと思う。 特別感銘を受ける訳でもなく、かといって不満がある訳でもなく、たまには聴き慣れた曲をこういう曲順で聴いてみるのも面白いかも、という感じか。 初期の3枚を聴いたことのない新しめのファンにはライブの予習用にちょうど良いと思うし、多分、そういう趣旨でもあったのだと思う。 なので、個人的な目玉はライブ2曲とDVDということになる。 でも、DVDの方は最初に見たきりで、今回、改めて見直すということもわざわざしなかった。 初期の、チープではあるけれど貴重な映像なので面白くはあったけれど、そう何度も見返すような物でもなく、それ以上にプロモーション・ビデオというものにもあまり興味が湧かないから。 そのうち思い出したように見返すこともあると思うが、どうせ付けてくれるならライブ映像の方がありがたかったのはたしか。 一方、ライブ2曲の方はなかなか良い。 たしかリリース前には、2005年にフジロックに出演したときの演奏が収録される、なんて噂もあったような気がするが、実際に収録されたのは2005年11月のシカゴでの演奏。 でも、より良い演奏を、ということでチョイスされたのなら、別に問題なし。 ベスト盤にも興味ない上、プロモーション・ビデオにもあまり関心がないのなら、買う必要はないと言われればまったくその通り。 でも、一応、聴いとかないと、つい、思ってしまう。 そこまでする対象になっているバンド、アーティストはそう多くはないし、ライブ2曲が良かったので、まずまず、ということで。 言い訳っぽいけど。 これ |
![]() J Mascis The John Peel Sessions 2003年リリースの、タイトル通りピール・セッションでの演奏を収録したアルバム。 中身は、1曲目から5曲目がThe Fogとしての2000年のセッション、6曲目から9曲目がJのソロで2002年のセッション、最後に1曲、ピール・セッションではないが同じく2002年の演奏を収録。 このアルバム、リリースされているのは知っていたのだけれど、すっかり買いそびれていて、最近なんだか知らないけど再びDinosaur Jr熱が、下手をすると去年の来日時以上に高まっているのでこの機会に聴いてみよう、ということに。 で、探してみると、どうやら少々手に入りにくい状況であるらしく、実際、2カ所ほどにも注文してみたのだけれど、在庫がなかったり、入荷が遅れたり、という感じだった。 でも、少し前に某大手CDショップで見かけていたので、ちょうどそこのポイントがたまっていて、しかも有効期限が今日(5月2日)までだったこともあり、仕事帰りに寄ってみると、記憶が正しければ前に見た時よりも200円ほど安く売られていた。 だから、買いたてのホヤホヤ。 しかも、1000円引き。 まず、1曲目"Everything Flows"から始まるメドレー。 この曲は、Teenage Fanclubのファースト・アルバム Teenage Fanclubのそのアルバム、作品としてはたいしたことがないのだけれど、この曲が入っていることで価値がある、とまで思っているほど好きな曲で、Jのこのアルバムをどうしても聴いてみたいと思ったのも曲目にこの曲名を見つけたからというのが1つの理由でもあるほど。 これが予想通りと言えば、予想通りな料理の仕方なのだけれど、なかなかはまっていて良い。 ベースがゴリゴリで良い感じなので、誰?と思ってチェックしてみたら、Minitemenのマイク・ワットじゃないの。 Minitemenは聴いたことがなく、多分、この人の演奏をまともに聴くのは初めて。 思っていたよりもキッチリ弾くタイプのようだが、存在感たっぷりだ。 たしか、このメンバーで来日していたような記憶のだけれど、やっぱり見ておくべきだったか。 で、ここからPavement(ちょっと意外?)の"Range Life"に続くが、ほんのちょっとで、The Rut(知らん)というバンドの"In A Rut"という曲へ。 なかなか面白い。 The Fogとしての残りの曲は、当然、The Fog名義のアルバムからの曲。 アルバムともライブとも違ったピール・セッション特有の雰囲気で、これまたなかなかいい感じだ。 クレジットをチェックしてみると、ミックスのところにMy Bloody Valentineのケヴィン・シールズの名前が。 The Fogのアルバムの方にもゲスト参加していたから不思議はないけれど、今、何やってるんだろう。 そして、ソロ・セッションでは、まず、チャーリー・リッチなる人物の"I Feel Like Going Home"という曲のカヴァーをアコースティックで、残りはDinosaur Jr時代の曲も交えつつ、2月に見たソロ・ライブ同様、アコースティック&エフェクトで、という内容。 いつからこの形態でやっているのかは知らないのだが、少なくとも2002年には導入されていたことを確認。 全体としては、やや寄せ集めに感じるところはあるものの、思っていた以上に聴き応えがあり、買ったばかりで、数回しか聴いてないにも関わらず、かなり気に入ってます。 ちょっと音質面で不満のあったDinosaur JrのBBCセッション |
![]() Grant Green Carryin' On 約1年半ほどかけて追って来たグラント・グリーンのリーダー作も、気付けばもう先が見えて来ていて、良くもまあ続いたもんだなと自分で感心しながら、持ってないアルバムの流通状況を調べてみたら、3枚ほど入手困難なアルバムがあることが分かった。 それがこの"Carryin' On"と、93年に日本でCD化された形跡のある"Visions" その3枚の中では、どうやらこのアルバムはアナログも中古だけでなく新品も出回っているようだし、CDも高値が付いているとは言え中古が出品されてもいるので、運が良ければどうにかなりそうだなと思っていたところ、オークションで発見。 で、多少値が張るのは覚悟していたけれど、たいして競ることもなく、中古としてはほんのちょっと高め、でも1枚のCDとしては普通に店で購入できる程度の値段で手に入れることが出来た。 嬉しい。 そんなこのアルバムは、69年のブルーノート復帰作第1弾となった作品。 そして、ファンク路線の第1弾でもある。 メンバーに関しては、数回前に取り上げたアイドリス・ムハマッド以外、名前を見ただけではピンと来ないのだけれど、Pucho & The Latin Soul Brothers で、最初聴いた時、次作となる"Green Is Beautiful" まだ、ちょっと新しい路線を試しているところかな、とも。 でも、繰り返し聴いていると、ちょっとその印象も変わって来て、むしろその淡々としたところが気持ち良くなって来ている。 ギターに関して言えば、ソロの方は昔と変わりなく、どんなタイプの曲を弾かせても、どこから聴いてもグラント・グリーンな感じで、気持ちいいのは当然のこと。 で、バッキング。 これがとても良く、クセになる。 淡々として聴こえるのは、多分、スタジオ録音だから、ということだと思うんだけれど、ここではそれがいい具合に作用しているように思う。 なぜ、これがちゃんとした形で再発されないのか。 実にもったいない。 余談。 このアルバムを手に入れた直後、"Visions"のCDが立て続けにオークションい出品されていて、まあ、最悪5000円くらいはしょうがないかな、と腹をくくっていたら5000円どころか、1万円超え。 CD1枚に1万円なんてとてもじゃないけど出せません。 "Shades Of Green"共々、早いところ再発して欲しいところ。 権利関係で引っかかっている曲でもあるんだろうか。 |
![]() Dinosaur Jr. Where You Been 93年の5枚目のアルバム。 前回、「もう1枚の捨て置けないアルバム」と書いたのがこれ。 捨て置けない、どころではないのだけれど。 "Green Mind"を聴いたのはリリースされた後のことで、リリース時にはこのバンドのことは知らなかったし、友人に貸してもらったのがリリースからどれくらい時間が経っていたのかも分からない。 で、シングル類は除いて、ちゃんとしたアルバムとしてリアルタイムで聴いたのはこのアルバムからということになる。 そんなこのアルバム、最初から気に入ったかと言うと、実はそうでもなかった。 このアルバムのリリース時には、自分にとっては相当重要なバンドになっていたので、当然、かなり楽しみにしていた訳だが、音の質感の変化にちょっと戸惑った記憶がある。 1曲目の"Out There"のイントロのハードロック/メタル風なギターソロ、全体的にボトムがどっしりとした重量感のある音、この辺りに。 単にその頃、そういう感じの質感の音楽に嫌気がさしていたから、というだけでもあるのだけれど。 でも。 気に入るまでの期間は、そう長くはなく、そういった違和感もなかったかのように毎日、毎日、繰り返し、繰り返し聴くほどに。 不思議なことに、第一印象の、ちょっと嫌だなと思ったことははっきり憶えているのに、その切り替わりの瞬間にどう感じたのかとか、そう言うことは全然憶えていないが、とにかく、いつの間にか"Green Mind"と並ぶほど、好きなアルバムに。 別にどちらかを選ぶ必要などまったくないのだけれど、選べと言われても選べません。 90年代に影響を受けたアルバムを、例えば10枚とか挙げるならば、確実のその2枚は入れると思う。 で、前回の流れで、今、冷静に考えてみると、バンドの仕切り直し後、音が固まったのはここではないかなと思う。 そういった完成度の面では、やはり最高傑作ということになるのかも。 思い入れとか、そう言うのは別にして。 それには、このアルバムから参加したベースのマイク・ジョンソンの存在も意外と大きかったのかなと、ちょっと思う。 それと、Jマスキスが曲を作る時、元々ドラマーだし、ベースも弾くし、という人なので、コードやメロディーだけでなく、すべての音がほぼ完成した状態で頭の中で鳴っているのでは、と推測しているのだけれど、そう言う面でも結実したのがこのアルバムかな、とも思う。 と、一応いろいろ書いてみたけれど、でも、そんなことはどうでも良くて、単純に、もの凄く好きなアルバム、とただそれだけが言いたいだけなのですが。 |
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