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← 2007年11月 →- しばらくご無沙汰しておりました [2007/11/30]
- 向上しているのでしょうか [2007/11/29]
- 一応、上向き [2007/11/28]
- 意外とよくできています [2007/11/26]
- 聴かせます [2007/11/22]
- 豊 [2007/11/21]
- 良好です [2007/11/20]
- 本人達が楽しそう [2007/11/19]
- 贅沢をして来ました [2007/11/18]
- 暑いし、熱い [2007/11/15]
- 乾いた音が印象的 [2007/11/13]
- またの共演をお願いします [2007/11/12]
- 謎の佐藤さん [2007/11/11]
- アレを初めて見れたのでまあいいでしょうか [2007/11/09]
- 1がないのに2 [2007/11/06]
- 中間点 [2007/11/05]
- 高度な遊び [2007/11/03]
- 耳に刺さりました [2007/11/02]
- 引き出しがたくさん [2007/11/01]
![]() Steve Kimock Band 04/10/03 The Catalyst - Santa Cruz, CA ここのところ、買ったまま何となく聴きそびれていたDigitalsoundboard.netの音源を聴いてみたりしております。 これは、2003年4月10日の演奏。 まず、"A New Africa"に続く、"Cole's Law"。 これが凄い。 この感じ、わりと久しぶりだったので、ちょっとジーンと来てしまったほど感動的だった。 その他、熱い"Sabertooth"、じっくり聴かせる"In Reply"など、どちらかと言えばファースト・セットが好印象。 セカンド・セットでは、"Tongue 'N' Groove"で機材のトラブルなのか、大きなノイズが入ってしまっているのが残念。 でも、ノイズに盛り上がる客の様子だとか、パッケージ化されて販売されるアルバムならまずカットされるであろう場面が丸ごと収録されているので、それはそれでこういう音源の面白さでもあり。 そして、この音源は4枚組で、4枚目のディスクにはサウンドチェックの模様が何曲か収録されている。 本番とは少々違う力の抜けた演奏や、いろいろ試している様子など、これもまた興味深い。 で、全編通して楽しんだのが、キモックとミッチの2本のギターの絡み。 久しぶりにじっくり堪能。 またいつか一緒にやってくれないだろうか、と思う。 それと、この頃のベースのアーニー・リヴィングストン。 ちょうどSKBを知った頃のベースがこのアーニーで、その後、自身のバンドであるLiving Daylightsを聴いてみて、SKBでは持ち味を充分に発揮していた訳ではないんだなと思ったものだけれど、久しぶりに耳を凝らしてみると、柔軟性のある演奏がなかなか良かった。 Living Daylightsでの演奏の方が面白いという印象は変わらないけれど、結構はまり役だったのではと思った。 と言う感じでした。 この"Cole's Law"、最高です。 スポンサーサイト
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![]() Led Zeppelin The Soundtrack From The Film The Song Remains The Same リマスター、さらに映画のみでしか聴けなかった曲どころか、映画の方にも収録されていない(はずの)曲まで追加して再発、ということで購入。 このアルバムのCDは、何年か前に紙ジャケで再発された時に買ったので持ってはいるけど、追加曲に惹かれて。 でも、紙ジャケ再発の時、てっきり他のアルバム同様リマスターされたものだと思っていたが、このアルバムだけリマスターされていなかったとは、今回の再発されるまで知らなかった。 Led Zeppelinを熱心に聴いていた10代の頃、映画の方も、もう既に解散していたのでリアルタイムではないけれど、高田馬場やら三鷹やらの小さい古い映画館に見に行ったりしたし、もちろんレコードも買った。 ただ、アルバムよりもどちらかと言えば映像の方が印象が強く、好きなバンドだったのでそれなりには聴いたが、ライブとしては音に迫力がなかったり、どうもしっくり来ないところがあって、他のアルバムほどには聴いていなかった。 なのでCDを買ってからも数回、いや、1、2度聴いたのみだったと思う。 それでも、届くのを結構楽しみにしていて、久しぶりに聴いてみた。 すると、これリマスターの効果あるのか?とか、熱心に聴いていた頃には気にしてなかったジミー・ペイジのギターの適当さだとか、まあ、いろいろ細かいところはあるにせよ、気付いたら結構普通に楽しんでいたり。 慣れ親しんだ曲順とは違うので、少々違和感もあると言えばあるが、何より映画でしか聴けなかった演奏や、未発表の演奏が新鮮。 ここ数年、以前は好きだったけれど、久しく聴いていなかったものを素直に楽しめるようになってもいるので、聴くタイミングも良かったのだと思う。 オフィシャルのライブ盤としては音質最高とは言えないし、これよりも凄い演奏を収録したブートなんかもあるんだろうなと思いながらも、細かいことは置いといて、ここは素直に楽しんでおこう、とそんな感じ。 というのを、リマスター前の音を聴きながら書いていたところ。 あんまり変わらないんじゃない?、とリマスター後の音を聴いて思ったのだけれど、結構違いました。 音圧は上がっているし、音もくっきりしているんじゃないかと思う。 ただ、ずっと聴いていると、リマスター前の方がまとまりが良いような気もするし、気のせいのような気もするし。 多分、もっとでかい音で聴けば印象がもっと違うと思う。 それほど厳密に聴き比べている訳ではないけれど、今のところ、少なくとも音が変わっていることを確認。 併せて、DVD Tシャツとかいらないので通常盤。 ![]() 一緒に出たベスト盤 ![]() |
![]() American Music Club San Francisco どの辺に位置しているだとか、どのくらい人気があるだとか、メンバーが何人とか、全然知らないこのバンドのアルバムを1枚だけ持っていて、何となく聴いてみた。 これは、94年リリースらしい。 買った当時の印象は、どこがいいのかまったく分からん、という以外にほとんどないに等しい。 で、先日、何気なく聴いてみると、1曲目の"Fearless"という曲が素晴らしく良くて、思わず聴き入ってしまった。 で、もしかしてこれは思っていたよりも良いんじゃないか、と思ったのも束の間、次の曲が、下世話というとちょっと言い過ぎだけれど、どうもあまりパッとしなくてそこで聴くのをやめてしまった。 でも、その後も他にも良い曲があるかもしれないと思い、何となく気にしてはいて、今日通して聴いてみた次第。 改めて聴いてみると、REM辺りに繋がる感じがあったり、どんな音を目指しているのかなど、少しは知ることができたのではないかと思う。 多分、本国ではもっと知名度があり、根強いファンもいるのではないかと想像するが、どうだろう。 そして、根強いファンは、日本にも意外といるのかも。 で、結論としては、残念ながら1曲目ほどに気に入る曲はなかった。 もちろん、良いと感じる部分はあるものの、少々楽曲のクオリティが落ちる。 と言うよりも、1曲目とそのリプライズである最後の曲が飛び抜けて良いと思う。 聴くのをやめた2曲目も、聴き直してみるとそれほどひどい訳ではなく、多分、その時の気分に合わなかっただけだと思うのだけれど、やはり特筆するようなところはないし。 その他の曲も、部分的に好きでも、それが持続しなかったり。 音が94年当時としてもやや古臭い感じだが、その古臭さもちょっと中途半端。 いずれも聴いていられないほどひどくはないし、嫌いな音でもないんだけど、この煮え切らなさは何でしょう。 そんな印象でした。 以前感じていたよりは、一応、上向き。 1曲目は素晴らしいと思います。 |
![]() Belle And Sebastian Storytelling 何気なく久しぶりに聴いてみたら、なかなか良かったので。 2002年リリース。 同名映画のためにサントラ、ということは知っていたけれど、使用された曲も使用されなかった曲も含め、アルバムとして膨らませて完成させたものらしいことを改めてライナーを読んで知った。 このひとつ前のアルバム でも、一応、リリースされた頃は、少なくともあまり印象の良くなかった前作よりは良い印象を持ったし、それどころか、結構いいかも、くらいには思っていた。 にも関わらず、もう既にこのバンドに対する興味が薄れていたため、結局あまり聴くことなく終わる。 そんなこんなで、先日、静かなものを聴きたくて、無作為にiPodに入れたばかりだったこのアルバムを、たまたま久しぶりに聴いてみたら、冒頭に戻るが、なかなか良かったので。 元々印象が悪くはなかったのは前述の通りながら、いろいろと細かいところまで耳が行くようになったのが大きいと思う。 まず、1曲目のメロディーがとても良く、オッ、と思う。 で、このメロディーがいろいろと姿を変えて、ダイアログやタイプの違う楽曲の合間に満遍なく登場することにより、統一感をもたらす。 結構、このメロディーひとつで膨らました感はあるけれど、それがなかなか良く練られていて、なかなか素晴らしい。 という具合で、ここ数日、他のものを聴きつつも、このアルバムを繰り返して聴いているところ。 今更、という気がしなくもないけれど、こういう音に久しぶりに反応したのは、多分、Midlake 印象が悪かった前作もついでに聴き直してみようかと思う、今日この頃です。 |
![]() Zero 10/25/92 WOW Hall - Eugene, OR 先日、友人からもらったので、わりと久しぶりにZeroなどを。 これは、92年のライブ。 ソースが分からないのだけれど、多分、オン・ステージ録音。 そして、多分、チャーリー・ミラーさん録音。 なので、音質は、文句の付けようもないです。 まず、ちょっとテンポ速めでリラックスした雰囲気の"Cole's Low"からスタート。 今朝、通勤の時に本を読みながら聴いていたので細かいところまではまだ把握してないけれど、ここから"Home On The Range"、"Chance In A Million"、"Baby Baby"と、延々とても気持ちのよい音が続いた。 で、友人のお薦めだった"Gregg's Eggs"がなかなか良かった。 正確には"Roll Me Over"からジャムっぽい演奏に入りそれから"Gregg's Eggs"に繋がるのだけれど、とにかくキモックのギターがなかなか聴き応えがあり、凄い。 "Gregg's Eggs"に入ってからも。 そして、好きな曲なので期待していた"Tongue 'N' Groove"、"Cole's Low"同様、少々テンポが速く、後の時代のアレンジの方が好きかも。 でも、ライブを通して万遍なく良い感じなので、なかなか気に入った。 昨年から今年の初頭にかけての再開ライブも良かったけれど、パーマネントなバンドとして継続していた頃の、気合いや集中力を感じる。 で、なかなか良いのでリンクを貼ろうと思い、Live Music Archiveに行ってみると、なぜかバンド名のリストのページを表示することができず。 中で検索してみたら、一応、音源は出て来たけれど、今度は音源のページが開かない。 データベースの調子でも悪いんだろうか。 どうなってんだろう? |
![]() Charlie Haden & Chris Anderson None But The Lonely Heart 97年録音のアルバム。 チャーリー・ヘイデンには前々から興味があったものの、聴いたことがあるのはオーネット・コールマンのアルバムでの演奏くらいで、何となくきっかけを失っていた。 で、以前にSonnyさんがこのアルバムを紹介されていて、聴いてみようと思い立つ。 でも、どうやらちょっとばかり手に入りにくく、レーベルの直販や海外のサイトから購入することはできるが、少々高くつきそうだったので、気長に探してみようということに。 そして、そんなことも忘れかけていた頃、ふと思い出して検索してみたら、輸入盤にライナーを付けたものがディスク・ユニオンからリリースされていた。 値段は国内盤並みなので、輸入盤と考えると割高だが、海外から取り寄せるよりは安いので、迷わず購入。 なかなか気の利いた仕事だと思います、ユニオンさん。 で、もう一方の主役であるクリス・アンダーソンは、盲目のピアニストで今まで名前すら知らなかった人。 ハービー・ハンコックが若い頃に弟子入りしたとか、志願したとか、実際どうなのかは知らないけれど、ともかくいろいろなミュージシャンに影響を与えた、知る人ぞ知る、的な人物らしい。 なるほど。 で、購入してから何度か聴いてみていて、どこがどう凄いとか、何となくうまく説明できないでいるのが現状。 でも、素晴らしい演奏、素晴らしい録音であることは間違いなく、非常に心地の良い音だ。 ベースにしてもピアノにしても、「豊か」という言葉が思い浮かぶような。 なので、今のところ、この心地良さをぼんやりと楽しんでいるところだ。 今後、劇的に印象が変わりそうな気がするし、また、それを期待もしながら。 クリス・アンダーソンは、寡作な上、手に入りやすい作品となるとさらに限られているようなのが残念ではあるけれど、機会があれば他の作品も聴いてみたいと思う。 そうそう、もちろんヘイデンさんも。 時間をかけて楽しみたいと思います。 |
![]() Chris Potter Underground 08/30/07 Willisau Jazz Festival - Willisau, Luzern, Switzerland 先日のデイヴ・ホランドのライブがあまりに凄かったので、デイヴ・ホランドのアルバム共々、他のメンバーの作品も聴いてみたいなと思っていたところ、クリス・ポッターのこんな音源を見つけたので手に入れてみた。 スイスのWillisau(ヴィリサウ?ヴィリザオ?)という村で行われているフェスティバルに出演した時の演奏で、ラジオ(もしかしたらインターネット・ラジオかも)で放送されたものらしい。 なので、音質、バランス共にかなり良好。 フランス語(たぶん)のアナウンサーのしゃべりが入るのと、最後の曲がフェード・アウトしてしまうのが残念ではあるけれど、それほど気にならず。 そのくらい、内容が充実している。 とにかく、凄い。 クリス・ポッターの見事な吹きっぷりは、目の前で見た時のことをありありと思い出させてくれる。 非常にバランスの取れた人だな、と思う。 そして、嬉しいことにドラムは、ホランド・クインテットの一員でもある、ネイト・スミス。 この人のドラミング、凄く好き。 で、アダム・ロジャースなるギタリストがいることによって、時々ロックっぽい方向にも行ったり。 ジョン・アバークロンビーの"Gateway" あくまでも知っている範囲での印象ではあるけれど。 ベースのスコット・コリー(?)もなかなか良いです。 ともかく、とても気に入っていて、ジャズもロックも区別なく楽しんでいる人ならかなり楽しめるんじゃないかというのが今のところの印象。 アルバムを聴いてみたいし、もちろん、生でも見てみたい。 ちなみにRadioheadの"Morning Bell"なんて曲までやっているけれど、原曲を知らないのでどうなんだかよく分かりません。 |
![]() 芳垣安洋×曽我大穂 11/16/07 No Trunks - Kunitachi, Tokyo, Japan 季刊芳垣安洋です。 前回の大友さんに続く、今回のお相手は、曽我大穂さんという方。 初めて見る名前だったが、フルート、ハーモニカ、サウンド・エフェクト等々、というクレジットに興味が湧いた。 なんでもCinema Dub Monksというグループやハナレグミなどで活動している方だとか。 ハナレグミの名前だけは知っているけれど、音を聴いたことがないのでまったく事前の情報なし。 ということで、たしか8時を20分ほど過ぎた辺りでスタート。 そのままぶっ続けの約50分のファースト・セット。 曽我さんは、始まると同時に裸足になるので、何をするのかと思えば、様々な音を出す合間に床をドンドンと踏み鳴らしたり、全身を使い、音が出る物なら何でも利用するようだ。 なるほど。 サウンド・エフェクトと言っても、カセット・テープに録音したいろいろな音源をポータブルのカセット・プレーヤーで再生し、マイクを通してエフェクトをかけたり、早送りやら巻き戻しを駆使したりと、手法としてはアナログなもの。 そして、ピアニカ、ハーモニカを演奏し、次々といろいろな音を繰り出す。 一方、それに応える芳垣さんは、いつも通りと言えばいつも通り、ピアニカが来れば、レゲエ風に持って行ってみたりと、様々な技を駆使。 見ていても、聴いていてもかなり面白かったが、演奏している本人達の方がもっと面白そう。 雰囲気としては、Orquesta Nudge! Nudge!の一部を切り取り、さらにちょっと違う方向に拡げてみた感じ。 で、しばしの休憩後、セカンド・セット。 基本的にはファースト・セットと同様な演奏だけれど、今度は、曽我さんが店のピアノを使用し、適当に音を鳴らしたり。 さらにフルートも登場。 どうやら演奏者としては、フルートとハーモニカが、本業という言葉が当てはまるかは分からないが、達者な様子で、かなりの腕前らしい。 でも、演奏力を前面に出した演奏はほとんどせず、あくまで様々な音の一部として使っていた。 全体的に、リズム感の良さが際立つ。 芳垣さんとの相性は良さそうで、これまた本人達が最も楽しそうだった。 セカンド・セットで好きだったところは、芳垣さんが金物をガシャガシャ、そして激しめのドラミングへ移行、の上に曽我さんがピアノで簡単なコードを鳴らしていた展開。 そんな感じで、たしかファーストより少々長めで終了。 そして、アンコール。 芳垣さん、ビリンバウから、おもちゃ、小物を駆使した、音遊びのような展開。 ただ、曽我さんは、セカンド・セットまでで集中力が切れてしまった様子で、妙な間が開いたり、次に何に行こうか迷っている様子もあり、少々物足りなかったのが正直なところ。 で、これで終わりかと思いきや、客席からの「もっと~」(と言っていたのは、多分、クラムボンのあの人)の声に応え、もう1曲。 芳垣さんは、無造作にガシャガシャと激しめに鳴らし、曽我さんはぶっきらぼうにピアニカを。 でも、1分ほどで終了。 やや肩すかしだが、まあ、おまけみたいなもの。 という訳で、やや尻すぼみ気味ながら、全体としてはかなり面白いライブだったと思う。 曽我さんが、リードする場面もあったし、来月の芳垣2Dayにも出演するようだし、次はどんなことを仕掛けてくるのか、なかなか楽しみ。 そして、この企画の次のお相手は。 ![]() |
![]() Minami Hiroshi Go There! 11/14/07 Dolphy - Yokohama, Kanagawa, Japan Sardine Headの翌日、横浜遠征。 ここ2週間で、3回目の南博さん。 遠征、というほど遠い訳でもないのだけれど、平日の夜に行くには少々気合いがいる場所ではあるので、最初は行くつもりがなかった。 でも、ある時、いつも見ているピット・イン以外の場所だったらどうなんだろう、ふと思ったら、もう見に行きたいという気持ちの方が勝ってしまい、結局行くことに。 実際行ってみると、仕事場から約1時間半と、やはり少々遠いが、店は床一面板張りで、しかも年季が入っていてとても良い雰囲気。 で、たしか7時50分頃スタート。 1曲目は、"Serene"から。 いきなり好きな曲なので、嬉しい。 続いて、未だ仮題の"A3"、"Window In The Sky"と大曲が続き、"Sakura"と来て、ファースト・セットの最後の曲は何だったか。 確実に聴いたことがある曲のはずだけど、曲名と結びつかず。 竹野さんは全曲ソプラノで通し(たぶん)、芳垣さんは会場の特性と全体のバランスを考えてか、基本的には抑えめなドラミング、でも鋭さはいつもと変わらず、の見事な演奏(当たり前)。 抑えめなので力強く前へ出た時がより際立ち、毎度のことながら、唸ってしまった。 そして、会場によってはどうしても埋もれてしまうことの多い、ピアノ、ベース共にはっきり、くっきりと聴こえ、しかも音に暖かみがあり、バランスも素晴らしい。 これを聴けただけでも、遠いところまで来てよかったと、かなり満足。 しばしの休憩の後、セカンド・セットがスタート。 今度は、"#1"から。 これも好きな曲なので嬉しい。 さらに以前にピット・インで聴いた時とはまったく違う演奏になっていて、これもまた良し。 ここでは、竹野さんはテナーを(たしか)。 でも、この後は再びほとんどソプラノだったような(たしか)。 ともかく、鋭いソプラノ、力強いテナー、どちらも良かった。 この後、スリリングな"Chase"、先週の金曜日にもやっていた"Tears"と来る。 どちらも素晴らしかったが、この後からがさらに凄かった。 感動的なほど。 多分、"Falling Falling Falling"だったと思うんだけど、曲名と曲が未だ結びつかないため、不明。 で、これ以降、アンコールも含め、印象が塊のようになっていて、とにかく凄かった!の一言しか思い浮かばず。 先週はレベルの高い演奏者同士のセッションを堪能できたけれど、この日はグループとして継続していることの凄さ、面白さをこれでもかというほど味わうことができたと思う。 ピアノ・トリオ、ピアノレス・トリオ、時にはドラムとサックスのデュオ、と形態を変える瞬間の見事さ、メンバー同士のアイ・コンタクトがとても印象に残った。 さらに、この会場の音の良さ。 こういう音楽を、本来あるべき姿で聴くことができたような気がする。 なかなか通うのは難しい場所だけれど、またここでGo There!を見たいと思うし、機会があれば他のミュージシャンもここで見てみたいと思う。 そのくらい素晴らしく、満足度の高い贅沢なライブでした。 ![]() |
![]() Sardine Head 11/13/07 Sact! - Shinjuku, Tokyo, Japan 久しぶりに、新宿Sact!へ。 たしか最初に発表された日程では、ちょうどデイヴ・ホランドを見に行く予定だった日と重なっていたのでだめかと思っていたら、何やら日取りが二転三転し、結局見に行くことができた。 前回ここでやった時は、メンバーのデュオやソロなど、趣向を変えた内容だったのだけれど、今回も何か「余興」があるかも、とのことだったので、期待しつつ。 で、始まる。 聴き慣れた"38 Pieces"のフレーズが、かなり手を加えられていて、なかなか本題に入らない感じ。 本題に入らないどころか、どんどんかけ離れて行き、まったく未知の展開へ進むので、これはもしかしてと思ったら、やっぱりの45~50分一本勝負のファースト・セット。 鰯メモによれば、"38000 Pieces"だそうです。 めまぐるしく展開が変わり、リードするパートがその都度変わり、いろいろなフレーズが現れては消え、の緊張感のある演奏。 やや緩慢かなと思える部分もあるにはあったけれど、雰囲気だけの演奏に流されないのがこのバンドの良いところ。 単純に面白かった。 会場内が暑くて、この時点で少々疲れたけれど。 会場の規模のわりには強い照明に照らされていたステージ上のメンバーの方々はもっと大変だったことでしょう。 ![]() しばしの休憩の後、セカンド・セット。 導入的な演奏の後、"Yellow Tale"が始まり、挑戦的だったファースト・セットとは打って変わり、のりの良い展開へ。 続いてもはやどこへ行こうとしているのかさっぱり分からない(コーラスパートの話)"Cream Cheese Cake"と再びグイグイと攻める。 でも、所々でファースト・セットの延長線上のような展開もあり。 今日は、こういう日らしい。 ![]() というところで、9月のThumbs Upに続いての2曲ミックス・シリーズで引っ掻き回される。 今回は、"Killifish Dance"と"Trick Cycling"で、"Killifish Cycling"だそうです。 余興その2、でしょうか。 ![]() 続いての"Romanchica"では、さらに引っ掻き回されることに。 今日は、やっぱり深く潜る日らしい。 最も深かったのがこの曲だったと思う。 その次のタイトル未定の新曲も、トチ狂った感じで面白い。 今後に、期待大。 ![]() そして、締めに"Soil"。 この曲は聴くたびにどんどん良くなっていて、締めにぴったりな曲だと思う。 なかなか泣かせます。 ![]() で、やけに長いMCの後、アンコールに"Block Signal"。 若干疲れが見えたものの、ここへ来て、非常にタイトな演奏。 こちらも、場内の暑さとタバコの煙にやられ、終了後は結構疲れていたけれど、今回も楽しいライブでした。 お疲れさまです。 ![]() その他の写真もよろしければ。 音源も、既にここに。 そして、絶賛発売中。 ![]() |
![]() Eric Kloss One, Two, Free エリック・クロスなる盲目のサックス奏者の72年作。 例によってまったく知らなかったアーティストだが、ぬどいさんに教えていただきました。 この作品に興味を持ったのは、ぬどいさんによる解説はもちろんのこと、メンバーにパット・マルティーノとデイヴ・ホランドが含まれているからだ。 それだけでも自分にとっては、かなり興味深い。 それと、"One, Two, Free"という、直球なのか何なのか、どう捉えていいのか迷うタイトルに惹かれたのも大きい。 ちなみにその他のメンバーは、エレクトリック・ピアノにロン・トーマス、ドラムにロン・クラシンスキー(で良いんだろうか?)で、クロスさん同様、初めて知った名前。 で、聴いてみると、1曲目のタイトル曲は3曲で構成され、駄洒落っぽいタイトル(?)とは異なるシリアスな曲で、執拗に繰り返されるベースのリフの乾いた音を聴いただけで、好みの音であることがすぐに分かった。 これは良いです。 フリーと言えば、特にサックスにはそういう雰囲気を感じるけれど、聴き進むうちにどうもマイルスやザビヌルの陰がチラチラ見え始め、中盤辺りでは"In A Silent Way" そこまで音の広がりはないけれど、狙っているかどうかは別として、影響力の大きさが窺えるような気がする。 そして、2曲目(アナログで言えばB面らしい)ではちょっと雰囲気が変わり、"It's Too Late"は、少々ジャズ・ファンク風味。 聴いたことあるメロディーだなと思ったら、キャロル・キングの曲だった。 1曲目の雰囲気とはがらりと変わるので、節操がないと言えばそうかもしれないけれど、こちらはこちらで格好良いので問題なし。 徐々に盛り上がり、ピークに達したところでメロディアスなテーマに戻る辺りは圧巻。 最後は、クロスのオリジナル曲。 今のところ、他の曲に押されて印象薄めではあるけれど、ギターはなかなか味わい深いし、ベースも印象的。 この曲のみならず、全体的に主役のサックスも、エレクトリック・ピアノも、確実にヒットする感じのドラムも良くて、メンバー全員とてもバランスが良い。 にしても、このワウをかけてペダルを低音側に起こしたまんまのようなベースの音が妙に耳に残る。 という訳で、単純に、格好良いアルバムだと思う。 インパクトがあり、かなり気に入っております。 余談。 ホランドさんと言えば、ベースの話。 先週、2回ほど立て続けにアップライト・ベースによる演奏を聴くことができたので、その構造をまじまじと観察して来た。 もしかしてミディアム・スケール?なんて適当なことを書いてしまったけれど、ブリッジの位置は一緒のようなので、あれは間違いなく普通のスケール。 目の錯覚。 失礼しました。 |
![]() 会田桃子(vn)南博(p)鳥越啓介(b) 11/09/07 in F - Ooizumigakuen, Nerima-ku, Tokyo, Japan 内橋さん同様、今度は南博さんが近場に出演することを知り、5月以来、2度目のin Fへ。 今回メインの会田桃子さんのことは全然知らなかったのだけれど、南さんが出るなら見に行かない手はないでしょう、ということで。 で、会田さんは普段タンゴを中心に演奏活動をしているそうで、ベースの鳥越さんは鬼怒無月さんと活動していたりするらしい。 何でも、会田さんが南さんの大ファンで、そんな話をin Fの店主に話したら、今回の共演を実現してくださった、とのこと。 素晴らしい。 という訳で、演奏の方は、ファースト、セカンド共に5曲ほど(たしか)、どちらも40分くらいの演奏だった(はず)。 初めて見る会田さんは、南さんとの共演ということでMCでは終始緊張していた様子だったけれど、演奏に入ると別人のようにキッと目つきが変わり、熱い演奏を披露。 やはりラテン系の音楽をやっているだけあり、情熱的という言葉がぴったりか。 普段の活動のために書いたという、タンゴ、ラテンのリズムを使った曲がとても印象に残った。 さらにはファーストではピアソラの曲、セカンドでは会田さんのオリジナルのクリスマス・ソング、それぞれ1曲ずつ歌を披露。 最初こそ、歌、と聞いて、どうなんだろう?と思ったのだけれど、こちらの方も素晴らしく、当たり前のようにうまかった。 ベースの鳥越さんは明るい方のようで、MCの間、緊張する会田さんをフォロー。 演奏の方は、もう少し落ち着き、重厚さが欲しい場面もあったけれど、その性格が反映されたような軽やかなものだった。 セカンドの1曲目は、鳥越さんの曲で、なかなか叙情的な良い曲でした。 南さんは、もうさすがと言うべきか。 これは会田さんにも共通することだけれど、優れたミュージシャンは場所を選ばず。 本当に狭い、普通の部屋のような店なので、もちろん、音響面でも最低限の設備だ。 だからこそ、こういう飾りのない場所での演奏は、その人の実力が直接的に反映される、ということを改めて実感した。 "Deep Thoughts Between The Fourth"、"Tears"、アンコールでは"Four Distinction"と3曲ほど南さんの曲が演奏されたけれど、自分にとっては馴染みのある曲も聴けたのが嬉しい。 しかも、あんな至近距離で。 実は、南さんしか知らなかったこともあり、もしかしたらあまり好みの演奏ではないかも、という気持ちが見る前にはあったのだけれど、終わってみるととても満足していた。 気分が晴れたというか。 やりたいことをとても素直にストレートに表現している様子は、とても気持ちのよいものだったし。 普段、好んで見に行くライブは捻りに捻った音が多いし、もちろんそういう音が好きな訳だけれど、こういうストレートなものもたまには良いなと思った。 2日前の与世山さん然り。 会田さんのヴァイオリンと南さんのピアノの相性は、なかなか良いように感じたので、また、ぜひ共演して欲しいところ。 |
![]() 与世山澄子 11/07/07 晴れたら空に豆まいて - Daikanyama, Tokyo, Japan ジャズ・ヴォーカルは、今までまったくと言っていいほど興味がなかったのだけれど、徐々に良い作品があれば聴いてみたい、というくらいまでには変わって来ているところ。 でも、聴きたいものはこれでもかというくらい、いろいろとたくさんあり、優先順位はあまり高くないので、ほとんど聴いていないというのが現状か。 そんなジャズ・ヴォーカルで今までに唯一、まともにライブを見たことがあるのがこの与世山さん。 アルバム"Interlude" その時のライブがとても素晴らしかったので、またぜひ見たいとずっと思っていながら、何となくその機会を逃していたのだけれど、ようやく実現した。 ピアノに南博さん、サックスに菊地成孔さんと来れば、それは見に行くでしょう、ということで。 2年前のライブで、その演奏に大変感銘を受けたベースの安ヶ川大樹さんが参加していないのは残念だけれど、贅沢は言っていられません。 今回のベースは、佐藤慎一さんという初めて知る方。 という訳でスタート。 なぜか一人だけ客席の間を縫って登場する南さん。 まずは、ヴォーカル抜きで2曲ほど。 主役不在のまま、結構長い演奏だが、この規模のライブハウスで菊地さんのサックスを聴けるというのは、今では多分少ないし、音響もなかなか良いので大変満足。 南さんのピアノも力強く、素晴らしい。 初めて見る佐藤さん、出るところではもうちょっと出ちゃっても良いのではと思ったりもしたが、安定した演奏でボトムを支える。 たまにステージの袖から与世山さんが演奏の様子を眺める姿も見えたり。 で、いよいよ与世山さんの登場。 まずはテンポの良い曲で颯爽と。 生で見るのは久しぶりだけれど、やはりパワフルな歌唱に圧倒される。 しゃべる時とのギャップがまた面白く、メンバー紹介ではベースの佐藤さんの名前を憶えていないという一幕も。 おかげでこちらにも「佐藤さん」という名前がすっかり刷り込まれたのだが。 そんなこんなで(?)、ファースト・セットは約40分ほど、わりと短めに終了。 与世山さんが加わってからは、4曲か5曲ほどだったと思うけど、うろ覚えな上、曲名はさっぱり分かりません。 そして、しばしの休憩の後、セカンド・セットがスタート。 登場するや否や、菊地さんの目は明らかに南さんの姿を探している。 やはり一人だけ客席の間を縫って登場する南さん、ステージに上がるとウーロン茶を注文。 マイペースぶりが素晴らしい。 再びトリオで2曲ほど。 最初の曲、知っている曲だが曲名が出て来ない。 ジョアン・ジルベルトもやっている(はずだが、うろ覚え)し、ボサノヴァなどではお馴染みの曲。 で、与世山さんが登場。 歌ったのは、何曲だったか、これまたはっきりとは憶えていないが、ファーストよりは長めだった。 歌い出すタイミングが取れず、やり直しなんて場面も2度ほどあったし、メンバー間でちょっとした食い違いなどもあったようだけれど、これもライブならではの楽しさだ。 そんなことも含め、素晴らしく和やかな雰囲気でライブは進行する。 ビリー・ホリデイの曲などもやっていたけれど、曲名は忘れました。 そんなこんなで(?)、セット終わりでは、軽めの"Blue Monk"を演奏をバックに与世山さんが退場し、終了。 "Blue Monk"、もっと聴きたかった。 そして、もちろんアンコール。 アルバム"Interlude"から、"Lover Man"(だったはず)。 欲を言えばタイトル曲も聴きたかったけれど、アンコールっぽい曲ではないし、贅沢は言ってられません。 これもまた、素晴らしかった。 で、これで終わりかと思いきや、与世山さんの指示でもう1曲スタート。 始まったのは、"Summertime"。 様子では、予定になかった曲のようだけれど、ライブを楽しんでらしたということだろうか。 そんな雰囲気が客席まで伝わっていたと思う。 菊地さんは、終始半笑いだったし。 そんなこんなで、盛況のうちに終了。 とても素晴らしいライブだった。 実は朝から若干低調だったのと、前日見たライブが、面白かったがしっくり来ないところもあり、少しモヤモヤしてもいたのだけれど、そんな気分がすっかり吹き飛んだほどに。 また、見たいです。 |
![]() 内橋和久×石橋英子×山本達久 11/06/07 Cafe Flying Teapot - Ekoda, Tokyo, Japan 内橋さんの出演するライブが近場である、ということで、3月以来、2度目のフライング・ティーポットへ。 共演には、9月にAltered Statesと共演していた石橋英子さんと山本達久さんという初めて見るドラマーの方。 で、7時スタートということなので、結構急いで行ってみた。 でも、結局始まったのは7時半頃。 まあ、しょうがないと言えばしょうがないけれど、ここで既に少々テンションが落ちる。 気を取り直して、最初のセットがスタート。 まずはそれぞれのソロということで、山本さんのドラム・ソロから。 ドラム・セットの上にはいろいろな小物やガラクタなど、音の出るものがたくさん雑然と置かれている。 それを見れば、まあどんなことをやるのかは想像がつくけれど、やはり想像通りの演奏。 スティックさばきもなかなか見事で、音の出るものならありとあらゆるものを叩いたりこすったり。 妙に短く、10分程度で終了。 でも、内橋さんの「短い」の一言で再び開始、とは言え、これもたしか5分ほどで短め。 印象はと言うと、面白いところはあったし、悪くはないのだけれど、先人のやっていることを見よう見まねで始めたところからちょっと抜け出たくらい、というところか。 音への入り込み方、集中力が浅く、こちらとしても音、演奏にもうひとつ入り込むことができなかった。 続いて石橋さん。 9月に見た時には少々音のバランスが悪かったので、興味は惹いたのだけれど楽しめたというところまでは行かず。 思ったよりも早く、再び見る機会が訪れた。 で、音響的には今回の会場の方が不利であるにも関わらず、素直にキーボードの音と声が聴こえるので、歌詞もある程度聴き取ることができた。 なんというか、シュールな、白昼夢のような音。 ミニマルなピアノのフレーズが気持ち悪くて気持ちよかった。 結構良いかもしれません。 石橋さんも、15分ほどで終了。 そして、内橋さん。 音への集中力が格段に凄く、聴く側としても緊張感が高まる。 ピット・インの時よりもさらに間近で見たエフェクター捌きが相変わらず凄いことになっている。 雰囲気としては、先日のピット・インでのソロと同様、まずギターで短めに1曲。 個人的には、ここからが本番と行った心持ち。 で、次。 噂に聞いたダグソフォンなる楽器が登場。 前から一度生で見てみたいと思っていたのだけれど、やっと実現。 何と説明して良いのやら分からないけれど、椅子に座って胸から少し下辺りに来る高さの三脚の上に部分にヘラのような形状の木片を取り付け、それを電気シェーバーくらいの大きさの何か(何だか分からないので何かとしか言いようがない)で押さえつけたり、調整しながら弓で弾いたり、エンピツで叩いたり。 すると、エフェクター経由でアンプに繋がっているので、そこから不思議な音がする。 人の声のようにも聴こえ、この楽器を使った最初の曲では井戸の底から聴こえる呻き声のような。 で、木片を取り替えてもう1曲。 いろいろな形、材質の違う木片が置いてあって、どうやらそれぞれ違う音が出るらしい。 今度は弾き方によっては女性の声のように聴こえる。 「イヤ~ン、イヤ~ン」だとか。 気持ち悪くて、面白い。 これは凄く良い体験だった。 内橋さんもトータル15分ほどの演奏で終了。 休憩を挟み、今度はデュオ・セット。 まずは、内橋×山本デュオ。 お互いに煽り煽られで盛り上がるところはなかなか良かったし面白かった。 ただ、少々行き当たりばったり感が強かったか。 たしか2曲ほど。 続いて、内橋×石橋デュオ。 まず、内橋さんはダグソフォンを使用。 ピアノの練習をしている横で変な音を出して邪魔をしているかのような風情。 そして、途中からギター。 どうやら9月の共演と時と同様、石橋さんの曲を下敷きに内橋さんが音を乗せていたようだが、どうだろう。 先に書いてしまうけれど、複数のプレイヤーによる演奏ではここが一番面白かった。 デュオ・セットはトータルで40分ほどだったと思う。 そして、再び休憩、トリオでの演奏。 内橋さんはダグソフォン>ギター、石橋さんはフルート>ピアノ>フルート、という感じに楽器をチェンジ、そして山本さんのドラム。 この演奏の前の休憩はあんまりいらないような気がしたし、そのまま続けてくれた方がありがたかった。 実際、演奏が始まっても何だかこちらの集中力が切れてしまった上、ドラムのバリエーションの少なさが少々気になってしまったりも。 多分、この日一番の見せ場のはずが、もうひとつ乗り切れず。 残念。 で、アンコール。 内橋さんが疲れてしまったということで、静か目に。 内橋さん、石橋さんの演奏に対し、ドラムの音数が多すぎ、やはりもうひとつ乗り切れず、と言ったところか。 なかなか難しい。 という訳で、個人的には少々尻すぼみ気味に終了。 終了後、周りでは、面白かった、という声が多かった。 もちろん、それを否定したりとかそんなつもりはないけれど、自分としては面白いところもあった、というくらいだったと思う。 でも、内橋さんの演奏を間近で見ることができたのと、なにより初ダグソフォン体験だったのが嬉しかった。 なので、まず良し。 演奏者の持つ緊張感ってやっぱり大事だな、と改めて感じた夜でした。 余談です。 ダグソフォンについて検索してみたので、それについて書こうかと思っていた。 でも、ここまで書くのに結構時間がかかったので、またの機会にしようと思います。 寝るのが遅くなるから。 またの機会があるかは分からないけど。 |
![]() Neil Young Chrome Dreams II 案の定、ボックス・セットの方は発売が延びているようだけれど、ここのところ妙に精力的なニール・ヤングの新しいアルバムがリリース。 もちろん、聴きます。 このアルバムは、77年にレコーディングされお蔵入りになった"Chrome Dreams"というアルバムに収録されるはずだった曲が3曲、新曲が7曲という構成。 その"Chrome Dreams"がお蔵入りになったこととか、その経緯とか、実はあんまり知らないし、ろくに調べもしていないので、どの曲が昔の曲なのかも今のところチェックしていない。 ただ、"Chrome Dreams"がリリースされていないにも関わらず、いきなり"II"にしてしまう辺りが、いい加減で良いなと思う。 で、聴いてみると。 1、2曲目が、近作で言うと"Prairie Wind" でも、3曲目"Ordinary People"では例の引きつったギターがちゃんと聴くことができる。 最近の数作の雰囲気がバランス良く配置されていて、曲によってはBuffulo Springfield時代まで遡りそうな感じもあるし、さらに曲によってはあんまりニールっぽくないものまであり、なかなかバラエティに富んでいる。 で、さらに、これまたあまり事情を良く知らないのだけれど、古くからのファンにとっては、どうやらその3曲目の"Ordinary People"がこのアルバムの目玉でもあるらしい。 たしかにライブ盤でもないのに、アルバム中最長の18分もあり、聴き応えあり。 ニールに関心のない人にとっては退屈かもしれないけど、延々、タラタラと続く感じはぜひ生で聴いてみたいところ。 できれば、このアルバムのようなホーン入りではなく、4ピースとかで。 いや、贅沢言わないので、ホーン入りでも良いです。 精力的、と言えば、もともとそういうイメージがあるが、一度倒れて復帰してから、さらにその傾向が強くなっているような気がする。 アーカイヴ・シリーズといい、今作のように一度お蔵入りになった曲を復活させたりと、思いついたことはすべてやり尽くす、という意識でも働いているんだろうか。 元気なのは嬉しい限りです。 という訳で、世間の評判は全然チェックしてないから分からないけど、好きです。 良いと思います。 |
![]() Altered States 4 95年の、多分タイトル通り4枚目のアルバムなんだと思う。 中身は、95年4月6日、ニッティング・ファクトリーでのライブ演奏。 3Daysの時、給料日直前だったので、買うつもりもなくCD販売コーナーを眺めてみるとこのアルバムが売っていて、どうしようか迷った挙げ句、結局買うことに。 ニッティング・ファクトリーでのライブということに強く惹かれたので。 それに、CDを眺めていると、今廃盤になっていて手に入りにくそうなアルバムも幾つかあるし、買えるときに買っておかねば、という気持ちが徐々に大きくなり、負けて(?)しまった。 で。 3曲入りで、タイトルは何か象形文字のような絵が書いてあるのみ。 意味は不明。 この頃はもう既に即行のみでやっていたのだろうか。 その辺も不明。 でも、なかなか面白く、興味深い。 最近の演奏とどこか違うかというと、それほど大きくは変わってないようにも聴こえるが、もっとストレートだし、決めごとも結構ありそうに聴こえなくもない。 明確に違うのが、即行の叫びやら、声が入っていること。 誰?と思ったら、左チャンネルが芳垣さんで、右チャンネルがナスノさんらしい。 芳垣さんはともかくとして、ナスノさんもこういうことやってたのね、と新鮮な気分だ。 ちょっと先日の天鼓さんとの共演を思い浮かべたりもする。 多分、時系列に追って行くと、変化が面白いんだろうなと思う。 聴いたことがある限りでは、ファースト・アルバムから現在へと至る過程として、とても楽しめた。 何とも説明し難いけれど、最近の方がもっともっと理不尽な響きだ。 このアルバムを聴いて思い浮かべたのは、Massacreのこれ |
![]() Altered States 10/29/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 4日で6ステージ祭り、その6です。 いよいよ最後。 3日目は、事前にアナウンスのあった通り、ジェフ・ベック再現プロジェクト。 3回目となるこの再現ライブを見たのは昨年のPink Floydが初めてだった。 元々Pink Floydには思い入れがあったし、ライブも楽しかったのだけれど、やはり冷静に考えて、本当の意味で面白かったのは前日の方。 加えて、ジェフ・ベックは、今までほとんど聴かずに過ごして来たので、今回の内容についてはそれほど興味があった訳でもなく、縁起物(?)というか、どうせなら3日間全部見てやろう、くらいの気持ちだった。 普段、あんなことをやっている人たちが、こんなことをして真剣に遊んでしまうのを楽しもう、と言った具合だろうか。 で、今までジェフ・ベックをあまり聴いたことがない、と言うわりには、実はかなり昔に1度だけライブを見たことがある。 アルバム"Flash" その頃、友人に聴かせてもらったアルバムは全然ピンと来なかったのだけれど、ライブの方は素晴らしかったことを思い出す。 でも、なぜかジェフ・ベックにハマることはなく、今日に至る。 嫌いな訳ではないし、凄いギタリストだとは思っているが、そんな程度です。 そして、8時を10分過ぎた辺りで、ファースト・セット開始。 メンバーは、Altered Statesの3人の他、2日目も活躍していた岡本洋さんともう1人、キーボード(と1曲でギター)で青木タイセイさんが加わる。 ステージ上は、リラックスした様子もありつつ、普段とは違う妙な緊張感が漂う。 この3日間、コピーするのが相当大変だったと、ことあるごとに仰っていたけれど。 まずは、これ ![]() かと思っていたけど、どうやら1曲やっていなかったらしい。(tldさん情報) 個人的には、友人に録音してもらって、唯一まともに聴いたことがあるのがこのアルバム。 でも、当時フュージョン風な音に全然馴染めなくて、"Cause We've Ended As Lovers"(悲しみの恋人達だっけ?)ばかり聴いていた。 なので、細かいところはまったくと言っていいほど記憶なし。 で、始まってみるともの凄く格好良かった。 曲そのものも、今なら全然平気。 それになかなかこういう音を生で聴く機会もなく、単純に楽しい。 徐々にどんな感じだったか思い出して来た。 1曲目の最初のところだけで、「ついでの3日目」という気持ちが吹き飛び、やっぱり来てよかったと思った。 何より、演奏がもの凄い。 内橋さんは、もちろん例のストラト、白いフェンダーのアンプ、そして時々トーキング・モジュレーター。 聴くところによると、所々ミスがあったようだけれど、元々あまり聴き込んでいなかったアルバムだったこともあり、そういったことも気にせず、「ギタリスト内橋」を堪能。 ここでまたひとつ引き出しの多さを実感した。 そしてまた、もちろん凄いのが芳垣さんとナスノさん。 どこまで再現に努めていたのか分からないけど、本人達の持ち味も色濃く現れていたと思う。 特にナスノさんは、Altered Statesではブリブリ弾きまくることは少ないので、新鮮かつ、やっぱ凄い人だと実感。 乾いた音が素晴らしくハマっていて良かった。 エゲツないほど凄いリズム・セクションの2人。 で、キーボードのお二人。 岡本さん、大活躍。 やはり細かいところを知らないので自分では判断できなかったけれど、かなりの再現度だった模様。 青木さんは、バッキングに徹していたので前面に出ることはほとんどなかったが、多才ぶりを遺憾なく発揮。 昨年よりも参加人数が少ないけれど、その分、凄い人たちの凄い演奏がギュッと凝縮され、完成度も今年の方が良いと思う。 しばしの休憩の後、セカンド・セット。 今度は、これ ![]() やはり丸ごとかと思いきや、1曲やらなかったようだ。(同じくtldさん情報) このアルバムは、聴いたことがない。 もちろん知っているけど。 でも、聴いていると、所々聴き憶えのあるところがあって、知らず知らずのうち、どこかで耳にしていることに気付いたりもした。 まあ、名盤ですから。 演奏の方は、もう言わずもがな。 雰囲気としては、どちらかと言えば"Blow By Blow"が好きだったかも。 それも比較的馴染みがあったからかもしれないけど。 "Wired"のラストでは、ドラムなし、岡本さんはピアノ(その前の曲で完全燃焼?)、青木さんがギター、と内橋さん、ナスノさんという演奏。 多分、初めて聴く曲だが、時々、ヨレッとしていたような気が。 で、メンバー紹介の時の、ナスノさんの「最後の曲もう1回やりたい」の一言に内橋さんも同意(激しく)、再び演奏、客は喝采。 でも、順調に始まり、順調に終わるか、と思いきや、ギターソロの途中で内橋さんが痛恨の音外し。 しっかり笑いを取ることも忘れず。 で、ミスしたところのちょっと前から再開、無事終了。 2度目の演奏の方がたしかに出来は良かったが、中断が惜しかった。 面白かったから、いいけど。 で、いよいよアンコール。 これ ![]() 演奏は、Altered Statesの3人のみ。 なんか聴いたことあるなと思って、隣にいらしたSardine Headの川田さんに尋ねてみると、"Jeff's Boogie"と教えてもらった。 ああ、そういえばそんな曲あったなと思いつつ、曲と曲名がまったく一致していないことにも気付いた。 これはもう、ギタリストによる、ギタリストのための曲だ。 ドラムとベースは、本編に比べるとシンプル(あくまで比べると、ということです)だが、ギターはえらく難易度が高そうで、見ていてハラハラした。 で、途中で、ピタッと演奏が止まり、あまりに見事に、自然なブレイクに聴こえたので、そういうアレンジなのかと思ったら、ステージ上の3人が何やら相談し始める。 どうやら展開を忘れたとか、そんなことらしい。 どのくらい間が空いたかは分からないけど、その場では結構長く感じた。 そして、気を取り直して再開。 無事終了。 終わってみると、見る前に考えていたよりもずっと楽しめた。 もしかすると、元ネタをあまり知らない方が良いのかもしれない、と思ったりもした。 演奏の面では、もちろんミスなどはあったと思うけれど、気になることもなく、凄い人たちの高度な遊びとして堪能できたと思う。 やはりとんでもない人達だ。 通常の音とのギャップが、また良し。 来年は、もっと簡単で楽しいやつ、とのことですが、どうなるでしょう。 と言う訳で、これでおしまいです。 デイヴ・ホランドから始まり、非常に楽しい4日間でした。 今年は、いろいろとライブをたくさん見て来たけれど、間違いなくピークのひとつでしょう。 寝不足がまだ解消しません。 |
![]() Altered States 10/28/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 4日で6ステージ祭り、その5です。 第2夜は、ファースト・セット、セカンド・セット、共にそれぞれ1人ずつゲストが入るという趣向。 ゲスト入りとはいえ、3日間の中では最も通常のAltered Statesの姿に近い演奏が期待されるので、実は最も楽しみにしていたのがこの日。 まず、ファースト・セットのゲストに岡本洋さんがピアノ、キーボードで参加。 岡本さんは、コピー大会、もとい、再現プロジェクトには欠かせない方で、昨年のPink Floydでも重要な役割を担っていた。 でも、あの時はあまり顔が見えなかったので、初めてまともにどんな方かを知った。 それに実際、普段どういう演奏をしているのか知らないので、どんな音になるのかも想像つかないところがあった。 で、始まってみると、いつもの感じで、静かめなところから徐々に徐々に盛り上げて行ったり、かと思えば、あっちへ行ったり、こっちへ来たりのめまぐるしい展開。 同じピアノでも、当たり前だけど、昨年の高橋悠治さんとの共演とは雰囲気が違う。 気心が知れた間柄だからなのか、遠慮がないというか。 激しくなるところでは、ピアノなど初めからないかのようにグイグイと攻めるし、時々、芳垣さんのドラムがピアノの演奏に寄り添ったりと、いつものことだけどかなり面白い。 座席の位置的にギター・アンプ(翌日のジェフ・ベックのために用意されたと思しき白いフェンダーのやつ、アンプの上にはトーキング・モジュレーター)の音が直撃だったので、ピアノの音が聴こえにくかったのだけれど、音が抑えめになった時にオーソドックスなジャズ・ピアノ風の演奏が浮かび上がったりして、かなり新鮮な展開もあった。 ピアノとの組み合わせも面白い。 そんな感じで、約45分ほど、ぶっ続けで終了。 続くセカンド・セットでは、天鼓さんという女性ヴォーカリストがゲストに登場。 今回、初めて知ったので、どんな方だろうと思っていたら、見た感じ普通の、まるでスポーツクラブ帰りの主婦のような方だった。 で、始まってみると、見た目からは想像もつかない絶叫、Altered States側もそれに応えるかのように激しく対応。 内橋さんのギターは荒れ狂い、芳垣さん叩きまくり。 もう、暴力的と言ってもいいほど。 ここまで激しい展開は、意外と少ないかも。 凄かった。 セカンド・セットが始まってしばらくして、内橋さんのギターの弦が切れたらしく、いつものSGから翌日のために購入したというストラトキャスターに持ち替えていたが、アンプとの相性がいいのか、よりストレートに激しく耳に突き刺さる。 おかげで次の日の昼間は耳がおかしかった。 そういえば、書き忘れていたけれど、1日目のセカンド・セットもこのストラトを使っていました。 やはり展開の方は、上がったり下がったりとグルングルンに振り回される感じで、圧倒される。 聴く前は、ヴォーカルが入るということでどちらかと言えば「静」な展開になるのかと想像していたが、見事に裏切られた。 もちろん、良い方に。 ただ、中盤辺りから、ヴォーカルのパワー不足、バリエーションの少なさがちょっとばかり気になり始め、ファーストの時のピアノ同様、位置的に聴こえにくかったのと併せて、天鼓さんのヴォーカルに関してはあまりピンと来るものがなかったのが正直なところ。 ちょっとPILのようなところは、面白かったりもしたのだけれど。 山塚(旧姓)アイとか、マイク・パットン辺りがぶつかったら、面白そう、と思った。 昨日の夜。 そんな感じで、セカンドも約45分ほどで終了。 アンコールは、岡本さん、天鼓さんの両者を加えた5名で1曲。 激しかったセカンドとは対照的に、音を探り合うような、そんな雰囲気。 これはこれでまた良し。 全体としては、ヴォーカルの面でもうひとつなところはあったけれど、それを差し引いてもかなり充実した内容だった。 なにより普段ないものが加わることによる、3人の反応の変化が面白かった。 もう3日とも見終わっているので、先に書いてしまうと、やっぱりこの日が一番凄かったし、面白かったと思う。 期待通り。 この日は、別の場所で山本精一&外山明デュオなんて、面白そうな、そして、客層が被りそうなライブがあり、やや客足が鈍かったのだけれど、どちらか迷って来なかった人は後悔するといいと思います。(でも、向こうもそう思っているかも) という訳で、3日目に続きます。 |
![]() Altered States 10/27/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 4日で6ステージ祭り、その4です。 台風の最中、しばし時間をつぶした後、夜の部へ。 Altered States 3Daysの初日、この日はリクエスト大会という触れ込み。 4月のライブでは(もうそんなに経つのか)、アンコールで客にリクエストを求める場面があったけれど、その拡大版と言ったところか。 さて、どんな感じになるんだろう、と思って行ってみると、紙と筆記用具が用意してあり、リクエストを記入の上、カウンターの箱に入れるという趣向だった。 なるほど。 何かリクエストしようかとも考えたけれど、あまり真面目すぎるのも違うだろうし、かといって他に思い浮かばず、考えるのも面倒なので辞退。 で、いよいよスタート。 今回は、3日間中、唯一メンバ-3人だけの演奏だが、登場するや否や、いつもとはちょっと違ってリラックスした様子で和やかに。 まず、いつもの感じで挨拶代わり(?)に1曲演奏し、2曲目からいよいよリクエストされた曲が始まる。 なんやかんやあって、「ツァラトゥストラはかく語りき」に決定。 なかなかいいところを突いた選曲だ。 クリムゾンやザッパ辺りのリクエストが多かったようだけれど、もちろん、それはそれで聴いてはみたいが、ちょっとそういうのは違うだろうなと思っていたので、なるほどなと納得するものがあった。 演奏の方は、ちゃんと原曲のフレーズとAltered States的な展開を織り交ぜたものだった。 その曲や曲名からインスパイアされた完全即行をやるもんだと想像していたのだが、どうやら違ったらしい。 なるほど、とここでも納得。 続いて「コーヒールンバ」というのもなかなかいい選曲で、途中、笑いが起きるような場面もあったり、なかなか面白い。 そして、次がファースト・アルバムに収録の「嵐が丘」という曲。 今ではやらなくなったこういう昔の曲をリクエストするもの面白そうだなと思っていたところ、やっぱり同じように考えている人がいたようだ。 多分、長年のファンの方なんじゃないかと思う。 このバンドのライブを見に行くようになって、たかだか1年半程度の自分はもちろん生で聴くのは初めての曲。 これがまた、えらく格好良く、アルバムを聴き直してみなければ、と思った次第。 この日のハイライトその1。 で、"Hey Jude"と来て、後で冷静に考えれば、この日最も異質だったかもしれない"Oleo"。 内橋さんって、こんな風にも弾けるんだ、と思ったほど、ジャズ寄りなギター。 引き出しの多さを垣間見た気がする。 でも、抑えめながらもちゃんといつもの雰囲気も漂わせ、興味深い演奏だった。 個人的には、ハイライトその2。 で、ファースト・セットは、美空ひばりの「愛燦燦」という渋めな曲で締め。 しんみりしていて、なかなか良かったです。 しばしの休憩の後、セカンド・セット。 映画「ゴッドファーザー」のテーマ、サブテーマ(愛のテーマってやつ?)のメドレー(ミックス?)から。 これもなかなかいい選曲だった。 続いて、"Yellow Submarine"は、やや適当な感じで短めに。 で、なかなか面白かったのが、次。 客が本(数学関連の本の序文だった)を朗読し、それに3人が演奏を付けるというもの。 朗読も特別うまい訳ではなく、素人丸出しな感じ。 でも、偶然かもしれないが、良い間をあけたりもするので、妙なとぼけた雰囲気が演奏に合っていた。 というより、演奏する方が合わせていたのか。 呼ばれてステージに上がってしまう度胸はなかなかのもの。 ハイライトというほどではないけれど、面白かった場面だ。 そして、「蛍の光」、「いとしのレイラ」(敢えて邦題)と来て、次にちょっと驚くことが。 ここでゲストを、ってことで、UAが呼ばれる。 休憩が終わってメンバーが楽屋から出てくる時、やけに垢抜けたスラッとした女性が一緒に出てくるのが見え、帽子を目深に被っていたのではっきりとは分からなかったものの、横顔がちょっとUAに似ていたので、ハッ、と思ったのだけれど、でも、まさか、という気持ちの方が大きかったので、特に気にせずにいた。 でも、本人だったようだ。 で、"Sex Machine"。 強烈な演奏。 UAはと言えば、打ち合わせとちゃうやん、とか言いながら、しっかり即行で歌っていた。 声が力強く、3人の出す、もの凄い音に全然負けていない。 ステージ上でのまったく物怖じしない立ち振る舞いといい、歌唱力といい、まるっきり別種の生き物が現れたような。 やっぱ凄いな、この人、と素直に感心するばかり。 続いて、「コンドルは飛んで行く」から、この~きなんのききになるき~、でお馴染みのCM曲「日立の樹」へのメドレー。 コンドルの方はともかくも、日立の方は「気になるよ~、気になるよ~」とかまるっきり適当なことを歌っていて面白かったけれど、即行演奏にはこういったある種の適当さ、いい加減さが必要なんだなと、そんなことを考えたりもした。 つい、さっき。 間違いなく、この日のハイライトその3。 Metallica、聴いてみたかったです。 で、UAが引っ込んだ後、内橋さんがお好きだと言う「舟歌」で締め。 もちろん、あの「舟歌」。 なんだかちょっとチコ・ハミルトンみたいな雰囲気もあり、なかなか渋めで「愛燦燦」同様良かったと思う。 そして、アンコールでは、再び昔の曲を。 何かのコンピレーションに入っている曲だそうだが、内橋さんも曲名を忘れたとのこと。 もちろん、聴くのは初めて。 これもまた、格好良かった。 んで、後で"Bug"という曲名(たしか)であることが判明。 なるほど。 全体としては、普段と比べると抑えめな演奏が多かったので消化不良なんて声も聞かれたけれど、個人的には、いろいろな面を知ることができ、かなり楽しかった。 特に内橋さんのギタリスト、演奏者としての引き出しの多さに、昼の部の演奏と合わせて、唸らされた。 もちろん、知っている曲でも知らない曲でも、さも元々そういう曲だったかのように演奏する芳垣さん、ナスノさんの演奏も。 それと、昔の曲、また生で聴ける機会があればいいなとも思いました。 という訳で、2日目に続きます。 |
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