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← 2007年12月 →- 祝(?)、初カヴァー [2007/12/31]
- 木箱入り [2007/12/30]
- どこから手をつけましょう [2007/12/29]
- お得です [2007/12/28]
- 記憶にありません [2007/12/27]
- もっとちゃんと歌っていれば [2007/12/26]
- 役割分担 [2007/12/25]
- 少しは仲良くなれた気がします [2007/12/23]
- コントラスト [2007/12/22]
- 鼾がフェードイン [2007/12/21]
- 意外と良い曲多いね [2007/12/18]
- 経て [2007/12/17]
- もっと曲を覚えたい [2007/12/16]
- 荒削り [2007/12/12]
- 少し若さを感じます [2007/12/11]
- ほどよく近い [2007/12/10]
- ちゃんとチェックしとくべきでした [2007/12/08]
- ライブはこんな感じ [2007/12/06]
- 7年かかって撤回します [2007/12/05]
- 圧 [2007/12/04]
- 好きなんだけど、短めです [2007/12/02]
- いいじゃないですか [2007/12/01]
![]() Sardine Head 12/30/07 Crocodile - Shibuya, Tokyo, Japan 個人的には、1年でこんなにたくさんのライブを見たのは初めてだった今年ですが、その締めくくりは恒例Sardine Headの年末ライブ。 という訳で、渋谷クロコダイルへ。 ほぼ定刻8時にスタート。 最近聴いていない"Shuffle"が1曲目だと良いなという、希望&予測をしていたのだけれど、残念ながらはずれ。 イントロからするに、いきなり"Soil"かなともうのも束の間、"Loop"へ。 この曲を1曲目に持ってくるなんて、誰も予想してなかったんじゃ? いつもとちょっと違い、少しテンポを落としたアレンジが良かった。 で、次"Cream Cheese Cake"と来て、ここから怒濤の1時間半のファースト・セット。 ここから記憶が塊のようになっていて、もう細かい所がどうこうではなくなってますが、ここ最近ではノリの良さで持って行く所と混沌とした渦を作り出す所のバランスが良く、とても良い演奏だったと思う。 ![]() ![]() で、しばしのご歓談のあと、セカンド・セットがスタート。 ここで来ました、"Shuffle"が。 惜しい。 久しぶりに聴くこの曲は、またさらに凄いことになっていた。 そして、ここからまた記憶が塊のように。 多分、聴いたことのない曲があり、新曲なのかどうかも分からないけれど(嘘です、"田園の東"でした、鰯メモ)、そこからKing Crimsonの"Red"ヘ繋がるという、思い切った展開もあり。 バンドの通常の演奏として、カヴァーは初めてということで、なかなか新鮮だった。 特にアレンジを施している様子もなく、ストレートに演奏していたけれど、しっかりSardine Head風味になっている所はさすが。 ちなみに個人的には"Red" ![]() ![]() で、終盤、"Block Signal"と来て、ダメ押しに"Soil"。 さらにアンコールで、"Spiral"だったか?、すいません曲名と一致してませんが、ともかく先日のユーコトピアで大胆なアレンジを施されて久しぶりに登場した曲を。(いや、訂正、"Strip Star"でした、これも鰯メモ) 最後にふさわしく濃い演奏だった、と思ってたら畳み掛けるように"Movin'"。 "Loop"を最初にやってしまったから、最後は"Movin'"かなと思っていたけれど、まさかアンコールの2曲目とは思いもよらなかった。 終わってみると、12時ちょい過ぎ。 セカンド・セットはアンコール込みで怒濤の約2時間。 最後は、なぜか「小田原バンザイ」のかけ声で終了。 ![]() ![]() MC少なめ、ちょっと曲をつめ過ぎじゃない?というくらいにストイックに曲を畳み掛ける場面が多く、今年1年分を叩き付けるようなライブだったと思う。 ともかく、締めにふさわしいほど濃かった。 堪能しました。 お疲れさまでした。 また、来年も期待しています。 ![]() ![]() 今年は、これが最後の更新。 最後は写真でごまかし気味に失礼します。 1年間お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。 来年も、引き続きよろしくお願いいたします。 そうだ、忘れてました。 今回の写真諸々。 2007-12-30 Sardhin Head At Crocodile もっとうまく撮れるよう、精進いたします。 スポンサーサイト
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![]() Magnolia Electric Co Sojourner いつの間にか出ていたボックス・セット。 リリースは今年の8月だったらしい。 まったくチェックしていなかったので、気付いたのがたしか10月頃。 でも、ボリュームもあるし、値段もボックスにしては高くはないけれど、なんとなく今度買おうと思いながら見送っていたら、いつの間にか注文できなくなっていたりしていたので、今月に入ってから慌ててAmazon.comの方で注文した。 オフィシャル・サイトをチェックしてみたら、5000セット限定だそうだ。 中身の方は、4CD&1DVDで、CDのうち1枚はEP。 それぞれにタイトルが付けられていて、順番に"Nashville Moon"、"Black Ram"、"Sun Session"(EP)、"Shohola"(ジェイソン・モリーナのソロ)、"The Road Becomes What You Leave"(DVD)。 録音時期も場所も異なるようだ。 ただ、EPはともかくとして、40分超えているのは1枚目の"Nashville Moon"のみ、他の2枚のアルバムは30分前後という短いもの。 収録時間だけで言ったら、2枚組で充分足りる。 そして、木箱入りで、メダルとかよく分からないおまけ付き。 なぜ、今、こういう仕様でリリースしようと思ったのかはよく分からない。 で、聴いてみると、相変わらず地味ながら、なかなか充実した内容だった。 この枚数だと飽きるかなと想像していたし、前作"Fading Trails" それぞれメンバーが違う録音なので多少の雰囲気の違いがあるような気もするが、基本的にはそう変わらないし、以前と大きな違いがあるかと言えば、まったくと言っていいほどない。 でも、何だか妙に良かった。 それとDVD。 これもまた短めで、20分程度。 中身は、自身の曲をバックに、アメリカの荒涼とした風景や、ツアーの様子、例えば移動中のバスの中、買い物の様子、食事の様子(中華?)、演奏シーンはほんの少しながら、ライブ会場での様子、などなど。 これらが、淡々と映し出されているだけ、と言えばそれだけ。 でも、これも何だか妙に良い雰囲気。 「マグノリア・エレクトリック・カンパニーで予約してるんだけど」(たぶん)とか言いながらホテルにチェック・インしている様子や、自分たちの緩やかな曲がバックに流れているにも関わらず、映像の方はメンバーが代わる代わるカラオケで熱唱している姿が映し出されていたりだとかが妙に面白かったり。 ずいぶん短いなと最初は思ったが、長過ぎないのが良かったようにも思う。 "Fading Trails"の時に何書いてたかなと思って読み返してみたのだけれど、前作も4カ所で録音された曲を収録したものであったことを思い出した。 もしかすると"Fading Trails"に収録されなかった残りの曲がこのボックス? 仮にそうだとしたら、このボックスの方が良いと思うし、少なくとも自分は好きだ。 聴いたタイミングが良く、その時の心持ちにこの雰囲気がハマっただけかもしれないというのもあるけれど。 一応、"Fading Trails"も聴き直してみたが、やっぱりそう言う結論に落ち着いた。 前述の「なぜ今この仕様でリリースしたか」については、インタビューなどもチェックしてないし、まったく分からないけれど、これを今のタイミングでまとめて吐き出す必然性がジェイソン・モリーナの中にはあったんだろうなと想像するが、どうなんだろう。 とりあえず、内容が良かったので満足はしてます。 |
![]() Duke Ellington The Ellington Suites 一体どのくらいの作品を残しているのか、知ることが出来るのかどうかも分からないけれど、脈略もなくこのアルバムを聴いてみた。 「女王組曲」「グーテラス組曲」「ユーウィス組曲」という三編の組曲が収録されている。 録音は、それぞれ58年、71年、72年。 いずれも生前未発表、しかも「女王組曲」に至っては自費で録音し、1枚だけLPをプレスしてエリザベス女王に献上したとか。 ということを今さっきライナーを読んで知ったばかりで、驚いていたところ。 エリントンと言えば、"Money Jungle" "Money Jungle"を聴いて、大いに興味は持っていたのだけれど、何となく機会を逃していた。 で、聴いてみると、これがまた他に比べるものがなく、なんと表現して良いのやら、今のところ見当もつかない。 でも、ゴージャスだったり、エレガントだったり、そういった雰囲気を保ったまま、実験的と言うとちょっと違うかもしれないが、スリリングで高度で非常に練られたアンサンブルが繰り広げられていて、さらに聴いていて非常に心地がよく、想像していた以上に素晴らしかった。 エリントンのピアノが、ここぞという所でとても印象的。 こりゃ凄い、と素直に思う。 最も印象に残るのは、やっぱり最初の「女王組曲」だろうか。 多分、数年前だとちっとも面白く感じなかったと思うが、一応、自分の間口が少しは広がっていることを実感しつつ、素直に喜びたい。 そんな心持ちです。 ただ、他の作品も聴いてみたいのだけれど、一体どこから手をつけていいのやら。 |
![]() Eric Kloss & The Rhythm Section Eric Kloss & The Rhythm Section 先日、"One, Two, Free" でも、どうやらCD化されてないようなので、残念に思いながらもう少し調べてみると、どうやら"Consciousness!"というアルバムとともに1枚のアルバムにまとめられていることが分かった。 しかも、"Conciousness!"にはパット・マルティーノまで加わっている。 さらに興味が湧く。 それがこれ。 でも、これも少々手に入りにくくなり始めているようだったので、即注文。 ちなみにこのCDの前半にあたる"To Hear Is To See!"が69年、後半"Conciousness!"が70年の録音らしい。 という訳でして。 音の方は、メンバーと時代から想像する通りと言えばそんな音。 このメンバーならマイルスのバンドを思い浮かべざるを得ないが、たしかに"One, Two, Free"同様、そんな雰囲気を思わせるところはある。 リズム面ではマイルスのバンドほど複雑なことはやっていないし、ファンキーなリズムと柔らかい感じのサックスが絡むとそれはそれなりに違った雰囲気を醸し出していると思う。 この辺がエリック・クロスの持ち味なんだろうか。 まだそこまで感じ取れていないけれど。 で、ここにマルティーノが加わると、また少し雰囲気が変わり、全体的にフリー度が高まるのが面白い。 このCDの中盤、"Conciousness!"の1曲目にあたる曲がどこかで聴いたことがあるメロディーだなと思えば、ドノヴァンの"Sunshine Superman"。 "One, Two, Free"でのキャロル・キング同様、なかなか思い切った選曲。 まさか、この曲をこんなメンバーによる演奏で聴くことになるとは思いもよらず、な感じで、でも、当然の如く、中盤ではまったく別の曲と言っても良いほどの展開に。 なかなか格好良いです。 その他、マルティーノのギターがやっぱり良くて、ギターが登場すると少しばかりサックスの印象が薄れてしまう。 でも、前半同様、鋭い展開になっても独特な柔らかい感じのサックスが刺々し過ぎなくて、妙に心地良かったりもする。 個人的にはアルバムのインパクトとしては、"One, Two, Free"の方が上だったのが正直なところだけれど、このメンバーにピンと来るものがあるなら普通に楽しめる、そんなアルバムではないかと思うし、実際自分も楽しんでいる。 もう少し聴き込むと面白くなるかも。 |
![]() The Boo Radleys Learning To Walk 前回のエントリーを書くためにディスコグラフィーを調べてみたら、もう1枚記憶にないアルバムがあることに気付いた。 でも、ジャケットには見覚えがあり、何となく持っていたような気がして棚を探ってみたら、ありました。 どうやら、前回の"Everything's Allright Forever" そんなこのアルバムは、"Everything's~"と同じ92年のリリースのようだけれど、中身はもっと以前のシングルやらピール・セッションの音源やらNew Orderのカヴァーなどを寄せ集めたコンピレーション、らしい。 そんなこともすっかり忘れていたが、"Everything's~"が悪くはなかったので、これはどうなのかなとCD屋で手にとって眺めていたことを思い出した。 中身の方は、もう本当にまったくと言っていいほど記憶がない。 1曲目からいきなりヴォーカルが外し気味で、ああ、これはたしかに記憶に残らんなと納得。 バンドの初期らしく、例えば中にはオリジナル・メンバー時代のDinosaur Jr.のような音の曲もあり、後のアルバムでは聴くことの出来ないルーツの一部が窺えたりするのは面白いけど。 アイデアはいろいろとあっても、まだそれが実を結んでいないような感じか。 コンピレーションということもあり、やや散漫な内容というのもあるし。 とは言え、曲が進むにつれ徐々に完成度が上がり、バンドの成長の具合が分かったりもするので、そう言う意味では面白いアルバムだと思うし、90年の最初のリリース作品から93年の "Giant Steps" でも、まあ、今更これを聴くか、って言うとまあ別に聴かなくても、というのが正直なところ。 聴いてるけど。 多分、当時、この辺りからスタートして順に追って行ったならもっと印象が違うんだろうと思う。 そんな感じです。 |
![]() The Boo Radleys Everything's Alright Forever 92年のファースト・アルバム、とばかりずっと思っていたのだけれど、調べてみたらこの前にもう1枚あるらしい。 まったく知らなかった。 という訳で、92年のセカンド・アルバム。 このバンドは、まずこの次のGiant Steps そして、当時のこの辺りのバンドに対するイメージ通りで、ちょっと弱々しい感じが馴染めず、なのが最初の印象。 でも、しばらく経ってから何となく気に入り、"Giant Steps"ほどではないにしろ、わりと聴いていた、そんなアルバム。 久しぶりに聴いてみると、以前は"Giant Steps"とはほとんど別物として聴いていたけれど、稚拙ながらも後に繋がるものが感じられたり、それなりに発見(と言うと大袈裟かも)もあった。 でも、突然ギターが大きくなる、そんなアレンジを微笑ましく思ったり、後のアルバムではしっかり歌っているのに、ここでの「弱」な歌い方が物足りなかったり、まあ、そんな時代だったのだなと、中途半端に古さを感じたりも。 と、ブツブツ言いながらも何度か聴いているうちに、好みな曲や展開、メロディーなんかは所々あるし、元々嫌いな音ではないだけに、結構気持ち良く楽しんでいた入りして。 ただ、やっぱりもっとしっかり歌っていたなら、もっと「残る」作品になったのかもしれないと、そんな風に思うのはたしかだ。 そんなアルバムです。 |
![]() Chris Bell I Am The Cosmos Big Starついでにもうひとつ。 主要メンバーだったクリス・ベルのソロ作品。 詳しいことはあまり知らないのだけれど、たしかBig Star脱退後ソロ活動を開始するも78年に27歳(くらい)の若さで他界したためにお蔵入りになっていたか、それに近かったものを92年にリリースしたもの、だったと思う。 調べてみるとタイトル曲である"I Am The Cosmos"と5曲目の"You And Your Sister"はシングルとしてリリースされていたようだ。 92年というと、Big Starが再評価され始めた頃だし、悪く言えばそれに当て込んでリリースされたという感じでもあり。 まあ、自分もそれに乗ってしまった訳だけど。 そして、これもまた、かなり久しぶりに聴く。 買った当時は、何度も書いているけれど、Big Starのサード・アルバム それでも何度か聴くうちに、"I Am The Cosmos"や"You And Your Sister"あたりは素直に良い曲だなと思うようになり、印象そのものは決して悪くはないアルバムだった。 久しぶりに聴いた印象はおおよそ以前と同じではあるが、思っていた以上にサード・アルバム以前のBig Star、特にファースト・アルバムではクリス・ベル色が強かったのだなと感じた。 バンドが解散してメンバーが各々活動を始めたり、脱退したメンバーがソロ活動を始めたりすると、そのバンドの中の役割分担がはっきりすることがあるけれど、それが分かりやすいくらいに分かるのが面白い。 さらには再結成Big Starに参加したPosiesのメンバーなんかは、アレックス・チルトンよりも、どちらかと言えばクリス・ベルからの方が直接的な影響が大きいのではないかと思える曲もあり、なかなか興味深い。 曲としては、やっぱり以前も好きだった"I Am The Cosmos"と"You And Your Sister"の2曲が最も耳を惹く。 でも、久しぶりに1回さらっと聴いただけなので、もっと気に入る曲もありそうな気も。 もの凄い名盤、ではないけど、まあ良い作品なのでは、と思います。 |
![]() Albert Ayler Albert Ayler In Greenwich Village 取り立てて脈略がある訳ではない(いつも)けれど、何となくアルバート・アイラーなど。 有名な作品なので敢えていろいろと書く必要もなかもしれないが、66年12月と67年2月の録音。 アイラーは、2年ほど前に1枚(いや、2枚組) で、そんな中でもジャケットの雰囲気とか、そんな他愛もない理由で気になっていたこのアルバムを、先日友人が働くレコード店によってみた時に見つけ衝動買い。 1000円だったから。 以前聴いた時の印象としては、よく分からんけど楽しげだな、とか、楽しいけどそう頻繁に聴くものではないかな、とか、そんな感じだった。 あとは、とてもプリミティブな音楽だな、とか。 そして、久しぶりに聴いてみて、正直なところ、未だよく分からないし、どう表現していいものやらさっぱり分からない。 別に表現する必要もない気もするが。 でも、一応、以前よりはもっと素直に楽しめているし、仲良くなれていると思う。 マーチ風ののどかなフレーズがシリアスな演奏の合間に突然出現すると、頭が引っ掻き回されて妙に心地良い。 フリー・ジャズの「フリー」は、演奏する側にとってというだけではなく、聴く側にとってもどう解釈することもできる「フリー」なんだなと、当たり前のところに落ち着いた。 あとは、以前にはあまり感じなかったコルトレーンとの繋がりだとか、日本で言ったら渋さ知らズ周辺なんかは、思いっきり影響を受けているんだなと今更ながら実感したりも。 未だよく分からないながらも、自分なりにいろいろと発見もあり、折りを見て他のアルバムも聴いてみるのも面白かろう、と思っているところです。 というところで、コンプリート盤 どこかでどなたかが取り上げていたことを思い出す。 コンプリート盤を買うべきだったか...。 |
![]() 芳垣安洋2Days/Vincent Trans Logic 12/19/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 2夜連続の芳垣さん企画の1日目。 この日はVincent Atmicusの変則グループのような趣向。 VAは、芳垣さん主催の現行のグループの中で(おそらく)唯一見たことがなく、アルバムも聴きそびれている。 でも、一応、今まで見て来たライブから何となくではあるが、音のイメージは出来ていた。 メンバーは、芳垣さんの活動ではお馴染みな顔ぶれを中心に総勢9名。 なので、省略。 特筆すべきは、3月に江古田で芳垣さんと共演していたチューバ吹きのギデオン・ジュークスの参加だろうか。 10月に日本に来たばかりということだったので、本格的に日本で音楽活動を始めたようだ。 それと、唯一初めて知る人だと思っていたトロンボーンの松本治さんは、浜離宮にも出演している方で、パッと見てすぐに思い出した。 スキンヘッドが印象的だったので。 そして、いつもの感じで8時を10分ほど過ぎた辺りで演奏開始。 芳垣さんと岡部さんのリズムが中心となり、想像していたよりも鋭くリズミカル。 さらに周りを取り囲むパートのほとんどが柔らかい音像の楽器ばかりなので、なかなか面白いコントラストだ。 芳垣&岡部コンビは、とにかく凄い。 ギデオンさんのチューバが結構な重要で、ベースレスのこの日の演奏ではベースの役割を果たし、ステージ上の配置通り芯となるリフを担当することが多かった。 当然、弦楽器であるベースとはまったく違う雰囲気なので、この辺は好みの分かれるところかもしれないが、音も迫力あり、3月の江古田の時よりも印象が良い。 VAとしての演奏を聴いていないので比較は出来ないけれど、その3月の江古田での演奏を拡張したような演奏だ。 この日の曲目は、普段Vincent Atmicusで演奏されるものが中心らしく、初めて聴く曲ばかり、だと思っていたが、もしかすると3月に演奏していた曲もあったのかも。 今思うと。 唯一、物足りなかったのが勝井さんのヴァイオリンか。 座席の位置のせいなのか、音があまり前に出て来なくて、効果的に決まっていたところと、そうでないところの落差が激しかったように思う。 そこだけ、少し残念。 そんな具合で、ファースト、セカンド共に4曲ほどで1時間の演奏、だったはず。 そして、アンコールで1曲。 青木さんの曲は、特徴があってとても印象的だった。 が、既に記憶が曖昧。 と言うのも、既にライブの前に疲れがどっと押し寄せて来ていて、ファーストの2曲目の後半から3曲目にかけ、うつらうつらと聴いていたこともあって。 それだけ心地の良い音だったということもあるし、多分、まだこういった音に耳が馴染んでいなかったということもある。 前日同様、ガツンと来た感じではないが、つまらなかった訳でもないし、面白い演奏を楽しむことは出来たと思う。 とりあえず、これが水谷さんのベースになるとどうなるのか非常に興味があるので、来年こそはVincent Atmicusを見てみたいと思う。 あ、アルバムも。 両日共に、後からじわじわと効いて来そうな、そんな2日間だった。 |
![]() 芳垣安洋2Days/Solo&More 12/18/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 2夜連続の芳垣さん企画の1日目。 この日は、ファースト・セットでソロ演奏、セカンド・セットで高良久美子さん、国立での共演も記憶に新しい曽我大穂さん、さらに映像でササキヒデアキさんという方が共演。 という訳で、まずソロから。 軽く挨拶した後、鈴(でいいのか?)を持った瞬間から演奏開始。 この辺のスイッチの入り方が毎度のことながら凄い。 一瞬で緊張感を作り出す。 盛り上がる場面もあったが、基本は弱音中心。 完全なソロ演奏を聴くのは初めてだったので、想像していたのは10月のButtercup Metal Polishとの共演のような演奏だったが、実際にはOrquesta Nudge! Nudge!の時のように民族音楽を意識した展開が多かった。 国立で曽我さんとやった時に近い印象か。 ドラムセットもほぼ同じ構成だったし。 ともかく、あらゆるものを使い、あらゆるものを叩き、の約40分の演奏。 こんな感じ。↓ ![]() 余談。 芳垣さんの演奏が終わると同時に後ろの席から鼾がフェイド・イン。 その少し前から微かにそれらしい音が聞こえていて、嫌な予感がしていたのだけれど。 まあ、こういう演奏で寝てしまうのは仕方ないとして、鼾もコントロールできるものではないし。 なら、起こせよ、隣の奴、と言いたい。 そして、気を取り直してのセカンド・セット。 こちらは、国立で一度見ているのでおおよそ予想通りな展開だ。 やはり、どちらかと言えば弱が中心の演奏。 ただ、高良さんが加わることで音に広がりがあり、また違った感じで聴くことが出来た。 会場の規模、音響面での違いも大きかったように思う。 さらに、壁に映し出された映像によってさらに緊張感が加わり、ほどよい効果をもたらしていた。 個人的には、このような映像にあまり興味がなかったりするのだけれど、今回の場合は、やり過ぎず、やりなさ過ぎずの加減が絶妙で、センスの良さを感じた。 そんな具合で、70分弱ほどの演奏だったと思う。 終了直後、やはり国立での演奏と比べ、今回の方が広がりがあって面白かったかなと思った。 でも、少し時間が経ってから冷静に考えてみると、国立の時の密な感じも捨て難いと思うようになった。 少なくともインパクトの点では、初見だっただけに国立の方が上だったと思う。 ただ、演奏終盤になると曽我さんがネタ切れ感を漂わせていたのは両日ともに言えること。 もう一歩踏み込んでみると面白いのになと思う。 全体としては、ファースト、セカンド共に半年前の4Daysの時のようにガツンとやられはしなかったものの、面白い演奏を聴くことが出来たと思う。 そして、2日目に。 |
![]() Big Star #1 Record / Radio City アレックス・チルトンのソロ作 これは、72年のファースト・アルバムと74年のセカンド・アルバムをカップリングしたもの。 リリースされたのは92年とかそこいらで、買ったのもその頃。 当時もそれなりに聴いていたし、印象は悪くなかったものの、先に聴いていたサード・アルバム サードほど深みが感じられなかったということもあり。 と言う訳で、一体何年振りになるのかも分からないほど久しぶりだけれど、聴いてみた。 覚えている曲ももちろんあるものの、印象に残っていない曲が多い。 覚えているのは主に前半のファースト・アルバムにあたる部分で、それは通勤時間の関係で前半を聴いて終わりなんてことが多かったからだ。 このアルバムに入れ込んでいなかったので、わざわざ途中から聴き直すなんてこともあまりしなかったし。 で、それが幸いしてか、結構新鮮に楽しむことが出来た。 華やかなファーストと少々落ち着いた印象のあるセカンドという感じか。 覚えていなかった分だけ、特にセカンドの方をしみじみと聴いてしまった。 以前はちょっと軽い感じがしていたファーストも、曲によってはこれはどうかなというのもあるにはあるけれど、今聴くと悪くない。 単純に良い曲が多いなと思った。 このバンドのことはそれほど良く知っている訳ではないので、アレックス・チルトンと共に中心メンバーだったクリス・ベルが両方のアルバムに参加していると思っていたのだけれど、調べてみたら、セカンド・アルバムでは既に脱退していたということが分かった。 分かったというか、もしかしたら、以前は知っていたような気もするが。 ただ、忘れていただけかも。 ともかく、ファーストとセカンドの変化も納得。 加えて、以前はまったくの別物と考えていたサードへ繋がる要素に気付くことも出来たし。 なかなかの再発見だったような気がします。 まあ、サードが一番好きなことに変わりはないけれど。 |
![]() Sardine Head 12/13/07 Yukotopia - Umejima, Tokyo, Japan 8月に行ったきりだったので結構久しぶりなユーコトピア。 ワンマンですので。 行ってみると、前日のピット・イン同様、客足鈍し。 やはり年末の平日だからか。 で、スタート、なんだけど、持ち場についたドラムの小林さんの顔色が明らかに悪い。 青いどころか、照明があたっているせいもあるけれど、灰色。 大丈夫なんだろうか、と思っているところで"Trick Cycling"から。 そして、"Cream Cheese Cake"、タイトル未定の曲、"Killifish Dance"、"Soil"と続く。 ここのところ、遊びすぎと言えるくらい遊んでいた"Cream ~"のコーラス・パートを筆頭に、ほとんど崩すことなく曲そのものをまともに演奏する感じ。 いや、いつもまともに演奏していないという訳ではないし、でも原曲に忠実に、だとそれもちょっと違うし、なんと言っていいのやら。 ともかく、ここ最近の中では比較的ストレートにすっきりとした演奏だった。 意外と新鮮だし、こんなのもたまには良い。 ![]() 続いてセカンド・セット。 "Pool"から、今度は深めに入ってくる。 久しぶりにやったという"Spiral"や"Strip Star"なども。 特に"Strip Star"は、かなり手が加えられていた。 ただ、このセット、普通に楽しむことは出来たけれど、何となくさっぱりしていて、少々緊張感に欠けるかなと感じるところもあり。 小林さんの体調が万全でなかったことと関係があるのかも。 もちろん、演奏の手を抜いていたとか、そんなことはまったくなかったけれど。 それにこれもまた前日のGo There!同様、このような変化は、こういった音楽の面白いところでもあるし。 そんな感じで、"Block Signal"で終了。 ![]() そして、引っ込む間もなく、すぐさまアンコール。 でも、小林さんがかなりへばっていて、かなり辛そうな様子。 で、いろいろやり取りがあり、結局客として見に来ていた某ドラマー氏がステージに上げられ、代わりに演奏することに。 曲はこの日の1曲目でもあった"Trick Cycling"。 昨年共演したとは言え、急造であることには変わりなく、軽めなセッション的な演奏だった。 でも、その分、普段のライブではあまり聴けない、2本のギターのブルースっぽい掛け合いなど、聴き所も多かったし、結構面白かった。 ![]() で、これで終わりかと思いきや、通常のメンバーに戻り、"Movin'"を。 体調が悪いのに力を振り絞って演奏する姿が痛々しかったけれど、人間の体って意外と動くものなんだなと妙なところで感心してしまった。 お疲れさまです。 某所でのご本人のコメントによると、食中毒だったそうで、大丈夫なんでしょうか。 ほんとに。 ![]() と言う訳で(?)、こういうライブを経た恒例の年末クロコダイル、大爆発を期待しています。 ![]() ジョージさんのおニューのギター。 いじるのが楽しくてしょうがない様子。 セットリスト。 その他の写真など。 |
![]() Minami Hiroshi Go There! 12/12/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 先日の横浜でのライブがダメ押しと言うべきか、決め手というべきか、聴く度にハマりつつあったところへの決定打となり、すっかりハマりきっているGo There!のライブへ。 今や、もうすっかり見に行くのが、最も楽しみなバンドのひとつ。 が、行ってみると、年末の平日とあってか、残念なことにお客少なめ。 で、いつもの感じに、8時を10分ほど過ぎた辺りでスタート、だったはず。 まず、いきなり"A3"という大曲からで、この日の演奏は20分ほどだったと思う。 それでも、ここ最近では比較的短めか。 10月のライブでは、30分くらいの演奏だったし。 続いて、"Falling Falling Falling"、"Tears"、"Serene"と、自分の好きな曲目白押し。 なので、単純に嬉しく楽しんだが、ここ数回のライブの中ではわりとあっさり目な印象。 ここまで、約50分ほどだったと思う。 そして、しばしの休憩の後、セカンド・セット。 "Chase"から。 南さんの、「竹野君から行こうか」の一言で、まずは竹野さんのみで始まる。 この軽快な曲も聴くたびに好きになっている。 まさに"Chase"な感じのテンポが良い。 で、これ以降、確実に知っているし、ライブでも聴いたことがある曲ばかりなのだけれど、未だ曲名と一致せず、記憶が曖昧。 間違いなくやっていたのは、"Window In The Sky"、"Oracion"だと思う。 それと、もしかしたら最近のライブでやる機会の多い"Sakura"。 後は、"December"とか、"Deep Thoughts Between The Fourth"とか、"Massachusetts"とか、"Quiet Dream"とか、もしかしたらこれかなと思い浮かぶ候補はあるものの、まったく自信なし。 曲順の方も。 そして、アンコール。 今日はもうやらないかなと思っていた"#1"。 この曲は特に自由度が高いのか、というのは主に芳垣さんのドラムなのだけれど、おかげで毎回姿形(と言うのも変だけど)が異なる。 スリリングで好きな曲だが、どんなアレンジになるのか、まったく想像もつかないところも楽しい。 で、無理矢理終わらせたような、あまりにも唐突な終わり方で終了。 メンバー大笑いしたまま退場、と言う珍しい光景が面白かった。 全体的な印象としては、ファーストで感じた通り、ここ数回の中ではあっさり目。 今回は同じ曲でもどこで演奏されるかによって山の作り方が微妙に違ったりだとか、メンバー感での反応のやり取りだとか、そんな細かいところを重点的に楽しんでみた。 ただ、10月のライブに続き、またもや南さんの体調が今ひとつだったらしく、そのためなのかは分からないけれど、若干性急で噛み合わせの悪く感じられるところがあったのはたしか。 同時に、もちろん、凄いと感じさせてくれる場面もあったのもたしか。 何度も見続けることによって気付くところもあるし、それがこういった音楽の、特にライブでの面白いところでもある訳で。 こんな日もあるでしょう、という感じだろうか。 そのように感じたのも、横浜のライブのインパクト、余韻が相当の大きかったせいでもあるのかも。 もちろん、次回も楽しみにしております。 もう、来年ですね。 |
![]() Alex Chilton Like Flies On Sherbert Big Starのアレックス・チルトンの、何枚目か分からないけど79年(らしい)のソロ・アルバム。 とにもかくにもほぼチルトンのソロ・アルバムと言えるBig Starのサード・アルバム でも、聴いてみると、Big Starの面影はまったくと言っていいほど感じられない、もの凄く荒削りな出来に拍子抜け。 何じゃこりゃ?と感じたことを思い出す。 と言う訳で、ほとんど聴かぬまま、最近まで棚に眠る。 で、iPodに入れてみたついでに、どんな感じだったかなと何となく聴いてみた。 何年振りだろう。 どうしちゃったのというくらい荒削りな印象は変わらないが、以前よりはアレックス・チルトンらしさやBig Starに通じる部分(ほんの少しだけど)も感じられ、1、2曲目当たりは悪くないと思った。 Big Starと雰囲気が違うのは、ソロということで意識的にそうしているのだろうし、それは別に構わないのだけれど、曲によってはもの凄く質が低く、少々何をしたいの分からないところもあり。 以前よりは多少楽しめたし、悪くないなと思える箇所もあるだけに、余計に???な感じだ。 そんなにしょっちゅう良い曲が出来る分けないだろ、というチルトンの発言をどこかで読んだことを思い出した。 そんな具合に、もうひとつどう捉えたら良いのか分からない作品です。 近年もわりとコンスタントに作品をリリースしているようだけれど、どうなんだろう。 ちょっと興味あり。 そう言えば、Big Starのこれ さらに余談。 クレジットを見たら参加メンバーに、Mike Laddとあるんだけど、まさか79年だし、このMike Ladd |
![]() Lars Jansson Trio A Window Towards Being 先日、まったく知らずに見に行ったラーシュ・ヤンソンのトリオ名義の91年作。 ライブが良かったら会場で何か作品を買ってみようと思っていたのだけれど、ファースト・セットだけで充分打ちのめされてしまったので、セット・ブレイクの時に即購入。 で、どのアルバムを買ったら良いのかさっぱり分からず、でも、やっぱりここはリーダー作だろうということで数枚に絞り込む。 で、そこからさらに迷い、本当はガバッと行きたいところだけれど、今月はいろいろと入り用なのでグッとこらえてこのアルバムを選択してみた。 単なるジャケ買い。 そして、座席に戻ってクレジットなどを確認してみると、メンバーはもちろんヤンソンさんがピアノ、その日のライブ同様ドラムはアンダーシュ・シュルベリ、ベースはLars Danielsson(ラーシュ・ダニエルソン?)のトリオを基本に、数曲でBrynjar Hoff(なんて読むの?)なるオーボエの方が参加している。 オーボエの参加はなかなか珍しいし、ジャズの作品で聴くのは初めてなので、オッ、と思うと同時に、ヤンソンさんのところにはピアノ以外にシーケンサープログラミングと書いてあるのを発見。 80年代にはシンセサイザーを使った活動もしていた、と森さんがライブで話していたので不思議はなかったけれど、これは一体どんな音だ?とさらに興味が湧いた。 そして、聴いてみる。 1曲目はライブの1曲目でもあった"More Human"。 少々陳腐な表現かもしれないが、とても透明感のある美しい曲。 その他の曲もシーケンサーとあったので、どんなことになっているかと思いきや、正統的、と言うよりも自分が持っているイメージ通りの、と言った方が良いかもしれないけれど、そんな感じの北欧のジャズだ。 そのシーケーサーを使っている曲というのも、あまりに大胆で大味な使い方なので最初は少し面喰らったものの、その上に乗るピアノが熱くて格好いい曲。 目立って使われているのはその1曲のみ、だと思う、多分。 オーボエは、大きくフィーチャーされているところは少ないけれど、なかなか良い雰囲気。 全体としては、先日のライブと同様の傾向ながら、今から16年前で若いからか、ライブでの印象よりも「尖った」というほどではないけれど、角がある感じ。 もちろん、それは良い意味で。 そして、先日のライブの印象は、このアルバムと比較すると少し柔らかくなった印象か、今思うと。 もちろん、それも良い意味で。 と言う訳で、このアルバムは、当たりでした。 他のアルバムも聴いてみたいと思わせるには充分なほどに。 |
![]() UA × Naruyoshi Kikuchi 12/08/07 Orchard Hall - Shibuya, Tokyo, Japan オーチャード・ホールでの菊地成孔2Daysの2日目。 昨年の夏以来のUAとの共演。 1日目の方もあの編成では最後ということで興味はあったけれど、チケット代も安くはないので、貴重な組み合わせであるこっちを選択してみた。 前回は、前から3列目の真正面という凄い席だったが、今回はやや後退して9列目。 でも、センター・ブロックなので悪くない。 初めてのオーチャード。 で、開演時間の6時(早い)を10分だか、15分を過ぎた辺りでスタート。 UAがマイクの前に立ち歌い出す瞬間、ふと"Over The Rainbow"のメロディーが頭に浮かび、その直後、本当に同曲が始まる。 その時は、おおっ、と思ったのだけれど、よくよく考えてみれば前回のライブでもこの曲が1曲目だったし、そのことが頭のどこかに残っていただけだったようだ。 それはそれとして、演奏曲のすべてを把握はしていないが、当然のことながら"Cure Jazz" 前半、非常に心地良い音が続き、ちょっと吸い込まれそうになったりも。 雰囲気は前回と同様ながら、大きく変わったのが4人のストリングスの方々の参加だ。 ストリングスが、心地良さに拍車をかける。 前回は、"Cure Jazz"に編曲などで携わった中島さんによるキーボードで代用していて、唯一物足りなく感じた点だったのだけれど、やはり本物の響きの方が良かった。 さらに前回とはちょっと違った点が。 始まって少してから、菊地さんの横にマイクスタンドと譜面台がもう1組セットされていることに気付いた。 マイクスタンドの高さからして、歌か、楽器ならトランペットあたりかなと思い、登場したのが類家心平さんという若いトランぺッターの方。 来年から始動するという菊地さんの新しいバンド MCでは、相当にいじられて(長さにして少なくとも1曲分くらい?)たりもしたが、トランンペットの方はかなり良かった。 アグレッシヴで鋭いソロも素晴らしく、さらに良かったのが菊地さんとユニゾンでテーマを吹いていたあたり。 ノーギャラだけど、熱演。 新しいバンドへの期待が高まる。 UAは、前回、ステージ上では言葉少なだったけれど、今回はわりとリラックスした様子。 さすが関西人、な感じでしゃべりもテンポが良く、おもろい。 そして、言うまでもなく、歌は凄い。 スキャットなどは、ほとんどもう1人ホーンがいるような感じ。 先日のAltered Statesのライブにゲスト参加した時にも感じたが、圧倒的な雰囲気がある。 中でも特に凄かったのは、本編の終盤に坪口さんがピアノではなくキーボードでパイブオルガンのように弾いた曲。 これはかなり感動的だった。 菊地さん、吹いてなかったけど。 菊地さんは、もちろん、サックスに歌にと大活躍。 以前には、ちょっとばかり抵抗のあった菊地さんの歌声にもいい加減慣れて来ました。(失礼) ただ、トランペットをフィーチャーするためか、少々サックスが活躍する場面が少なめだったような気も。 もちろん、演奏の方は素晴らしかったけれど、もう少し聴きたかったというのが正直なところ。 と言う訳で、終わってみると、意外と長めで、アンコールを含め2時間ほど。 ライブそのものは、前回のようなインパクトは少なかったかもしれないが、素晴らしい演奏だったし、とても充実していてかなり楽しめた。 また、ぜひ共演して欲しいと思う。 |
![]() Lars Jansson Trio 12/06/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan たまに海外のアーティストがピット・インに出演していることは知っていたけれど、今まで見る機会がなく、でも、面白そうだなとずっと思っていたところ、12月のスケジュール表で、このスウェーデンのピアニストであるラーシュ・ヤンソンと言う名前をみかけた。 で、名前すら全然知らなかったが、見てみたいと直感的に思い、チケット発売日に予約。 メンバーは、ヤンソンさんの他、アンダーシュ・シェルベリさんがドラム、森泰人さんというスウェーデン在住の日本人の方がベース。 失礼ながら、いずれも初めて知る方々。 調べてみたら、森さんを中心にスカンジナビアン・コネクションと称して、スウェーデンと日本のミュージシャンを相互に紹介する取り組みをしていて、今回のツアーもその一環だそうだ。 その中でもヤンソンさんは、かなり有名な方、ということが分かった。 なるほど。 ついでに森さんのプロフィールを見てみたけれど、知らないだけで、まだまだ凄い人はいるようだ。 で。 ライブは、"More Human"という曲からスタート。 次のスタンダード曲"You Don't Know What Love Is"以外は、多分、すべてオリジナル曲。 だから、当然初めて聴く曲ばかり。 曲や演奏の雰囲気としては、「北欧のジャズ」という言葉からイメージする通り。 でも、まったく飽きることなく、非常に心地良い曲ばかり。 1曲目を聴いた時点で、早くも今日は良いものを聴きに来ることができたと実感。 ヤンソンさんのピアノは、とても軽やかで優雅な雰囲気。 演奏している姿が比較的良く見える席だったのだけれど、指の動きを見ているだけでも心地良かった。 非常に真面目そうな方だが、サービス精神も旺盛だ。 森さんのベースはキャリアを感じさせる重みのある音。 やはり日本でのライブということで、ほとんどのMCを森さんが担当していて、話し振りから伝わる雰囲気も非常に良かった。 登場した時はどこかの国の防衛大臣かと思ったりもしたが。(失礼) シェルベリさんは、なんというかヨーロッパの商店街(?)の肉屋の親父っぽい風貌(これまた失礼)で、パワフルかつ、メリハリの利いたドラミング。 時々、もの凄く変なタイミングでシンバルを入れたりするのだけれど、やはり年季を感じる演奏だった。 そんな具合にファースト、セカンド共にたしか1時間前後の演奏。 どの曲も素晴らしかったけど、ファーストの3曲目あたりにやった"Iceland"という曲や、ファーストのラストの曲あたりが印象的だった。 全体としては、息の合ったとても豊かな音。 豊かな生活ぶりが伝わって来るような。 豊かな生活と言っても、もちろん金持ってるとか、そういうことじゃないです。 ともかく、あっと言う間に終わってしまった感じで、もっと聴いていたかったと思えるほど、心地良かった。 もっとちゃんとツアーのスケジュールをチェックして、もう1回くらい見に行くようにすれば良かったと後悔。 特にドルフィーには行きたかったし、吉祥寺でも見ることができたかもしれないのに。 日本での演奏はコンスタントに行っているようなので、次回、タイミングが合えば、そうしたいと思う。 素晴らしかったです。 ところで、余談ですが。 今回、かなり早く入場することができたのだけれど、入ってみると明らかに会場前から一番前の席に座っていたオヤジが一人。 関係者なのか、どういう立場の人なのか、金を払って見に来ているのか、全然分からないし、知る由もないが、こういうのはかなり感じが悪い。 そこだけ、ちょっと残念。 まあ、演奏がそんなことを忘れさせてくれるくらい素晴らしかったので、かなり気分よく帰れたのだけれど...。 |
![]() Belle And Sebastian The Bowlie Weekender ついでにもうひとつ。 これはオフィシャル盤ではなく、普通のCD屋に「プライベート盤」と銘打って売っていたもの。 ブート屋にしか売っていないブートとどう違うのか昔から不思議に思っているのだけれど、まあ、ブートです。 中身は、99年4月22日にBowlie Weekernder Festivalに出演した時の演奏らしい。 買ったのは、前回の黄色いジャケット たぶん。 というのも、やっぱり当時はもう既に冷めていたのか、1、2度聴いたのみで、ふーん、と言う感じに終わっていたから。 少々、印象が薄い。 で、ここのところ、良い塩梅に楽しめているので、ついでに聴いてみたら悪くなかった。 演奏面で目を見張るようなところはないけれど、自分たちの音を表現することはちゃんとできている(当たり前か)し、思っていたよりはずっとまとまっている。 それに、この手のバンドに演奏力を求めてはいないし、ちょっとくらい下手な方が雰囲気があって良いとさえ思っているので問題なし。 メインのヴォーカルはともかくとして、他のメンバーの歌がやたらと不安定だったりするのも、まあ仕方なしと言ったところ。 曲で言えば、赤 と言う具合だけど、これ以上書くことも思い浮かばないので、この辺で。 |
![]() Belle And Sebastian Fold Your Hands Child, You Walk Like A Peasant もう少し、このバンドが続きます。 2000年リリース。 当時、この前の2作をいたく気に入っていたので、当然のように、そして、期待して買ってはみたものの、あんまりピンと来なかった1枚。 基本的な路線に変更があった訳ではないし、良い曲もあったのだけれど、前2作ではこのバンドの素朴な音を気に入っていたこともあり、ちょっとばかり派手な方向へ変化したように感じたからだ。 派手とは言っても、普通の水準で考えれば、これでも地味な部類かもしれないが。 なので、どうせつまんないんだろうなと後ろ向きな確認作業として、久しぶりに聴いてみた。 で、1曲目がなかなか良くて、印象の違いにやや拍子抜け。 そして、一応アルバムを通して普通に聴けた。 これが1回目の印象。 で、その後数日に渡り何度か聴いてみると、あれ?これ意外といいんじゃない?と言う具合に変化。 いままで余分に感じていた様々な音、これ以前とは変化した音作りもそれほど気にならず。 ただ、以前退屈に感じていた、スチュアート・マードック以外のメンバーが歌う曲は、今聴いても少々質が落ちるなという印象はあまり変わらず。 とは言え、それらの曲も堪え難いほどではなく、アルバムとしては充分楽しめるのだけれど。 今になって落ち着いて考えてみると、このアルバムリリース当時、多分このバンドに対して少し冷めていただけだったのかも。 それに加え、今だと一歩引いて聴けるので、それも良かったのだと思う。 7年かかって、ようやく楽しめるようになりました。 となると気になるのが、聴いたことのないアルバムだ。 チェックしてみたら、どうやら2枚ほどあるらしいが。 何となくガッカリしそうな気もするのだけれど。 悩みます。 |
![]() 村田陽一 Orchestra 12/02/07 Pit Inn - Shinjuku, Tokyo, Japan 9月に見に行ったBozoのライブのセカンド・セットにゲスト出演していた村田陽一さん主催のオーケストラを見にピット・インへ。 あの時の村田さんのトロンボーンの演奏のインパクトが凄かったのと、大所帯に興味があり。 そして、驚いたことにご本人からコメントまで頂いてしまったこともあり。 どうやらメンバーは固定ではないらしく、今回はトロンボーン×2、アルト、テナー、バリトン、トランペット×2、ギター、ベース、ドラム、パーカッションという総勢11名による演奏。 ステージ上、ぎっしり。 この内、一度でも演奏を生で聴いたことがあるのは、村田さん、アルト(とソプラノ)の津上さん、テナーの竹野さん(Go There!でお馴染みです)、パーカッションの岡部さん。 と、ドラムの佐野さんも一度unbeltipo trioで見たことがあった、そう言えば。 そんな感じです。 ファースト・セット。 ギル・エヴァンス、マイルス(の"All Blues")、ミンガス、チャーリー・ヘイデン、ウェイン・ショーターと言う、ジャズの凄い人達の曲を村田さんによるアレンジで、約1時間ほど。 1曲目から、とにかくド迫力。 予想していたよりもジャズっぽい演奏だな、と思っていたトロンボーンのソロ(村田さんじゃない方)から、竹野さんのソロへ移行すると共にジャズ・ファンク風に移行する瞬間がやたらと格好良かった。 そして、"All Blues"は好きな曲なので、単純に嬉しい。 ミンガス、ヘイデンの曲では、ベースの方がエレクトリック・アップライト・ベースを使用。 エレクトリック・アップライトを使った演奏をまともに聴くのは、ほぼ初めてに近かったのだけれど、ウッドベースの代わりになるものではないんだなと感じた。 独特なカリッとした音で、エレクトリック・ベース・ギターとウッドベースの関係ほどではないにしろ、また違った新たな選択肢といった感じ。 この2曲、渋め。 そして、最後のショーターの曲、リズム・アレンジが格好良かった。 岡部さん大活躍。 セカンド・セット。 ファーストとはちょっと趣向が変わり、ジミ・ヘンドリックスの"Stone Free"から。 次にギターの方のオリジナル曲、そして、残りはアンコールまで含め、すべて村田さんのオリジナル曲。 今回は、ホーンに若い方を呼んだと言うことで、なかなか興味深かった。 村田さん、津上さん、竹野さんの40代組と比較するとまだ音のインパクトが弱く、きっと今後この辺の世代の人達がもっと円熟して活躍して行くんだろうなという意味で。 若手の中では、右手のトランペットの方(田中さんだっけ?)が良かったと思う。 ライブの直前、もしかして、まだ見ぬデイヴ・ホランドのビッグ・バンド疑似体験か?、なんてふと思ったりした。 で、たしかに通じる面もあったと思うけれど、もっとストレートだし、何よりどちらも作曲者の個性が色濃く出ているので、良い意味で予想とは違っていたと思う。 ファースト・セットも良かったけれど、こうしたオリジナル曲をもっと聴いてみたい。 そして、村田さん。 トロンボーンに、ピアノに、進行に、と汗をかきながら、もの凄く忙しそう。 中でもトロンボーンの凄いこと。 一聴の価値ありなのは間違いなし。 化け物です。 津上さんの変態チックなソプラノとアルトもとても面白かった。 それと竹野さんのテナーをもっと聴きたかったけれど、Go There!とは異なる、こうしたアンサンブルでの演奏は初めてだったので、それもまたよし。 凄い迫力に気圧されて、いろいろなところから、いろいろな音がするので少々疲れはしたものの、面白いライブだった。 また、浴びたくなったら挑戦します。 |
![]() Belle And Sebastian If You're Feeling Sinister 続いて、97年のファースト・アルバムを。 まず、この次の"The Boy With The Arab Strap" そして、当然の如く、このアルバムも気に入らない訳がなく、"The Boy~"と共に一時よく聴いていた。 前回の"Tigermilk" どちらが好きかと言えば、この辺は好みの問題で、多分"Tigermilk"が最高という人も少なくはないと思うし、それはそれとして、個人的にはこのアルバムやセカンド・アルバムの方が好きだ。 で、ついでにこのアルバムとセカンドでどちらが好きかと言えば、これはなかなか選ぶのが難しいのだけれど、ほんの僅かな差でセカンドか。 ちなみに、このアルバムの中で一番好きな曲は、多分、7曲目のタイトル曲。 聴くのは結構久しぶりだったけれど、印象も特に変化していないし、その時の気分に合うなら、多分いつ聴いても同じように楽しめるアルバムだと思う。 そういう作品ほど、それについて改めて書いてみると意外と書くことがなかったりして。 なので、短めに失礼します。 |
![]() Belle And Sebastian "Tigermilk" 久々に聴いた"Storytelling" これは、96年にアナログのみ1000枚限定でリリースしたアルバムを99年にCD化したもの。 実質ファースト・アルバムだけれど、バンド側の位置付けとしてはそうじゃないってことを以前、どこかで読んだ憶えが。 アルバムのどれかのライナーだったかもしれない。 ともかく、熱心なファンの間では、「幻の」的なものだったらしく、そこまで熱心ではなかったとは言え、CD化してくれるならそれはもちろん聴いてみたい、ということで買ったものだ。 で、その頃は、おおむね好きな感じで占められていたものの、シンセサイザーを大胆に使った曲など、少々好みでなかった曲もあり、なんとなくハマることができずに終わる。 なので、印象が悪い訳ではないけれど、大雑把にしか憶えていなかったというのが正直なところ。 で、聴き直してみると、1曲目から凄く良いし、もう既にこの頃からスタイルは出来上がっていたこともよく分かった。 以前はあまり気に入らなかった曲も、たしかに未だに好みのアレンジとは言えないけれど、曲そのものはこのバンドらしい良い曲だと思うし、以前ほどには気にせず聴くことができた、ような気がする。 これなら再発が熱望されたと言うことに誇張があるかどうかは知らないが、それも分かるし、充分に掘り起こす価値のあった作品だと思う。 これはもう、ファースト・アルバムと言っていいと思うけど、これを加えたくないというバンド側の意図も何となく分かる気がするし。 まあ、それも聴く側としては、どちらでもいい話。 素直に良いアルバムだと思います。 |
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