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別冊グラント・グリーン第2号
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Up At Minton's Vol.1Up At Minton's Vol.2

Stanley Turrentine
Up At "Minton's" Vol.1, Vol.2


61年にレコーディングされた、ミントンズ・プレイ・ハウスでのライブ・アルバム。
このアルバム、前から興味があって何度か2枚組でリリースされているCDを買おうとしたのだけれど、たいした理由もなく先送りにしていた。
さらに、数ヶ月前にrollins1581さんがこのアルバムを取り上げていたのを読んで、ますます興味を持っていたのだが、気付いたら結構時間が経ってしまっていた。
先日、ふとそう言えば最近中古盤やをチェックするなんてことあんまりしてないなと思って、仕事帰りにちょっと寄ってみたら、国内盤の紙ジャケでリリースされたこのアルバムが2枚とも揃っていたのだ。
で、こりゃ買えってことだな、と思い即購入。
どちらか1枚しかなかったら、また買わずに過ごしていたと思う。
久しぶりに中古盤屋で欲しかったCDを見つける喜びを味わった。

このアルバム、テナー・サックスにスタンリー・タレンタイン、ピアノにホレス・パーラン、ベースにジョー・タッカー、ドラムがアル・ヘアウッド、そしてギターにグラント・グリーンという組み合わせ。
別に狙った訳ではないが、先日取り上げたホレス・パーランの"Up And Down"とはサックス以外全員同じメンバーによるものだ。
2枚で計8曲収録されていて、そのうち2曲がタレンタインのオリジナルで残りがスタンダード。
これが、実に良い雰囲気でアルバムの冒頭や曲間でのMCからもとてもリラックスした様子が窺える、のはもしかしたらアルフレッド・ライオンの狙いなのかもしれないが、凄く良い。

よくよく考えてみたらスタンリー・タレンタインのリーダー作を聴くのは初めて。
多分、思いつく限りでは、アストラッド・ジルベルトのアルバムでの演奏くらいしか聴いたことがない。
あまり自信はないけれど...、少なくともリーダ作は正真正銘、初めてだ。
なんと言うか風格のある演奏で、前述のホレス・パーランでサックスと務めていたブッカー・アーヴィンとはものが違うな、という感じ。
もちろんスタイルがまったく異なるので比べるのも少し気が引けるし、ブッカー・アーヴィンのような無茶な感じも好きではあるが。
数回聴いた限りでは、Vol.2の1曲目"Latar At Minton's"や4曲目"Summertime"のようなスローでブルージーな演奏が印象的。

ホレス・パーランの演奏は、タレンタインやグラント・グリーンと比較するとやや出番が少ないのと音質のせいで印象が薄いのだけれど、ここぞとばかりに繰り出してくるフレーズが凄く変で一気に自分の空気に変えるのが凄い。
やっぱり面白いピアニストだ。
さすがミントンズのハウス・バンドを務めていただけあって、タッカーとヘアウッドとの息もピッタリ。

そして、グラント・グリーン。
この時点で録音されていたリーダー作は1枚のみ、加えてスタンダード中心ということで、後の演奏と比べるとこの人っぽくない演奏をしている。
でも、どっから聴いてもグラント・グリーン、というそんな感じ。
自身のアルバムではあまり聴かれない普通の(?)ジャズ・ギターっぽいバッキングなんかは、意外と珍しくて聴きものかも。
ライブということでちょっとソロ長目だし。
今のところVol.1の3曲目"Broadway"やVol.2の同じく3曲目"Love For Sale"などのスピーディーな曲が印象的。
あ、それとタレンタイン同様、Vol.2の1曲目でのスローでブルージーな演奏も格好良かった。
こういうのもこの人の持ち味でもあるし。

このアルバム、特別なことはしてないけれど、2枚続けてずっと聴いていたいような感じで、結構気に入っている。
という訳で、予定外の第2号でした。
[2006/06/20 00:12] | Jazz | トラックバック(0) | コメント(6)
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コメント
いいアルバム、ゲットできましたね~
piouhgdさん、またお邪魔します。

タレンタイン、いいですよね~。グリーンを軸にどんどん黒~い世界が広がってますね。
一度はまると、なかなか抜けられなくなってしまいますよ(私もそうです)。
[2006/06/20 20:39] URL | turu [ 編集] | TOP ▲
>turuさん

どうも!
いいですね~、このアルバム。
かなり気に入っております。

>なかなか抜けられなくなってしまいます

もう抜けられなくなってます。(笑)
[2006/06/20 20:41] URL | piouhgd [ 編集] | TOP ▲
こんばんは。TBと記事へのリンクありがとうございます。

>アストラッド・ジルベルトのアルバム
 このアルバム、全然知りませんでした。なかなか色っぽいジャケットですね。

>なんと言うか風格のある演奏で
 タレンタインって、親分の貫禄というか、なんかどっしりとしてますよね。
 対してアーヴィンはテキサスのならず者、みたいな(笑)

>後の演奏と比べるとこの人っぽくない演奏をしている。
 グリーンは、ちょっとリーダー作とは違いますよね。
 大人しいというか、個性を隠しているというか。
 それでいて、ギターの音から湧き出てくる存在感が素晴らしいな、
 と思います。グリーンの特徴的なフレーズはあまり出てこないけれど、
 一音一音は確かにグリーンだ、と感じ取れるんですよね。凄い人です。
[2006/06/21 01:13] URL | rollins1581 [ 編集] | TOP ▲
>rollinsさん

どうもどうも。
こちらこそコメントありがとうございます。

>色っぽいジャケット

ジャケ買いでしたから、これ。(笑)
でも、内容も好きなんですけどね。

>アーヴィンはテキサスのならず者

ハハハ、まさにそんな感じですね。(笑)
こういう人も好きです。
でも、タレンタインの貫禄は凄いです。
もっと聴いてみたいと素直に思いました。

>個性を隠している

隠しているというか隠れちゃったような気もしますが。(笑)
でも、存在感ありますよね。
面白い人です。
[2006/06/21 09:17] URL | piouhgd [ 編集] | TOP ▲
きゃーもう別冊2号
はやいですねっ!!

私もタレンタインのリーダー作は知らないのですがこれは気になってました。
パーランにジョー・タッカーなら
これはもう聴くしかなさそうですね。
この手の黒いの聴き始めるとはまりまりますね。他が物足りなくなるのよね。
[2006/06/22 16:29] URL | bluerose [ 編集] | TOP ▲
>blueroseさん

>はやいですねっ

いや、たまたま手に入れることが出来たものですから。
次はいつになるか分かりませんです。(笑)

タッカー目当てなら、ライブ録音でややベースがオフ気味なのが少し残念ですが、アルバム自体はとても良いですよ、これ。
お薦めします。

ちなみにrollinsさんもこのアルバムのこと書いてらっしゃるので、ぜひ。

http://tinyurl.com/lhfl7
[2006/06/22 16:44] URL | piouhgd [ 編集] | TOP ▲
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