Tamba Trio Black Plus Blue 74年の"Tamba"という、ジャケットの色から通称"Black Tamba"と呼ばれるアルバムに、翌75年のこれもジャケットの色から"Blue Tamba"と呼ばれている、"Tamba Trio"というアルバムから3曲をボーナス・トラックに加えたアルバム。 ジョアン・ジルベルトの来日に深く関わっているDear Heatが2001年にリリースしたものだ。 例によって、このグループのことはなんにも知らず、CD屋でたまたま見つけ、帯に書いてある「幻の名盤」の文字に釣られて購入した記憶がある。 同じくDear Heartがリマスターしてリリースしていたジョアンのアルバム"Joao Gilberto"にはまっていた頃で、凄く音が良かったし、同じレーベルからリリースされたものなら、という期待もあって。 で、これが期待していたのと全然違う音で、当時は数回聴いたのみ。 確かにブラジルの音楽らしさは漂っているものの、なんでこうなるの?という訳の分からない展開に突入したり、これはこれで面白いとは思ったのだけれど、結局魅力を理解するには至らなかった。 そして、これがまた、今になって冷静に聴いてみると、本当に面白い音だなと思う。 ブラジルらしさ、サンバだとかボサノヴァだとかを感じさせつつ、ジャズ、フュージョン、それもどちらかと言えば暗い音、時にはこれはプログレか?とさえ思わせる、いろんなものが混ざった音だ。 そういえばブラジルってプログレも結構盛んなんだよね、ってことを思い出させてくれる。 実際に音は聴いたことがないけれど。 バンド名の由来になっているのが、メンバーのエルシオ・ミリートが考案した「タンバ」というオリジナルの楽器だそうで、それが一体どんな姿をしていて、どの音がそうなのか、さっぱり分からないのだが、音を聴く限り、トリオとは思えない、とても広がりがある、完成された音楽だと思う。 ライナーによれば、どうやらこのアルバムはわりと異色な部類に入るそうで、このアルバムに関していえば、けっこう実験的なマニアックな雰囲気もあるけれど。 このアルバム、ちょっと調べてみた限りでは、どうやら今ではまた手に入り難いらしい。 凄く面白いと思うんだけど。 Dear Heartの方も、ジョアンの最初の来日以降、サイトの更新も止まっているし、一体どうなっているのやら。 とりあえず、このアルバムが面白いことに気付けただけで、良しとしとこう。 |
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